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「ちむどんどん」第79回:なぜ、和彦は会社から暢子に私用の電話をするのか。下宿が同じなのに。


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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第79回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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残念なイチバンボシボーイ


あまゆの階下であやしい物音がすると思ったら、賢秀(竜星涼)が暢子(黒島結菜)の作ったごちそうを、競馬中継を聞きながら食い散らかしていました。

暢子の結婚のお祝い金を給料を前借りして競馬で稼ごうとしたのですが、イチバンボシボーイは負けてしまい、荒れているところに、重子(鈴木保奈美)が和彦(宮沢氷魚)に連れてこられます。

タイミング最悪。
重子は「住む世界が違う」とあからさまに不快感を表し帰ってしまいます。

ただ、ここまで来たのだから重子もとりつくしまがあるようです。ふつう、来ないですよね。でも間が悪く、賢秀のせいでふりだしに戻ってしまいました。

「誤解じゃない、ありのままのニーニーを見られただけ」と暢子は、賢秀がどんなにとんでもないことをしても、ありのままのニーニーを受け止めています。

賢秀の「わかってちょうだいよ」の「ちょうだいよ」が切ない。「よーくわかっている その気持だけでうれしいさ」と暢子。
そしてお金を渡すのです。優子(仲間由紀恵)が乗り移ったかのようです。

賢秀はまた「倍にして返す」と去っていきます。これが伏線であって、最終的にはニーニーが倍にして返して大逆転になることを祈っています。

だってうちたちは 同じ世界に住んでるんだのに(暢子)

暢子のこのセリフこそ、ドラマのテーマなのかなと感じます。住む世界が違うと思うけれど、世界はひとつ。必ず、わかりあえる。その希望を諦めてはいけません。

暢子は重子に手紙を書くことを提案します。そのとき「子供の頃の文通のようにはいかないよ」と和彦は言います。ここで気になったのは、和彦と暢子はいつの間に文通をしなくなったのか。どちらもそのことについてとくに何も考えていないこと。

お父さん・史彦が亡くなって手紙を書く気がしなくなってしまったのか。手紙を待っていたのに来なくなって寂しかったという感情が描かれていれば、暢子と和彦の関係も唐突感が薄らいだ気がするのですが、シロートにはわからない深い作劇上の理由があるのかもしれません。

このとき、なんで会社から暢子に電話しているのかもわかりません。下宿が同じなのだから、下宿でいくらでも話せるでしょう。重子と朝話して出社してさっそく話したかったのかもしれないけれど、新聞記者って日中、そんなにヒマなのでしょうか。愛のお父さんも会社に電話をかけてきていたしなあ。私用の、しかも入り組んだ話をどうどうとデスクで電話していることが、人間的〜とは肯定できません。帰宅してから話しさないよ。

若さゆえ、和彦は迷走していると思っておきます。

重子も迷走しています。暢子との結婚を反対しているのは当初、家柄が違うとか沖縄が好きではないということかと思えば、結婚しても家にはいらず働くに違いないからという話に論点がすり替わっています。

要するに重子は、和彦が大事で、誰が来ても反対する。理由なんて適当なのだということなのでしょう。

重子の気持ちをわからない和彦は、暢子がいかに魅力的か語りますが、言えば言うほど、重子は意固地になっていきます。自分の人生を否定されていると感じるからです。

ここでも和彦は、自分の話ばかりして(暢子を全肯定)重子の気持ちを聞こうとしていません。
重子の孤独に歩み寄らない限り、説得は難しいでしょう。

その点、波子(円城寺あや)は、「私の人生は奥様やお坊ちゃまのそばにいさせていただいたおかげでとても楽しく充実したものになりました」と重子を立てるのです。すると、重子は素直に謝ります。

なんだかコミュニケーションのノウハウ本を読んでいるような内容になってきました。

重子と和彦は、中原中也の詩を、それぞれ朗読しながら、自分の心を、相手の心をのぞきます。
和彦は、詩の中から母の想いに到達することができるでしょうか。



(文:木俣冬)

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