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2021年04月09日

『HOKUSAI』公開記念!北斎からイマジネーションを受けた芸術家&作品が登場する映画特集

『HOKUSAI』公開記念!北斎からイマジネーションを受けた芸術家&作品が登場する映画特集



天才浮世絵師 葛飾北斎の知られざる生涯を初めて描く映画『HOKUSAI』が、5月28日(金)に全国公開を迎えることを記念して、北斎の作品から多くの刺激を得た芸術家や作品が登場する映画を大特集します。

19世紀中頃、鎖国を解いた日本の美術は万国博覧会への出品などをきっかけに西洋に流れ込み、日本に対する関心はヨーロッパやアメリカで高まり「ジャポニズム」と呼ばれる日本ブームが巻き起こりました。中でも葛飾北斎による「北斎漫画」がフランスに伝わり、画家ゴッホ、マネ、モネ、ゴーギャン、さらにはガラス工芸家のエミール・ガレに作曲家ドビュッシーまで、多くのアーティストを刺激し、“印象派”の人々に多大な影響を与えました。

また、女性の憧れともいえるジュエリーブランド・ティファニーのデザイン部門を創設したエドワード・C・ムーアは、1867年のパリ万博で浮世絵を見て日本美術に衝撃をうけ、数千点にも及ぶ日本美術品をアメリカに持ち帰ったと言われています。その中に「北斎漫画」もあり、ティファニーはそこから着想を得て様々な銀製品を制作したそうで、現在も当時の「北斎漫画」はティファニー社に保管されているとか。

北斎の作品の世界観に魅せられ、多くのアーティストたちが影響を受けて描いた絵画や創作した音楽は多くありますが、映画『HOKUSAI』が公開される前に、彼らの人生が描かれたり、絵画や音楽などが収められた作品を観ておけば、より一層本作を楽しめますよ!

『永遠の門ゴッホの見た未来』(2019公開)


誰もが一度は目にしたことがある「星月夜」や「ひまわり』など優れた油絵を残し、ポスト印象派の代表的画家として知られるフィンセント・ファン・ゴッホ。『永遠の門ゴッホの見た未来』では、不器用なゴッホの内面が繊細に表現され、知られざる彼の人生が描かれます。画家として全く評価されず、頼れる人も近くにおらず孤独な日々を過ごすゴッホ(ウィレム・デフォー)。孤独感にさいなまれる中、画家・ゴーギャン(オスカー・アイザック)と運命的な出会いを果たし、お互いの創作に対する姿勢に共鳴し、共に創作活動にのめりこんでいきます。共鳴し合い創作活動を続けていくゴッホとゴーギャンですが、次第に彼らの関係は破綻していき……。

生前、自身の作品が全く売れなかったものの、死後高い評価を受けるゴッホですが、ゴッホの名画「星月夜」は北斎の「冨嶽三十六景」全46図のうちの一つ、「神奈川沖浪裏」から大きなインスピレーションを得て描かれたと言われており、更にはゴッホにとって重要な存在となるゴーギャンも、北斎の作品から強いインスパイアを受けたとされています。また、今作でゴッホを演じたウィレム・デフォーは2018年に行われた第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で男優賞を受賞し、アカデミー賞における最優秀主演男優賞にもノミネートされるなど、素晴らしい演技が際立ちます。表現者たちが自由を奪われていた時代に、抑圧に負けず、自分の道を貫き“表現の自由”を求める北斎と、絵画に対する熱い情熱を注ぎ激しく壮絶な人生を歩んだゴッホの生き様は共通する部分が見つかるはず!

『モネ・ゲーム』(2012公開)


1966年に公開されアカデミー賞3部門にノミネートされた『泥棒貴族』をリメイクしたクライムコメディで、コリン・ファースとキャメロン・ディアスの初共演作となるだけではなく、アラン・リックマンやスタンリー・トゥッチなど豪華俳優陣も勢ぞろい!脚本を『ファーゴ』で知られるジョエル&イーサン・コーエン兄弟が担当した注目作です!横暴な上司である大富豪のライオネル・シャバンダー(アラン・リックマン)の元で不満を感じながら働いていたキュレーターのハリー(コリン・ファース)。そんな時、ハリーはシャバンダーが印象派画家・クロード・モネの「積み藁」のうちの一つ「積み藁・夕暮れ」を探し求めていることを知り、ハリーはシャバンダーに逆襲すべく、「積み藁・夕暮れ」の贋作を用意し、シャバンダーから大金を巻き上げる計画を思いつきます。ハリーの計画に協力する形で仲間になったPJ・プズナウスキー(キャメロン・ディアス)と共に計画を進めていくものの、計画にはいくつかの穴があって……。

