【総まとめ】Netflix、2021年オリジナル作品ラインナップ考察
Netflixはアカデミー賞を賑わしてきたアルフォンソ・キュアロン監督『ROMA/ローマ』(キュアロン監督が監督賞受賞)や『マリッジ・ストーリー』(ローラ・ダーンが助演女優賞受賞)、マーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』などなど話題作を連発しています。2020年度のアカデミー賞では最もノミネート数が多い映画会社ともなっています。
海外のみならず、国内製作のドラマも「全裸監督」「今際の国のアリス」をはじめ、話題作を連発。今回はそんなNetflixの2021年の衝撃のラインナップを見ていきたいと思います。
週に1本の新作映画!?
スパイク・リー監督の『ザ・ファイブ・ブラッズ』、異色の反戦映画『シカゴ7裁判』、名作制作の裏側を描いたデヴィッド・フィンチャー監督の『Mank/マンク』などなど、実力のある作品を2020年に送り出してきたNetflix。これまでは“配信だから映画じゃない”という言い訳とも抵抗とも言える意見が飛び交っていましたが、コロナ禍に陥りハリウッドメジャーも自社傘下の配信プラットフォームでの配信を行うなどもはや言い逃れができない状態になりましたので、いよいよNetflixからアカデミー賞作品賞受賞作品が誕生するかもしれません。
2021年のNetflixはなんと新作映画として70本のタイトルを用意していることを発表。
1年が52週から53週なので、週に1本以上のペースで新作映画を供給してくることになります。これはハリウッドメジャーでもできない驚きの一手で、コロナ禍でも増収増益というNetflixのパワーをそのまま感じさせる結果になりました。
しかも、レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンス、サンドラ・ブロックと言ったオスカースターから、今、最も稼ぐハリウッドマネーメイキングスターことドゥエイン・ジョンソンの新作や『ワンダーウーマン』のガル・ガドットの新作まであります。監督もザック・スナイダーやジェーン・カンピオンの名前が並び、さらにはあのハル・ベリーが監督デビューを飾る作品などまであります。
日本オリジナルドラマ
Netflixの日本オリジナルも勢いを増しています。
まず大きな話題を呼んだのが2016年の「火花」でしょう。又吉直樹の芥川賞受賞作品をドラマ化したもので。豪華キャストに加えて多くの映画監督も参加して、通常の日本のドラマとは一線を画したスタイルを初手から見せてきました。
その後も映画化もされた「僕だけがいない街」、明石家さんまプロデュースの「Jimmy~アホみたいなホンマの話~」、蜷川実花が手掛けた「FOLLOWERS」、そして、世界的なホラータイトル初のドラマ化作品「呪怨:呪いの家」などが続きました。これに「全裸監督」「今際の国のアリス」というビッグタイトルもあるわけです。
以下は、これまでわかっている日本作品の注目作品です。
「First Love初恋」
1990年に発売され、日本で一番売れたアルバムとなった宇多田ヒカルの「First Love」とその19年後に発売されたアルバム「初恋」。それぞれの表題曲をモチーフに1990年代後半と2000年代、そして現在の3つの時代を交錯させて描くラブストーリーです。
フライトアテンダントを目指しながらも不慮の事故に遭うなど運命に翻弄されるヒロイン野口也英を『愛のむき出し』『愚行録』の満島ひかりが演じます。
相手役となる並木晴道役には『るろうに剣心最終章』二部作が控える佐藤健。航空自衛隊のパイロットになるもの、その後別の道を進むことになるキャラクターです。
監督・脚本はCM、ドラマ、映画と幅広く活躍する新進監督寒竹ゆり。過去には佐藤健のイメージビデオを監督した経験もあります。
「新聞記者」
2020年の第43回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀男優賞(松坂桃李)、最優秀女優賞(シム・ウンギョン)の主要三部門を受賞した同題映画がまさかのドラマ化です。
