俳優・映画人コラム

REGULAR

2021年10月20日

91歳の反逆児。孤高の騎士クリント・イーストウッドの正体とは?

91歳の反逆児。孤高の騎士クリント・イーストウッドの正体とは?


イーストウッドは何を演じてきたのか?


(C)アマナイメージズ

トム・クルーズ、ブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオ、マーゴット・ロビー…。今でこそ自分でプロダクションを興して、出演作をプロデュースする活躍する俳優たちも少なくないが、その先鞭をつけたのがクリント・イーストウッドだった。

西部劇のスター俳優としての地位を確立したものの、お仕着せの作品をあてがわれるだけで満足できる男ではない。彼は「俺がつくりたい映画を自由につくる!」という熱意のもと、製作会社「マルパソ・プロダクション」を設立(マルパソとはスペイン語で険しい道という意味)。さらにイーストウッドは、『恐怖のメロディ』(1971年)で監督業にも進出。自らの主演、監督、製作で数々の作品を世に放っていく。

では、イーストウッドはこれまでどんなキャラクターを演じてきたのか?その職業に目を向けて見ると、一定の傾向があることに気づく。

流れ者のガンマン
『荒野の用心棒』(1964年)、『夕陽のガンマン』(1965年)、『荒野のストレンジャー』(1973年)、『ペイルライダー』(1985年)、『許されざる者』(1992年)etc.

軍人
『荒鷲の要塞』(1968年)、『戦略大作戦』(1970年)、『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年)etc.

刑事、警官
『ダーティハリー』(1971年)、『シティヒート』(1984年)、『タイトロープ』(1984年)、『ルーキー』(1990年)、『パーフェクト ワールド』(1993年)etc.

犯罪者
『サンダーボルト』(1974年)、『アルカトラズからの脱出』(1979年)、『目撃』(1997年)、『運び屋』(2018年)etc.

面白いのは、国家機関に所属する刑事・警官・軍人と、国家に反逆する犯罪者という真逆の立場の人間を、それぞれ演じているという事実だ。おそらく彼の中では、そこに大きな違いはない。「刑事だろうが犯罪者だろうが、国家権力と戦ってきた一匹狼のアウトロー」という意味では、同質の存在だからだ。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!