<疑問>「実話の映画」は、どの程度実話なのか|“Based on” VS “Inspired by”

「レヴェナント 蘇えりし者」(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

「実話をもとにした」映画は、毎年のように公開されています。「事実は小説より奇なり」と言いますが、やはり実際に起こったことだと思うと、純粋なフィクションよりも興味を惹かれますね。

しかし、実話や事実から作られた映画は、そもそもどの程度事実に即しているのかが気になる人は多いと思います。劇映画として再構成する以上、全てが事実なわけではありません。感動した後、実はあれは嘘だったと言われて、何か騙されたような気分になる人もいるかもしれません。実際、その分野の専門家による指摘を見かけてがっかりした経験がある人も多いのではないかと思います。

実際、事実をもとに作った映画でも、それぞれ「事実の度合い」は異なります。では、その事実の度合いを見分ける方法はないのでしょうか。

アメリカ映画の4つの表記パターン

「127時間」(C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX

アメリカ映画で、「Based on a true story」と表記されているものを見かけたことのある人がいると思います。日本語訳は「真実の物語をもとにした」となりますが、要するに実話を映画化したものだということですね。

しかし、それとよく似た、別パターンの表記を見かけることもあります。「Inspired by a true srory」とか、「Based on true events」とか。どれも大体、trueとかactualとか事実や真実を意味する単語が多く使われます。

これらの微妙な表記の違いは、何を意味しているでしょうか。

この表記の差は、端的に事実の度合いによって使い分けられています。アメリカ映画でよく見かけるのは以下の4つのパターンでしょう。

①Based on a true story
②Inspired by a true story
③Based on true events
④Inspired by true events

脚本家のために様々なサービスを提供するscreencraftでは、事実をもとにした脚本を書く際、書いたシナリオがどの程度事実なのかによって、上の4つの表記を使い分けようと解説し、それぞれの表記の特徴を以下のように説明しています。

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