主人公は新たに米倉涼子が演じます。高視聴率を叩き出し続ける「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズに続いてパブリックイメージそのままに権力に立ち向かう“闘う女”“強い女”演じるのでしょう。高視聴率女王がNetflix日本オリジナルドラマという場でどういう演技を見せるのか、社会的なメッセージも強い作品になることは間違いないので、新たな顔を見ることができるでしょう。
またブロードウェイミュージカルに主演するなど世界志向も強い米倉涼子なので世界配信となるNetflixは面白い場になるのではないでしょうか。
監督・プロデューサーは映画版から引き続き藤井道人監督とスターサンズの河村光庸プロデューサーが続投するのも注目です。
「サンクチュアリ-聖域-」
2021年のラインナップを見た中で最も異色作になりそうなのが本作。
日本の伝統文化で国技でもある大相撲がメインテーマという冒険の一作。
主演は元格闘家でその巨体を生かし『キングダム』や『宮本から君へ』などで異彩を放ってきた一ノ瀬ワタル。格闘技の才能と恵まれた体格を買われ、金のためだけに相撲部屋に入門した見習い力士・猿桜役を演じます。人生崖っぷちの状態から相撲部屋に入門、金と女と名声を得るためにのし上がっていきます。
猿桜を預かる相撲部屋の親方役にピエール瀧、親方を支える女将役に小雪、猿桜の唯一無二の友人となる清水役に染谷将太が出演。
監督は岡田准一のアクション映画『ザ・ファブル』シリーズの江口カン。脚本は「半沢直樹」などを手掛けている金沢知樹。
力士役の役者は1年近くをかけて肉体改造と相撲のけいこをするという本格志向です。「今際の国のアリス」でも8話のドラマに撮影で10カ月を費やすなどNetflixのドラマは作り方のスケール感が違います。
「金魚妻」
黒沢Rが「グランドジャンプめちゃ」で連載中の同題コミックをもとにしたドラマ。
ある事情で夢を諦め専業主婦になった平賀さくら役を篠原涼子が演じます。夫のDVなどもありながらも家を出ることができない自分を金魚鉢の金魚と重ねる生活を送る中で、ある男性と出逢い…というストーリーになるようです。
コミックは“不倫妻”を描いたオムニバスとなっていますが、今作ではヒロインをさくらに固定する構造になるのでしょうか。共演者などがまだ発表されていませんが、同じような境遇の女性が重なり合うドラマになることも考えられます。
フジテレビとの連携作品で「最高の離婚」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」の並木道子が演出を手掛け、映画からドラマ、アニメなだ幅広く活躍する坪田文が脚本を手掛けます。
「幽☆遊☆白書」
冨樫義博原作で1990年代の週刊少年ジャンプを支えた大ヒットコミックがまさかの実写ドラマ化です。
アニメ化の際にはメインキャラクターの飛影や蔵馬が大人気となりました。2019年には舞台化され、その再現度が話題になりました。アニメ・コミックの人気からアジアから全世界に向けて勝負のできるコンテンツになる可能性があります。
同じジャンプ作品の『るろうに剣心』は実写映画がアジア全域で大ヒットし、アニメは『Samurai X』のタイトルで英語圏でも人気を集めました。
キャストなどはまだ未発表ですが、果たしてどのような顔が並ぶのでしょうか。制作は「今際の国のアリス」ですでにNetflixと組んでいるROBOT。「海猿」シリーズや『寄生獣』などを手掛けているので期待ができます。
そして「全裸監督」シーズン2&「今際の国のアリス」シーズン2
そして、忘れてはいけないのが「全裸監督」と「今際の国のアリス」のシーズン2です。
当時の新宿歌舞伎町を再現した大掛かりなセットやハワイロケなど豪華舞台に山田孝之、玉山鉄二、満島真之介などが出演。山田孝之が日本のアダルトビデオを帝王と呼ばれた村西とおるを演じています。シーズン2でもメインキャストは続投、武正晴総監督も続投です。また新ヒロインに垣松祐里の起用が発表されています。
「今際の国のアリス」は2020年の冬の放映が始まったばかりですが、大ヒットを受けて早々にシーズン2が決定しました。シーズン1で”げえむ”を勝ち残ったメインキャストの続投も同時に発表されているので、さらなる展開が楽しみです。
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「全裸監督」のシーズン1はかなり物語に決着をつけた形で終わったので、シーズン2はどのように物語が始まるのかが楽しみです。一方「今際の国のアリス」は海外サスペンスドラマも真っ青な見事な“クリフハンガー”で終わっているので、こちらは新たな”げえむ”が描かれるのではないかと思われ、追加キャストも多数出てくるのではないでしょうか。
