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『Mr.ノーバディ』監督による全編一人称映像の画期的出世作『ハードコア』



2021年6月11日から公開となる『Mr.ノーバディ』は、世の中のすべてに逆らうことなく歯向かいもしない地味でどこにでもいるような中年男(ボブ・オデンカーク)が、あることからぶち切れてしまい、それによってロシアン・マフィアを巻き込む大騒動へ発展してしまうというもの。

脚本(デレク・クルスタッド)&制作(デヴィッド・リーチ)はキアヌ・リーヴス主演の大ヒットアクション映画『ジョン・ウィック』のチームが務めています。

そして監督には、新進気鋭のイリア・ナイシュラー。

なぜ彼が抜擢されたのか、それはデビュー作『ハードコア』を見れば一目瞭然でしょう!

サイボーグと化した男の
拉致された妻の奪回劇!



『ハードコア』は2015年に製作されたロシア&アメリカの合作映画です。

ストーリーから紹介しますと、舞台は近未来。

瀕死の重傷を負った主人公ヘンリーが、妻エステル(ヘイリー・ベネット)の手でサイボーグ手術を受けて目覚めました。

切断された手足なども、すべて機械化されて修復されています。

後は失った声の修復だけとなったとき、突然謎の超能力者エイカン(ダニーラ・コズロフスキー)とその部下たちによって研究所が襲撃!

ヘンリーとエステルは外に脱出しますが、まもなくしてアステルは拉致され、ヘンリーも追われる立場になるものの、これまた謎の男ジミー(シャールト・コプリー)が彼を助けてくれます。

かつてエイカンの下で働きつつ、彼に恨みを抱いているジミーは、自身のクローンを量産しており、死んでもすぐに次のジミーがやってきてはヘンリーをサポートしていくのでした。

こうした異様な状況下で、ヘンリーはエステルを奪回するためにエイカンに戦いを挑んでいくのですが……!?

と、まあ本作が近未来ヴァイオレンスSFであることは、ここまでの説明でお分かりいただけたことかと思われます。

しかし、実は本作の真のすごさは、もっと別のところにあるのです。

それは、全てのシーンが主人公の1人称で描かれていくことなのでした!

まるでゲームの主人公になった
かのような臨場感!



本作で映し出される映像は全編ほぼ主人公ヘンリーの目線で綴られていきます。

雰囲気としてはTVシューティング・ゲームでもやっているかのような、もしくはゴーグルをつけてのVR映像を見ているような、そんなPOV感覚です。

こうした実験的試みは本作が初めてというわけではありませんが、やはり自分がゲームの主人公になったかのような錯覚を覚えさせられることでしょう。

撮影そのものはヘンリー役のスタントマンの頭部に小型キャメラを取り付けて撮影していくもので、時には監督のイリヤ・ナイシュラーがそれを担当することもあったそうです。

イリヤ・ナイシュラーはもともとロシアのロックバンド「バイティング・エルボズ」のメンバーで、そのPVに一人称を用いたところを映画人に評価され、長編監督デビューを果たすに至ったわけです。

さすがに一人称映像をずっと見ていると目が疲れたりする瞬間もあったりしますが、ここまで徹底した実験の成果、一度は体験しておいて損はありません。

クライマックスではクィ-ンの“Don'tStop Me Now”をバックに、アドレナリン全開のヴァイオレンス・アクションがさく裂!

そのセンスなどにも注目していただけると、本作が評価されて『Mr.ノーバディ』へ連なっていくことも容易におわかりになることでしょう。

 (文:増當竜也)
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