映画コラム

REGULAR

2021年06月02日

『るろうに剣心 最終章 The Beginning』必見の5つのポイント|完結編にして始まりの物語

『るろうに剣心 最終章 The Beginning』必見の5つのポイント|完結編にして始まりの物語


そしてクライマックス、雪原での最終決戦へ



剣心、巴が各々の想いを抱え向かうのは雪深い山奥。そこでは幕府方の暗殺者集団“闇乃武”が結界を作り待ち構えていました。
五感を徐々に奪われながら難敵と戦い傷つく剣心。それでもその行く先に居るであろう巴を求めて剣心は歩みを進めます。

そして、最後に立ちはだかる頭領の辰巳。全身に傷を負い、五感を失った剣心は、絶望的な戦いに身を投じていきます。
一方の巴は、剣心への想いから、ある覚悟のもとに小刀を携えて“闇乃武”のもとへとむかいます。

“闇乃武”の異形の刺客たち、張り巡らされた罠が容赦なく剣心にむかって襲い掛かってきます。この最終決戦は剣心と巴の、そして十字傷の物語の始まりの場面でもあります。

なんと7.5トンもの人工雪を投じた最終決戦シーンは色彩を廃した『The Beginning』の構造とも相まって美しいモノクロ映像を見ているような印象を与え、孤独と緊張感が隅々まで行き渡っている『The Beginning』の世界観をさらに際立たせています。

その後、物語は戊辰戦争の初戦である鳥羽・伏見の戦いに転じるのですが、これが『るろうに剣心』1作目の冒頭に繋がるようになっています。もちろん1作目の時に全て計算されていたとは思えないのですが、見事に完成した『るろう剣心』という円環の完成は大げさでなくトリ肌モノです。
 

まとめ

映画『るろうに剣心』シリーズはアクション映画としては認められてきましたが、時代劇であるかどうかという点は意見が分かれていました。しかし、完結編にして始まりの物語の『るろうに剣心 最終章 The Beginning』を見ると、これはやはり時代劇だと言うことを改めて強く認識させてくれます。

『The Beginning』は一本の独立した映画としても楽しめると同時に、これまでのシリーズ4作品の全く違った見方を教えてくれる映画でもあります。予習のために全4作を見るのもいいですが、『The Beginning』を見終わった後でまた、1作目から見直すというのもおススメの楽しみ方の一つです。

『The Final』とは違った方向性の作品なのでIMAXなどのラージフォーマットでなくてもという思いもありますが、その一方で陰影の美しさを堪能するためにはIMAXの解像度はあった方がいいかもしれません。

(文:村松健太郎)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

©和月伸宏/集英社 ©2020映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』製作委員会

RANKING

SPONSORD

PICK UP!