年間ペースで見たとき、これまでの倍以上オリジナルドラマを並べてきた2021年のNetflix。2021年1月19日の発表では契約者数が2億人を突破したとのことで勢いは増すばかり。おうち時間の相棒の座を譲る気持ちは全くないようですね。
日本アニメーション
映画で興行収入新記録を打ち立てた『鬼滅の刃』、さらに“ポスト鬼滅”の最有力候補と言われる「呪術廻戦」など、コロナ禍でもヒット作、話題作が続いた日本アニメーションの世界。
その中でも「日本沈没2020」「泣きたい私は猫をかぶる」「攻殻機動隊SAC‗2045」などのタイトルをオリジナル、独占配信作品として手掛けているがNetflixです。
他にもシーズン2の制作が決定している「ULTRAMAN」や永井豪の伝説的なコミックの完全映像化を目指した「DEVILMAN crybaby」など国際的にも話題を呼んだタイトルを立て続けに発表しています。
さらに充実の、2021年のNetflixアニメーション
Netflix Japanは2020年10月17日に行われた「Netflixアニメフェスティバル」において2021年以降に配信すする作品としてなんと16タイトルもの作品を挙げてきました。この一年で世界の一億世帯がNetflixを介して日本のアニメーションを視聴、この伸び率はなんと前年比で50%増という伸び率です。日本オリジナル(日本語作品)はNetflixにおいて大きな武器になると言うことが証明された形になり、その勢いそのままに16タイトルの新作を出してきた形になります。その中である程度、情報が解禁になっている作品をご紹介します。
「スプリンガン」
かつて地球に存在した超古代文明の遺産を守る“スプリガン”と呼ばれる特殊工作員・御神苗優の冒険を描いた、たかしげ宇原作、皆川亮二作画によるコミックが原作。1990年代に連載され、1998年には『AKIRA』の大友克洋が総監修を務める形で長編映画化もされましたが、今回装いも新たにアニメシリーズとして登場します。「TIGER&BUNNY」や「呪術廻戦」のスタッフが参加しているという点でも注目です。
「パシフィック・リム:暗黒の大陸」
今やアカデミー賞監督となったギレルモ・デル・トロが手掛けたSF大作『パシフィック・リム』がアニメ化。『GODZILLA ゴジラ』から始まるモンスターバースを手掛けるレジェンダリー・ピクチャーズがプロデュース。
日本のアニメ版『GODZILLA』三部作を手掛けたポリゴン・ピクチュアズが参加。ポリゴン・ピクチュアズは現在Netflixで配信中の「トランスフォーマー:ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー 」にも参加しています。
「ゴジラS.P<シンギュラポイント>」
映画からアニメというとこの作品もあります。日本発で世界に通じるビッグネームの大怪獣ゴジラを題材にした初のアニメーションシリーズ。ゴジラという未曽有の危機に二人の若者の物語になるようです。
海外でも人気の『僕のヒーローアカデミア』のボンズが作画に参加。芥川賞作家の円城塔が脚本を担当し、映画ドラえもんシリーズを手掛けた高橋敦史が監督しています。
「テルマエ・ロマエ・ノヴァエ」
こちらも実写版映画が大ヒットしましたね。その後もアニメ化もされましたが、改めてNetflixでアニメシリーズ化。古代ローマの公衆浴場(=テルマエ)設計士ルシウスが現代日本にタイムスリップ、時代間、異文化間ギャップに驚きながらも日本の風呂(銭湯・温泉)文化を学んでいきます。原作者ヤマザキマリによる新たな書き下ろしエピソードも予定されているとのことです。
「天空侵犯」
過酷な領域、無数の高層ビルがつり橋で繋がり合う空間で、そこにいる人々に容赦なく襲い掛かる“仮面”の殺戮者。いかにして逃げ切り、生き残るかという狂気のグロ死(=デス)ゲーム系作品のアニメ化。
「今際の国のアリス」にハマれた人たちは必見の作品になりそうですね。また、このジャンルは世界各国でも実写やアニメで映像化されているので海外の視聴者を獲得しそうですね。
「B The Beginning Succession」
『キル・ビル』のアニメーションパートなどで知られる中澤一登とProduction I.Gが手掛けたクライムサスペンス「B: The Beginning」のシーズン2。
