俳優・映画人コラム

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2022年06月25日

“生田斗真”への期待|Netflixドキュメンタリー「生田斗真 挑む」

“生田斗真”への期待|Netflixドキュメンタリー「生田斗真 挑む」


どの作品にも「同じ生田斗真」はいない



生田の「また同じ芝居やってんな」という言葉から思わず振り返ってしまうのは、彼が出演したこれまでの作品である。

彼らが本気で編むときは、』ではトランスジェンダーの介護士役、『先生!、、、好きになってもいいですか?』では女子高生に想いを寄せられるクールな世界史教師役。かと思えば『土竜の唄』ではぶっ飛んだ潜入捜査官を演じている。新たな作品を観るたびに「これも生田斗真なのか!」と驚かされる。

しかし、ドキュメンタリーを観たあとだと、それぞれの役にたどり着くまでに想像以上の作り込みがあったのだろう、ということが想像できる。

きっと、「どの作品の生田斗真が好きか」というアンケートを取れば大きく分かれるだろう。サイコパス役も演じていれば、光源氏も演じている。生田斗真というベースにはどんな役も乗せられるのではないか。

そんな中、記憶に新しいのは『元彼の遺言状』だ。綾瀬はるか演じる剣持麗子の元彼である森川栄治と、栄治の兄・富治を演じた。容姿がよく似ているため、人違いされることが多いという設定だが、朗らかな栄治と、落ち着いていてどこか人生を達観しているように見える富治は明らかに別人だ。このドラマを生田本人が観たとき、どのような感想を抱いたたのだろう。果たして、俳優としての殻は破れたのか。

三度目の大河、「鎌倉殿の13人」

そんな生田が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に源仲章役として出演する。「軍師官兵衛」の高山右近役「いだてん~東京オリムピック噺~」三島弥彦役に続いて三度目の大河出演となる。

仲章は後白河法皇の近臣・源光遠の子。のちに後鳥羽上皇に使えながらも、源実朝の教育係となって幕府にも出入りする。キャスト発表時のコメントによると、「スパイのような役回りをしていたのではないかと言われる人物」だという。

緊迫する幕府と京の間でどのような立ち居振る舞いを見せるのか。

「義時と上皇の間で暗躍」というが、義時を演じるのは生田とも親交がある小栗旬。そして後鳥羽上皇を演じるのは尾上松也だ。同世代で切磋琢磨し合う役者たちが鎌倉を舞台にどのような物語を展開してくれるのか、今から楽しみで仕方がない。

同時にこの世代の役者たちの今後の活躍に、胸が高鳴る。

(文:ふくだりょうこ)

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