本作に登場するモネの名作「積み藁・夕暮れ」は計25作品からなる「積み藁」における絵画群のうちの1つ。モネ自身、江戸時代の浮世絵を収集しており日本の芸術に興味を持っていたとされ、この「積み藁」も北斎の作品から発想を得て描かれた作品だと言われています!北斎は「冨嶽三十六景」で富士山をテーマに置き、連作という形で作品を完成させましたが、「あるテーマを連作で描き上げる」手法は当時のヨーロッパでは新しく、その手法を参考にしたとも語られています。

『さよならドビュッシー』(2013公開)


第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞したの中山七里の同名小説を映画化。ピアニストになる夢を抱える香月遥役には『桐島、部活やめるってよ』(2013)などで高い演技力を見せた橋本愛が抜擢され、遥のレッスン役である岬洋介役を現役ピアニストである清塚信也が演じています。ピアニストになるべく、家族に支えられつつ厳しいレッスンを日々こなしていた遥でしたが、ある日突然火事で家族を失い、自身も今までのようにピアノが弾けなくなってしまうような大けがを負ってしまいます。しかし、ピアニストになる夢を諦められない遥は、岬洋介という新進気鋭のピアニストに下でコンクール出場を目標に練習に励むのですが、夢をかなえるために前進していく遥の周辺で不吉な事件が多発し、しまいには殺人事件が発生してしまいます。

作中で遥がコンテストで披露する演目「月の光」は、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーが作曲した作品。実は、このドビュッシーも北斎の作品にインスパイアされた人物であり、彼の作風に大きな変化をもたらしました。ドビュッシーは「ジャポニズム」がフランスで流行すると同時に、日本文化から多大な刺激を受けました。その中でも北斎の「神奈川沖浪裏」を大変気に入り、作曲した交響詩「海」の楽譜には「神奈川沖浪裏」が使用されています!ドビュッシーが作る音楽はエキゾチックなメロディーで日本の文化を感じられるはず!

『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』(2018公開)


19世紀フランスを代表する画家ゴーギャンの知られざる創作の秘密やタヒチでの愛と苦悩の日々を、『ブラック・スワン』のバンサン・カッセル主演で描いた伝記ドラマ。パリで株式仲買人として働きながら、趣味で絵を描きはじめたゴーギャン。しかし1882年にパリの株式市場が大暴落すると、それまでの裕福な生活は一変。ゴーギャンは絵画を本業にしようと考えるが生活は困窮し、妻や子どもたちと別れることになってしまいます。わずかな資金を手にタヒチへ渡ったゴーギャンはすっかりその地に魅了され、現地の美女テフラと結婚すのだが資金が底をつくと再び極貧生活に陥り、テフラの愛情も離れていってしまい……。

後期印象派の画家ゴーギャンもまた、北斎の魅力に惹かれた1人。「北斎漫画」に描かれている相撲取りは、ゴーギャンの「説教の後の幻影」の構図に取り入れられており、聖ヤコブが天使と戦う姿もまた相撲取りのようで、北斎から大きな影響を受けたことが窺えます。

『HOKUSAI』(5月28日(金)公開)


幼き日から九十歳で命燃え尽きるまで、三万点以上の作品を生み出した孤高の絵師・葛飾北斎の生涯を初めて描いた作品。北斎の青年期を『誰も知らない』(04)にて、第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を日本人初、史上最年少で受賞した柳楽優弥が演じ、老年期を舞踏家としても世界から高い評価を受ける田中泯が演じています。

腕はいいが、食うことすらままならない生活を送っていた北斎に、ある日、人気浮世絵版元(プロデューサー)蔦屋重三郎が目を付けます。しかし絵を描くことの本質を捉えられていない北斎はなかなか重三郎から認められず、さらには歌麿や写楽などライバル達にも完璧に打ちのめされ、先を越されてしまいます。何のために絵を描き、なぜ絵を描きたいのかともがき苦しみ、生死の境まで行き着き、大自然の中で気づいた本当の自分らしさ。北斎は重三郎の後押しによって、遂に唯一無二の独創性を手にします。

そして70歳を迎えたある日、北斎は脳卒中で倒れ、命は助かったものの肝心の右手に痺れが残るが、それでも、北斎は立ち止まらず、旅に出て冨嶽三十六景を描き上げるのでした。そんな北斎の元に、運命的な出会いを果たし、良きパートナーとしてともに絵を描いていた柳亭種彦が幕府に処分されたという訃報が入り、信念を貫き散った友のため、怒りに打ち震える北斎ですが、「こんな日だから、絵を描く」と筆をとり、その後も生涯、ひたすら絵を描き続ける。描き続けた人生の先に、北斎が見つけた本当に大切なものとは…?

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