シーズン1は世界で最も長い歴史と規模の誇るアニメーション映画祭であるアヌーシ国際アニメーション映画祭で入選するなど高い評価を得ており、こちらも海外の視聴者を獲得できる可能性があります。
「バイオハザード:インフィニット ダークネス」
海外の視聴者という点ではこちらも訴求力がありそうな「バイオハザード:インフィニット ダークネス」。世界での累計出荷本数が一億本を超え、ハリウッドでも映画化されてきたビッグタイトルの新作アニメシリーズが登場。人気キャラクターのレオンとクレアの活躍をフル3DCGで描き来ます。
「Yasuke-サスケ-」
ハリウッドでの実写映画企画の話もある実在の黒人ヤスケ(=弥助)を主役にしたファンタジー時代劇。戦国時代、実際にあの織田信長に仕え、アフリカ人として初めて“武士”となった弥助がどのように描かれるのかの楽しみです。すでに発表されたキャラクターデザイン中には織田信長の姿もありますが、どのような登場の仕方をするのでしょうか。
監督・製作総指揮は数多くのアメコミ、グラフィックノベルのアニメ作品を手掛けてきたラション・トーマスです。
「異界探偵トレセ」
グラフィックノベル関連作品としてはこの「異界探偵トレセ」もあります。この作品はフィリピンの同題アニメ、グラフィックノベルがもとになっているという異色作です。ジャンルとしてはファンタジックアクションと言えば良いのでしょうか。
「ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン」
ファンタジー系の作品としては本作もあります。ヴァンパイアとの戦いに敗れて、人類は光の壁で囲われた小さな都市に身を寄せ合うという設定の中でヴァンパイアとの共存を望む主人公と、ヴァンパイアの王女の運命的な出逢いから始まる物語。かつて、ヴァンパイアと人類共存していいた“楽園”(=ガーデン)を求めての旅が始まります。
「エデン」
ファンタジーの大作としては「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」の入江泰浩が監督する「エデン」があります。入江監督のもとに国内外ら魅力的なスタッフ集結しました。
はるか未来、指導者ゼロに率いられたロボットだけが暮らす世界”エデン3”。ある日、農業用ボットがサラという赤ん坊の入ったカプセル発見してしまい…というところから始まる物語はスケール感を感じさせる作りになっています。
「極主夫道」
玉木宏主演で連続ドラマ化もされたばかりのおおのこうすけ原作の同題コミックがアニメ化。原作はすでに累計260万を突破するなどのベストセラーです。数多くの伝説を残し、不死身の龍と呼ばれる元ヤクザが専業主夫になるというコメディ。
主役の龍のボイスキャストを以前にコミックの実写CMで龍を演じた津田健次郎がキャスティングされているのも話題になりそうです。
「岸辺露伴は動かない」
ドラマ繋がりで言えば2020年年末に高橋一生主演でNHKで三夜連続で放映された「岸辺露伴は動かない」のOVAが改めて4作品まとめて Netflixで全世界独占配信が決定しています。
「範馬刃牙」
ベストセラーコミック言えばこの「刃牙」シリーズの新シリーズもラインナップに入っています。これまでのアニメシリーズNETFLIXで全話全世界独占配信中ですが、そのシーズン3もやはりNETFLIXで制作・配信されます。
「リラックマと遊園地」
ストップモーションアニメとして異例のヒットなった「リラックマとカオルさん」の続編。再び緩い世界が展開されるようです。
多部未華子がボイスキャストを務めたカオルさんの再登場はあるのでしょうか。
国内外人気のコミックのアニメ化、すでに実写化されている映画作品のアニメ化などなど、作品の背景からジャンルに至るまで多岐に渡る作品が並んでいます。1月19日の発表では契約者数が2億人を突破したとのことで勢いは増すばかりのNetflixが今後、さらに世界に史上を拡げるための大きな武器としてどのような日本オリジナルアニメの新タイトルを発表してくるのかと考えると胸が躍ります。
日本オリジナル映画
そんな中で日本オリジナル映画(実写日本語作品)は3本の制作が発表されています。これまでNetflixが制作した日本語映画は、その後、再編集してドラマシリーズにもなった園子温監督の『愛なき森で叫べ』のみでした(独占配信作品は別に『泣きたい私は猫をかぶる』などがあります)。
