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2022年01月27日

「相棒 season20」第13話レビュー:美しき冥婚絵がもたらす謎!山本舞香演じる謎の女性の正体は…?(※ストーリーネタバレあり)

「相棒 season20」第13話レビュー:美しき冥婚絵がもたらす謎!山本舞香演じる謎の女性の正体は…?(※ストーリーネタバレあり)


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シーズン20作目となる「相棒」が、2021年10月13日(水)にスタートした。

水谷豊演じる杉下右京と、反町隆史演じる冠城亘の二人からなる警視庁・特命係が事件の謎を解いていく人気長寿シリーズの本作。今シーズンの最終話をもって7年相棒役をつとめた反町隆史が卒業することが決定しており、右京と冠城の“最終章”がどのように描かれるのかも見どころの一つだ。

本記事では、その第13話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

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「相棒 season20」第13話レビュー


13年前に突如行方不明となった当時10歳の少女・多岐川未来。
自宅で刺されて死亡していた引きこもりの青年・西條。

「相棒」第13話は、この二つの事件の繋がりを解く物語だ。

かつて未来の失踪事件の捜査をしていた元似顔絵捜査官の黒瀬(勝部演之)。未来の父・直樹(筒井巧)に頼まれて弔いの冥婚絵を描いた彼は、自分が描いた絵にそっくりな女性(山本舞香)が多岐川家にいるのを見たという。右京(水谷豊)と冠城(反町隆史)が実際に多岐川家で話を聞いたところ、その女性は未来の従妹の遥香だとわかった。


一方、殺されていた西條の自宅でもなぜか未来の冥婚絵を印刷したものが見つかった。さらに西條と未来はかつて同じピアノ教室に通っていたことがわかる。

未来を連れ去ったのは西條で、彼を殺して逃亡した未来を両親が従妹と偽っているのでは?と仮説を立てる右京と冠城。そんな中、未来の美しい冥婚絵を見て顔色を変えたのは青木(浅利陽介)。冠城からタイプなのかと言われて強く否定したものの、実際一目惚れしたかのような挙動不審ぶりだ。

その後、冠城が西條の自宅で女児のものと思われる手袋を発見。それは、未来の母・愛子(宮田早苗)が娘のために編んだものだった。西條が未来の失踪に何か関係あるのは明らか。ただ、当時、犯人らしき男を見た愛子の証言を元に黒瀬が描いた容疑者の似顔絵は、西條とは似ても似つかない。

本当にこの男を見たのか?と右京から問い詰められた愛子は、困惑して苦しみだす。実は彼女は末期の癌に犯されていたのだ。そんな愛子を見た遥香は思わず「お母さん!」と叫ぶ。


愛子が救急車で運ばれた後、黒瀬の元を訪れた遥香。激しく怒る彼女を特命係が止めに入る。だが、右京は「似顔絵を捏造したあなたを見過ごすわけにはいかない」と、遥香に代わって黒瀬を糾弾した。

当時、愛子が犯人の顔を覚えていなかったために似顔絵をおこせなかった黒瀬。彼は少女拉致事件を起こした別の男の顔を描いて容疑者に仕立てあげてしまったのだ。さすがに警察としてあるまじきこと。右京の「心から恥じるべきです」の言葉、まさにその通りだ。

黒瀬の元には「自分が未来を殺して、遺体は山の中に埋めた」という電話がかかってきていた。おそらく電話の主は西條。この内容を知った右京は、当時高校生の西條一人で遺体を埋めるのは難しいだろう……と、共犯者=西條殺しの犯人をついに思い当たる。

西條を殺害したのは、彼と未来が通っていたピアノ教室の講師・松尾紗月(街田しおん)だった。

13年前、不適切な関係を持っていた西條と松尾。未来は二人の現場を目撃して逃げ出し、西條と争う内に階段から落ちて死亡。松尾と西條は未来の遺体を山に埋めたが、最近になって冥婚絵を見た西條が自首しようとしたため、松尾は彼を殺害してしまったのだった

最後に残ったのは、遥香は結局誰なのか?という謎。実は彼女の正体は、梶本彩奈という水商売の女性。彼女に娘の面影を覚えた直樹に頼まれて、余命わずかの愛子のために娘のふりをしていたのだった。(なお、青木の動揺は、以前彩奈にガールズバーでぼったくられたからだった)


だますことに胸が痛まなかったのかと問う冠城に対し、「お母さんが気づいてないと思う?」と彩奈は返す。愛子は彩名が未来でないことに気づきつつ、夫の優しさを汲んで気づかないふりをしていたのだ。

「不器用だけどお互いのことを想い合ってて、私もこんな家で生まれてたらなあって」と多岐川夫妻について語った彩奈。嘘のお芝居だけれど、そのおかげで多岐川家にはしばしの優しい時間が流れた。夫妻だけでなく彩奈もまた何か救われたところがあったのだろう。

今回、遥香=彩奈を演じたのは山本舞香。囚われていた少女と水商売の女性という二つの顔がいずれも非常にはまっていたと思う。また、彼女の美しい冥婚姿が物語に華を添えていた。

なお、この13話では、黒瀬から謎をもちこまれた伊丹(川原和久)が、なんやかんやで特命係と一緒に動いていた姿も印象的だった。すべてが終わった後、「こてまり」で黒瀬が過ちと向き合い始めたのを伝え、右京たちの分の支払いも済ませて出て行った彼。あれは伊丹なりのお礼だったのだろう。普段何かと特命係と対立している彼だが、実は非常に筋が通った男でもあるのだ。

(文:田下愛)

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