俳優・映画人コラム

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2021年01月29日

有村架純の魅力、軌跡を知る5本の映画を紹介|『花束みたいな恋をした』公開記念

有村架純の魅力、軌跡を知る5本の映画を紹介|『花束みたいな恋をした』公開記念



2021年1月29日から公開される『花束みたいな恋をした』は、坂元裕二脚本、土井裕泰監督による王道のラブストーリー映画。

菅田将暉&有村架純を主演に迎え、若い二人の出会いから同棲、就活、そして……といった恋の流れを、時代時代のサブカル的風俗を巧みに盛り込みながら描いていきます。

今回はその主演のひとり、有村架純の現在に至る活躍の軌跡を映画で振り返ってみましょう。

ブレイク前後のお宝映画『女子ーズ』(14)



有村架純は1993年2月13日、兵庫県生まれ。

2010年に芸能界デビューし、同年初めてドラマ出演し、『阪急電車 片道15分の奇跡』で映画デビューを果たします。翌11年、『ギャルバサラ―戦国時代は圏外です―』では映画初主演。

2013年、TV「あまちゃん」でヒロインの母親の若き日の姿を演じて人気を博すようになります。

この時期の彼女のお宝的存在の映画として、『女子ーズ』が挙げられるでしょう。

『銀魂』『三國志』などで知られる福田雄一監督によるスーパー戦隊もののパロディで、女性ばかりのスーパー戦隊“女子ーズ”(桐谷美玲、藤井美菜、高畑充希、山本美月、そして有村架純)の面々の日常の生活と戦いとのギャップをゆる~く描いたこの作品の中で、有村架純は“女子・グリーン”ことアングラ劇団に属する大根役者・緑山かのこを可愛らしく演じていました。

映画女優としての飛躍『映画ビリギャル』(15)



2015年は有村架純にとって映画の飛躍の年となりました。

『ストロボエッジ』と『映画ビリギャル』の2作品に主演し、第58回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞。後者は日本アカデミー賞優秀主演女優賞及び新人俳優賞も受賞しています。

『ストロボエッジ』は、桑村さや香の同名漫画を原作に福士蒼汰と有村架純のW主演で映画化された青春ラブストーリーですが、広木隆一監督の巧みな演出によって単なるキラキラ系映画の域を越えた瑞々しくも繊細な青春映画に仕上がっています。

なお、このとき彼女はデビュー以来初めて髪を20センチ切ったことも話題になりました。

そして『映画ビリギャル』は坪田信貴のノンフィクション小説「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を原作にした、原作タイトルそのままの内容。

ここで有村架純は金髪の素行不良ギャル高校生さやかに扮し、坪田(伊藤淳史)の指導を受けながら慶應に現役合格するまでの軌跡と奇跡をさわやかに演じています。

そして時が経ち、本作の土井裕泰監督と有村架純は最新作『花束みたいな恋をした』で再びタッグを組むことになるのでした。

「ひよっこ」の年に公開された意欲作『ナラタージュ』(17)



2017年、有村架純はNHK朝のテレビ小説「ひよっこ」に主演して日本中のお茶の間に広く深く認知され、押しも押されぬスター女優として台頭します。

同時にこの年は映画でも、行定勲監督の野心作『ナラタージュ』に主演。

島本理生の同名小説を映画化したこの作品、結婚を間近に控えたヒロイン泉(有村架純)が、高校時代の恩師で昔の恋人でもあった葉山(松本潤)のことを回想しながらドラマが進んでいきます。

あたかも往年の成瀬巳喜男監督作品のようなしっとりとした女性映画で、まさに現代版『浮雲』とも称されてしかるべき作品に仕上がっていました。

同時にそれは有村架純自身の、まだ大人になりきれていない20代前半の女性の繊細な想いを演じるという上でも、非常に得難い経験になったと思われるのです。

疑似家族の交流と絆『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』(18)



2018年に公開された『かぞくいろRAILWAYS わたしたちの出発』で、有村架純は子を持つ親に挑戦しています。

電車と人、そして家族との相互関係を描く“RAILWAYS”シリーズ第3弾。

ここでは鹿児島県の肥薩オレンジ鉄道を舞台に、夫を亡くして彼の故郷・鹿児島県阿久根市に連れ子ともども赴いた天涯孤独のヒロイン晶(有村架純)と、夫の父親(國村隼)との家族関係とその麗しい絆を描いていきます。

ヒロインにとっては子も親も血の繋がりはなく、しかし実の血族以上に濃くも温かく、そしてささやかな家族関係を築いていく姿が感動的な吉田康弘監督の秀作でした。

東日本大震災からの10年を描く『劇場版 そして、生きる』(19) 



2019年の『劇場版 そして、生きる』は、同年8月よりWOWOWの“ドラマW”枠でオンエアされた全6回のドラマシリーズに未公開シーンを加えて再編集し、劇場公開したものです。

脚本は岡田惠和、監督は月川翔、音楽は村松崇継といった豪華な布陣。

東日本大震災の後、岩手県盛岡市に住む瞳子(有村架純)と東京の大学生・清隆(坂口健太郎)が宮城県気仙沼市でのボランティア活動を通して出会い、それぞれの数奇な運命に翻弄されながらも自分たちの人生を切り開いていくという、およそ10年の月日を描いたヒューマン作品。

映像が6Kで撮影されていることもあり、単なるTVドラマのダイジェストは一線を画した1本の“映画”として屹立しています。

またそこには有村架純ら演技陣の作品に寄せるシンパシーとそれゆえの好演あればこそでしょう。

そして『花束みたいな恋をした』の後も、待望のシリーズ完結編『るろうに剣心最終章The Final/The Beginning』、『太陽の子』と、新作映画が続々登場の有村架純。

これからもさわやかな笑顔と真摯な演技&存在感をもって、好ましくも意欲的な活躍を続けていただきたいものです。

(文:増當竜也)

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