「純愛ディソナンス」第9話:正樹の自己犠牲が物語のキーに。黒幕はやはり晴翔?
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中島裕翔(Hey! Say! JUMP)が主演を務めるドラマ「純愛ディソナンス」(フジテレビ)が2022年7月14日スタート。
新任音楽教師と生徒の“純愛”を軸とする本作。高校を舞台にした第1部と大人の人間模様を描く第2部で構成され、タブーと隣合わせにある恋が次第に周囲を巻き込み“ディソナンス”(=不協和音)となっていく様を描く。
本記事では、第9話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「純愛ディソナンス」第9話レビュー
自分の気持ちに正直になって、ともに生きることを決めた冴(吉川愛)と正樹(中島裕翔)。しかし、そんな二人の純愛が周囲の人間を壊していく。正樹が講師として働く予定だったピアノ教室の壁に落書きをしたのは、慎太郎(髙橋優斗)だった。一方、正樹に別れを告げられた愛菜美(比嘉愛未)は行方不明に。
嘘を生きても、真実を生きても、誰かを苦しめる。そんな状況下で冴と正樹はどんな選択を取るのかが、注目された「純愛ディソナンス」第9話。
冴は因縁のある母・静(富田靖子)に頭を下げてお金を借り、正樹の代わりにピアノ教室の経営者・野水百合子(阿部朋子)へ弁償する。対して、正樹も社長・賢治(光石研)の魔の手が忍び寄る、冴のシェアハウスを守るために「モノリスエステート」に復職。
すべてはお互いのために。しかし、そのことで二人はすれ違う。犠牲になるのは自分だけでいいと思っている正樹と、自分も力になりたいと願う冴。
「そうやってすぐ閉ざす。ちゃんと言ってよ、思ってること」
世の中をうまく渡り歩くために、表の顔と裏の顔を巧みに使い分ける正樹の癖がここで課題となってくるとは。つくづく丁寧に作られた脚本だ。
そんな中、慎太郎が自分のやったことにケリをつけるとシェアハウスから姿を消す。冴は慎太郎を連れ戻すべく、彼が向かった故郷へ。
一方、正樹は路加(佐藤隆太)が連れ戻した愛菜美ともう一度ちゃんと話し合うことに。このまま、冴と正樹はそれぞれの元いた場所に戻り、別れてしまうのか……と思われたが、意外にも第9話は希望のある結末へと向かった。
愛して、愛して、誰かを傷つけてしまうくらいに愛し尽くして。慎太郎と愛菜美は、ようやくその結果を受け止められるようになった。「俺ももう、卒業しないとな」と、冴からの卒業を決意する慎太郎。愛菜美もまた、正樹への執着を手放す。
「自分さえ我慢すれば丸く収まるって思うのやめたほうがいいよ。それ、全然優しくないから。相手のためにってやってることが、逆に相手を追い詰めることもあるんだからね」
こんな展開、誰が予想しただろう。冴と正樹の仲を引き裂いた愛菜美の言葉が、二人の心をつなぐ。
“一緒に”幸せになるとする二人に自己犠牲は必要ない。正樹は誰かに許されなくとも、愛さずにはいられない気持ちを冴に打ち明ける。「頼むからそばにいてくれ」。こんなにも必死で誰かにすがる正樹は見たことがない。
心と心がようやく強く結ばれた冴と正樹。そんな二人の前に最後の敵が立ちはだかる。どうやら彼らを引き裂こうとする賢治に協力する黒幕がいそうだ。
正樹のもとに届いた手紙の主は、現在刑務所にいる加賀美(眞島秀和)。そこから考えられる黒幕はやはり、加賀美の息子説が浮上している晴翔(藤原大祐)なのだろうか。
(文:苫とり子)
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