「テッパチ!」4話:自尊心を取り戻す丸山(時任勇気)&劇団EXILE本気のChoo Choo TRAIN
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町田啓太主演フジテレビ系ドラマ「テッパチ!」が2022年7月6日より放送スタート。
陸上自衛隊を舞台にした本作は、町田啓太演じる主人公・国生宙を含めた自衛隊候補生たちの熱き青春と成長を描いた物語。佐野勇斗や佐藤寛太など次世代を背負う若手役者が多数出演することでも話題を呼んでいる。
本記事では、第4話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「テッパチ!」第4話レビュー
まず言わせてください。冒頭の腕相撲大会&クイズ大会、あまりにも愛らしさが爆発してませんでしたか……? 候補生たちが休憩中や休日にどんな過ごし方をしているか、それを見せてくれる癒しのシーンにアッパレ!としか言えなくなってしまった。前回、無事にトラウマから解放された武藤(一ノ瀬颯)の変わりようもすごい。カラオケに誘われ嬉しそうにする武藤、カラオケでのはしゃぎ方がわからずに戸惑う武藤、曲のチョイスで根暗認定される武藤、その後もカラオケに行きたくてねだりまくる武藤。こんなに人懐っこい子だったのね。
余談ですが、カラオケシーンでの劇団EXILEによるChoo Choo TRAINも良かったですね。センターの2人、明らかにダンスのクオリティが違った……。
それはそうと、武藤が無事に殻を脱げたのも、宙(町田啓太)の働きかけによるもの。1時間の罵りに耐える訓練は功を奏したらしい。
そんな彼が次に(無意識にも)向き合うことになるのは、ミリオタ・丸山(時任勇気)のトラウマである。
元システムエンジニアだった丸山は、これまでの回でも何度か、前職の会社でパワハラを受けていたらしい過去の描写があった。お前の代わりはいくらでもいる、使えない……そんな心ない言葉を上司から食らっていたのだ。
丸山が自衛隊に志願したのは、もともとミリオタであることも関係しているだろうが、パワハラで受けた傷を回復させるため(=自尊心を取り戻すため)でもあるだろう。
「パワハラ」。さまざまなハラスメントの実態が言語化されるにあたり、この言葉も市民権を得てきた。パワハラによって休職や退職に追い込まれるケースは、実生活でもよく耳にする。共感部分が多いからこそ、ドラマとしての扱いには慎重にならざるを得なかっただろう。
丸山については、これまでの回でも何度か前職でのシーンを入れ込んでいること、失くした止めねじを全員で探すシーン+宙と比較され悔しがるシーンなどにより、過去に囚われてしまっている様子を丁寧に描いている点が良かった。
典型的な起業サギに遭いそうになる展開にはヒヤヒヤしたが(500万を奪われずに済んで良かった……)、それほど「お前の能力を買ってる」と自尊心をくすぐるような言葉は、麻薬に近いのだ。
宙の活躍を見て「上には上がいる」「努力してもどうにもならない」と心折れかけた丸山。そんな彼に八女(北村一輝)が告げた言葉は……。
「自信はつくかどうかじゃない、つけるかどうかだ」
「お前が勝たなきゃいけないのは自分自身だ。自分に負けるな」
自分より”もともと能力が高いだけ”に見える人間も、陰でものすごい努力をしているのかもしれない。生まれながらに手にしている才能もあるのかもしれないが、配られたカードをさらに磨くのは自分の意志なのだ。
宙の努力する姿、八女の激励により、自分のすべきことに立ち返ることができた丸山。宙に握手を求める彼の目には、また新しい光が宿っているように見えた。
武藤のときは意識的に「力になりたい」と思っていたはずの宙、今回は「絶対負けねえ!」的な反骨心が結果的に丸山を前向きにさせている。無意識にも人を助けている宙、次は誰のトラウマに立ち向かうのか?
(文:北村有)
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