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〈新作紹介〉『ずっと独身でいるつもり?』田中みな実を主軸に、未婚&既婚女性の心の揺れを描いた群像劇



■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

今や女性たちの間でカリスマ的存在となって久しい田中みな実が主演でこのタイトルとは、なかなか意味シンな企画だなと思わされますが、監督がふくだももこと聞くと、俄然興味が湧いてきます。

本作は3人の未婚女性と1人の既婚女性が登場する群像劇スタイルを採っていますが、それぞれが悩みや不安を隠しつつ、健気に突っ張って生きているように思えてならず、特に同性の目から見たら共感も反感も含めて、彼女たちの言動に何某かの反応を示すことになるのではないでしょうか。



時に邪悪な表情すら浮かべることもある彼女たちですが、そういった姿もまた大なり小なり誰もが持ち得る等身大のものとして全く嫌味なく描出できているのも、ふくだ監督ならではの秀逸なキャメラ・アイなのかもしれません。



『おいしい結婚』(19)ではお父さん同士の結婚を描き、『君が世界のはじまり』(20)では思春期の繊細な暴走などを瑞々しく描いたふくだ監督は、ここでも巷にはびこって久しい風習やら制度やらを気持ちよく取っ払ったところで自由に生きられないものかと模索しつつ、今回はなかなかそれが実現できない現実も見据えながら、周囲に翻弄されまくっている彼女たちにエールを贈っているかのようです。



キャストではやはり市川実和子が圧倒的な存在感で、もはやこれ以上何を言うことがあろうか!といった好演で、松村沙友里は乃木坂46時代のアイドル・キャラから大きく脱皮をはかろうとする意欲を感じ、徳永えりはおそらく既婚女性の悩みを一手に代弁する役柄を柔らかく演じていることに好感が持てました。



そして田中みな実は、テレビなどのイメージとは異なって、心揺れ動きまくる弱さが顔に出てしまいがちという意外なキャラクター性をもって、映画の主軸として結果的には狂言回し的な役割も果たすライター役を真摯に演じていました。



一方で、彼女らに関わる男性キャラはもうほとんど女の敵としか言いようのない、同性のこちらが代わって「ごめんなさい!」と謝りたくなるような面々ばかり!?

唯一、橋爪淳が女性たちの心も理解してくれているのであろう自由人を飄々と演じていましたが、『零戦燃ゆ』(84)『ゴルフ夜明け前』(87)『ゴジラVSスペースゴジラ』(94)などのファンからすると、その長年の月日とともに感無量のものがありました。

それにしても、独身であろうがなかろうが、幸せに生きていきたいものですね。

(文:増當竜也)

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