【映画VS原作】『屍人荘の殺人』の魅力|原作の旨味を抽出した映画のポイントを徹底解説
古典的ミステリーの舞台設定をアップデート
原作(映画も)の『屍人荘の殺人』はそのクラシカルなタイトルの響きから分かる通り、実は意外なほどのベーシックというか基本的な構造のミステリー作品と言えます。
クラシカルなミステリーの舞台設定の定番として“クローズドサークル”というものがあります。“閉ざされた一区画”というもので、“絶海の孤島”とか、“猛吹雪の真冬の山荘”とか、そういう類のものです。
この“クローズドサークル”では外部への脱出方法はなく、連絡手段も途絶えているときもあります。必然的に犯人は限られた中の人間と言うことになり、事件に巻き込まれた人々は“誰が犯人か?”と疑心暗鬼になりそこに濃厚な人間ドラマが生まれます。
「オリエント急行殺人事件」の時代から脈々と続くミステリーの王道パターンの一つで「金田一少年の事件簿」や「名探偵コナン」などにもたびたび登場しています。
『屍人荘の殺人』はこの最新アップデート版と言うことになります。
<この後から、本当に大きなネタバレを含みます>
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(C)2019『屍人荘の殺人』製作委員会