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2022年12月14日

「君の花になる」第9話:弾(高橋文哉)の8LOOMYに対する愛情は?解散の必要性を感じられない

「君の花になる」第9話:弾(高橋文哉)の8LOOMYに対する愛情は?解散の必要性を感じられない

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本田翼主演のドラマ「君の花になる」が2022年10月18日放送スタート。

本作は挫折した元高校教師の主人公・仲町あす花が、7人組ボーイズグループ“8LOOM(ブルーム)”の寮母となり、一緒に“トップアーティストになる”という夢を追いかけていくオリジナルストーリー。主人公を本田翼、個性豊かなイケメン7人組を高橋文哉、宮世琉弥、綱啓永、八村倫太郎、森愁斗、NOA、山下幸輝が演じる。

本記事では、第9話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

「君の花になる」第9話レビュー


あす花(本田翼)とのツーショット写真がネットで拡散されてしまった弾(高橋文哉)。瞬く間に波紋が広がり、8LOOMY(=ファン)からの信頼は地に落ちてしまう。

他のメンバーはすぐに謝罪動画を出そうと提案するも、「こんな小さな幸せも許されないのかよ」と世間の反応に納得がいかない弾は花巻(夏木マリ)から活動自粛を言い渡されてしまった。


ここで弾が自分たちの夢をとるか、恋愛をとるかで悩み、結果的に泣く泣く恋愛を諦め、夢に邁進していくという展開ならすべて丸く収まるのかもしれない。だけどそこに、なぜアイドルだからって、芸能人だからって幸せを諦めなきゃいけないんだ?という視点が入るのはすごくイマドキな気がした。

たしかに芸能人にだって恋愛を含んだ幸せを求める権利はあるし、ファンだからってそれを奪う権利は毛頭ない。ましてや、どんなことがあって誹謗中傷することは許されないと思う。


でも“推し”が恋愛していることを知りたくない、見たくない。せめて絶対にバレないようにしてほしいと願ってしまうのは、そんなに悪いことなのだろうか。

誰だって、“推し”には幸せになってほしい。だけど少なからず、“推し”に対して恋愛感情もしくはそれに近い感情を抱いてしまって、自分じゃない他の誰かと幸せになってる姿を想像するだけで苦しくなることもある。

ファンがその葛藤の最中にいることを想像できるならば、弾はあんなに軽率な行動を取らなかっただろう。だからモヤモヤしてしまうのかもしれない。

なる(宮世琉弥)が「ずっと応援してくれてたのに俺らの元を去っていった人もいる。それを忘れちゃダメだよ」と、いなくなったファンのこともちゃんと考えているのだけが救いだった。


ましてや、弾はソロ活動をしているわけじゃない。グループで活動している以上、一人の行動が良くも悪くも他のメンバーに影響を与える。実際、弾が活動を自粛している間、なるたちは世間からの批判を一身に浴びてきた。

その中で、彼らが諦めたこともある。「8LOOMとして売れる」という全員の夢が一旦は叶った今、一人ひとりのメンバーが自分の新たな夢を抱きつつあった。


例えば、栄治(八村倫太郎)はMBA取得に向けて大学院に進むこと。なるは映像制作を学ぶために留学すること。竜星(森愁斗)と宝(山下幸輝)はダンサーとして海外アーティストのワールドツアーに同行すること。巧(NOA)は正体を隠し、ネットに自作の曲を投稿していることが明らかになった。

だけど、それぞれが「今は8LOOMが一番大切だから」とその思いをのみ込んでいたのだ。


「頭の中をグループのことでいっぱいにしておくことが、グループ円満の秘訣」というCHAYNEYからアドバイス通り、一人でもそうできなくなった瞬間に色々なことが崩れていってしまうのかもしれない。

よくグループの解散理由で「方向性の違い」なんて言うけれど、きっと実際はこんな風にメンバーそれぞれに大切なものができて、なんとか折り合いをつけようとしたけれど出来なかった……ということを一言でまとめたのがその言葉なのだろう。

「なんだよ。みんな、全然8LOOMに100じゃねえじゃんか!俺だけ100で寂しいじゃんか!」とふざけて笑う有起哉(綱啓永)が切ない。


でもみんな、結局帰ってきたい場所は8LOOMなのだ。それなのに、弾は「8LOOM解散」を決断する。

それって一体何のためなのだろう。「俺は8LOOMが皆を縛るものにはなってほしくない」と言うけれど、弾以外のやりたいことはきっとグループ活動と並行して実現可能なものだし、ファンもきっと理解してくれる。それを弾が言い出すのは、何だか違う気がした。

現実世界でも8LOOMはデビューを果たしたが、最初から期間限定ということは決まっていた。そこに合わせ、最終回でドラマの8LOOMも活動終了となるのかもしれないが、このままでは後味が悪すぎるような気がする。

どうか、みんなが「やっぱり8LOOMでいたい」と思い直してくれますようにと願わずにはいられない。

(文:苫とり子)


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