これまで1本だった中でなんと2021年だけで3本の制作を発表、超攻撃型の制作態勢になります。今のところ発表されているタイトルは以下の3作品、どれも強烈な“引き”のある作品になっています。
『浅草キッド』
ビートたけしが作詞作曲した同題の楽曲と同題の自叙伝が原作になった映画。東八郎、萩本欽一らを育てた伝説の芸人・深見千三郎のもとに弟子入りした青年が、多くの仲間との出逢いを経て、やがて超のつく売れっ子芸人“ビートたけし”なるまでを描きます。
長年企画を温めてきた劇団ひとりが脚本と監督を担当し、深見千三郎を劇団ひとりの監督デビュー作『青天の霹靂』に主演していた大泉洋が、そして、ビートたけし役には柳楽優弥が挑んでいます。
舞台は昭和40年代の浅草となります。ドラマ『全裸監督』で当時の新宿歌舞伎町を再現したセットを作って見せたNetflixなので、この昭和の浅草の再現にも期待ができます。
海外でも圧倒的な認知度を誇るビートたけし(=北野武)の原点を描くと言うことで国際市場でも受けるかもしれませんね。
『彼女』(英語題名Ride or Die)
少女コミック原作映画化から『ヴァイブレーター』『余命1ヶ月の花嫁』『さよなら歌舞伎町』まで一作ごとに話題を呼び続ける廣木隆一監督の最新作がNetflixで登場します。廣木監督はNetflixとはオリジナルドラマ『火花』で組んでいる経験もあります。
本作は中村珍の『羣青』を原作にした一組のレズビアンの逃避行を描く物語になっています。
メインキャストには水原希子とバンド「ゲスの極み乙女。」のドラマ―のさとうなおみがクレジットされています。役名なども含めてアレンジがあるようで、どのような作品仕上がってくるのかが楽しみです。
『ボクたちはみんな大人になれなかった』
2016年に発行されるや、糸井重里、あいみょん、吉岡里帆など多くの著名人を魅了し、SNS上で“エモい”と話題になった燃え殻の同題デビュー小説の映画化。主演には森山未來が決定しています。常に実験的な作品選びをしてきた森山未來の新たな一手と言うことでも注目の一作です。
原作者の燃え殻は映像の裏方を長年務めてきたということで、自作の映画化ということは感慨深いようです。
監督はこれが長編映画第一作となる森義仁。なんと映画監督デビュー作がNetflix(=配信)というのは、まさに新たな時代のデビューの仕方なのかもしれません。
日本語実写部門のキーマンは国際経験豊かなプロデューサー
ドラマ「全裸監督」や「今際の国のアリス」、さらに嵐を追いかけた「ARASHI‘S Diary-Voyage-」なども含めて、Netflixの実写部門をエグゼクティブ・プロデューサーとして統括するのが坂本和隆。
2015年の日本でのNetflixのサービス参加とほぼ同時にNetflix Japanに入社した人物で、それ以前にはTBSとWOWOWが共同制作して、最終的に大掛かりな海外ロケを含む映画にまで昇華した「MOZU」シリーズや、日本・オランダ・カナダ・オーストラリアの4カ国合作の「東京裁判 TOKYOTRIAL」になどで現場プロデューサーをしてきた人物。これまで共同制作、国際共同合作を手掛けてきて得たノウハウをNetflixという場でフル活用し多くの話題作、ヒット作を手掛けてるようになります。
Netflixは日本でのサービス開始当初は日本の製作者から配信権を預かっての独占配信を中心にしていました。そこで、徐々に実績と人材を社内に蓄積し、その後自社(=Netflix Japan)発信の企画を進めるようになります。それが結実した第一歩が2019年の「全裸監督」です。この成功は日本国内だけでなくアジア圏にまで拡がりました。日本語で実写のオリジナル企画が作りやすい環境を創り上げました。
Netflix Japanは22年までに映画・ドラマ合わせて15本以上の実写作品を配信すること発表しています。発表されているタイトルがまだ10本程度なので、さらにあっと驚くようなタイトル・企画が発表されるのではないかと思われ期待が高まる一方です。1月19日の発表では契約者数が2億人を突破したとのことで勢いは増すばかりのNetflixからますます目が離せません。
(文:村松健太郎)
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