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2021年10月22日

杏が輝く5つの映画:『CUBE 一度入ったら、最後』「日本沈没」でも活躍中

杏が輝く5つの映画:『CUBE 一度入ったら、最後』「日本沈没」でも活躍中



2021年10月22日より公開される『CUBE 一度入ったら、最後』は、アメリカ映画『CUBE』の日本版リメイク作品。

謎の立方体に閉じ込められた男女6名の地獄の脱出劇を描いたもので、オリジナルにどこまで同じでどこまで異なるのか、そして凌駕できるのかが大きな鍵ともいえる密室スリラーの話題作です。

今回閉じ込められた6人の中で唯一の女性・甲斐麻子を演じているのが、杏。

9月公開のアニメーション映画『鹿の王』にサエ役で声の出演、10月はTVドラマ「日本沈没―きぼうのひと―」でやり手のジャーナリストを演じるなど、このところ活動が旺盛になってきている彼女、今回はその応援の意味も込めて杏の出演してきた映画をいくつか振り返ってみましょう!

 

映画デビュー作から印象鮮やか!
『櫻の園―さくらのその―』



杏は1986年4月14日生まれ、東京都の出身。

俳優の渡辺謙を父、渡辺大を兄に持ちます。

15歳からモデルとして活動をはじめ、2007年にTV「天国と地獄」で女優デビュー。

そして翌2008年に映画初出演した映画が『櫻の園―さくらのその―』です。

これは1990年に多数の映画賞を受賞した中原俊監督『櫻の園』の続編ともリ・イメージともいえる内容のもので、中原監督が続投。

前作から10数年の時を経て、チェーホフ「桜の園」に上演が禁じられている櫻華学園に転校してきた結城桃(福田沙紀)が、上演を復活させようと仲間を集めて奮闘するというストーリーになっています。

この中で杏は長身で同性人気が高く、しかしそのことに今ぷれっくっすを抱いている小笠原葵役で、劇中はスラリとした美しい見栄えも含めた圧倒的な存在感で画面を席捲してくれています。

なお本作は他にも寺島咲、大島優子、武井咲、藩めぐみ、はねゆりなどが生徒役で出演しており、文字通りのお宝映画としても知られている作品です。
 

ロケットの打ち上げとともに育ったヒロイン
『おかえり、はやぶさ』


 
2009年から多くのテレビ連続ドラマにしゅつえんするようになり、2011年には「名前をなくした女神」で連続ドラマ初出演するに至った杏。

その前年、日本の小惑星探査機「はやぶさ」が地球へ帰還して大きな話題になったことから、2011年から12年にかけて日本では3本のはやぶさを題材にした実写映画が作られました。

まずは20世紀フォックスの堤幸彦監督『はやぶさ/HAYABUSA』(11)、続いて東映の瀧本智行監督『はやぶさ遥かなる帰還』(12)、そして最後に公開された松竹の本木克英監督『おかえり、はやぶさ』(12)のヒロインに杏が抜擢されました。

フォックス版がプロジェクトそのものの包括を、東映版がプロジェクトの中のビジネスの確執を描いたのに対し、松竹版は科学技術者の父と子の絆を主軸にしたファミリー向け作品になっていて、また劇場公開時は3Dで上映されました。

杏は主人公(藤原竜也)とともにプロジェクトに参加する新人理学博士・野村奈緒子の役。

彼女ははやぶさを打ち上げたロケット発射基地のある鹿児島県内之浦の出身という設定で、それゆえにロケットに対する愛着もひとしお強いというキャラクターでした。

個人的な話で恐縮ですが、実は私、この内之浦の出身でして、学生時代の彼女が下校途中の海岸沿いで、ふと空を仰ぎ見るとロケットが打ちあがっている回想シーンの画を見たとき、まさに自分も同じ体験をしながらその地で育ったことを思い起こしてくれたものでした。

おっかなク-ルビューティ!
『映画 妖怪人間ベム』



杏の印象を決定づけたテレビドラマのひとつに、伝説的テレビアニメの実写化「妖怪人間ベム」(11~12)があります。

ちょっと(いや、妖怪になるとかなり!)おっかないSキャラ・クール・ビューティのベラは、まさにイメージぴったりで、そうした人気も盛り上がって2012年の暮れには劇場用映画『映画妖怪人間ベム』も制作されました。

ストーリーはテレビ版の後日譚で、人間になることよりも人間を護る存在になることを誓った妖怪人間ベム(亀梨哲也)、ベラ、ベロ(鈴木福)が、新薬によって人間妖怪とでも呼ぶべき存在になった女性(観月ありさ)と対峙します。

劇場版ならではのスケールと、やはりベラのおっか、いや美しさ!

(余談ですが、劇場公開時は本作のマナーCMも作られましたが、その中で鞭を振りながら映画上映中のマナー違反を厳しく糾弾するベラの姿は、おそらくこれでみんなマナーを絶対守ることだろうというインパクトがみなぎっていました!?)

 

東野圭吾の世界へ挑戦!
『真夏の方程式』


 
2013年、杏は東野圭吾原作の人気テレビ・シリーズ「ガリレオ」最新作に出演します。

といってもテレビではなく、映画『真夏の方程式』です。

主人公・湯川学役の福山雅治はテレビシリーズからずっと変わらずそのままですが、新たに相棒・岸谷美沙役の吉高由里子が入っての劇場用映画第2弾。

真夏の海辺で起きた事故死をめぐり、湯川の名推理が冴えわたりつつ、その真相は果たして公にして良いものか否か、答えは見る者にまで突きつけられるほどショッキングなミステリ・サスペンス。

この中で杏は死亡者が宿泊していた民宿の娘で、湯川と考えが合わずに対立する地元の環境活動家・成実を演じています。

この作品が公開された直後の2013年10月より、杏はNHKテレビ小説「ごちそうさん」に主演、2014年「花咲舞が黙ってない」、2015年「デート~恋とはどんなものかしら~」と立て続けにドラマ主演を果たし、一躍国民的スターに躍り出ていくのでした。

初主演映画!
『オケ老人!』



そして2016年には、いよいよ杏の初主演映画『オケ老人!』が公開されます。

誤って老人ばかりの素人オーケストラ「梅が丘交響楽団」に入団してしまい、ついにはなりゆきでその指揮者を務める羽目になった高校数学教師・小山千鶴(杏)の受難とも試練とも歓びともいえる日常を描いたヒューマンコメディ。

笹野高史、小松政夫、左とん平らヒトクセモフタクセもあるご老人たちを相手に一歩も引けを取らず立ち回れるようになっていく杏の姿は、やはりさっそうとしたもの。

ヴァイオリンが弾けるという設定ゆえ、撮影の半年前からヴァイオリンを習い、わずか1か月で演奏の基礎を習得した上で役に臨んだとのことです。基本はコミカルタッチながら、次第にヒューマニスティックな味わいが濃厚になっていくとともに、クライマックスは大きな感動をもたらしてくれています。

本作の後はテレビ出演が多かった杏ですが、『CUBE 一度入ったら、最後』を機に再び映画方面での活躍も大いに期待したいものです。

(文:増當竜也)

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