インタビュー

2022年10月08日

<蒔田彩珠インタビュー>アニメ映画『君を愛したひとりの僕へ』でヒロイン役を演じて

<蒔田彩珠インタビュー>アニメ映画『君を愛したひとりの僕へ』でヒロイン役を演じて


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アニメ映画『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』が2022年10月7日(金)より2作同日公開された。作家、乙野四方字(おとの・よもじ)氏の小説が原作の本作は、シリーズ累計発行部数40万部を突破。 “並行世界”を行き来することができるひとりの少年・暦(こよみ)が、それぞれの世界で少女と恋に落ちるというもの。

物語は乙野氏の中学2年のころの妄想から誕生したというから驚きだ。また、同日公開される『僕愛』『君愛』の2作は、観た順番で感じ⽅が⼤きく変わるところも面白い。『君愛』で主人公、暦と恋に落ちる、佐藤栞(さとう・しおり)の声を務めるのは、20歳になったばかりの蒔田彩珠(まきた・あじゅ)。

今回cinemasPLUSでは蒔田にインタビュー。声優として2作目となった本作での撮影秘話や、女優と声優を演じる上での違いなどを聞いた。

決められた画に声を合わせるお芝居の難しさを痛感 

——まずは完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

蒔田彩珠(以下、蒔田):最初は栞の声が自分の声なのでどうしても恥ずかしさがありました。でも、非現実的ではありますが感情移入できるストーリーになっているので、最後まで楽しむことができました。

——栞役のお話を聞いたときは、どんなことを思いましたか?

蒔田:アニメ映画『神在月のこども』という作品で声優のお仕事は経験させていただきました。しかし、とても難しいなと感じていたので今回のお話をいただいたときは、楽しみな気持ちはあったものの不安な気持ちも大きかったです。

——声優のお仕事はどういうところが難しいですか?

蒔田:普段のお芝居だと表情やしぐさ、ちょっとした「間」なども自分のタイミングでできますが、決められた画に声を合わせ、お芝居をするところがとても難しかったですね。

——逆に声優のお仕事の魅力はどんなところにあると思いますか?

蒔田:お芝居だと自分ができる役しかできませんが、声のお芝居だとビジュアル関係なく、いろんな役ができるのでそこは新鮮だなと思います。

——収録のときのエピソードがあれば教えてください。

蒔田:前回の作品はコロナ禍がはじまったばかりだったので、収録が一人でとても寂しかったです。でも、今回は暦役の宮沢氷魚さんと対面でアフレコができたのでまったく違いました。感情の入れ方や声の調節など、とてもやりやすかったです。
 

8歳から14歳までの栞を演じるときに工夫したこととは?



——作品についてお伺いします。原作は『僕愛』『君愛』どちらから読みましたか?

蒔田:私は『君愛』のほうから読みました。

——今回の作品の魅力はどんなところだと思いますか?

蒔田:『君愛』と『僕愛』で登場人物もストーリーもまったく違う世界観なのが面白いです。『君愛』ではピュアで柔らかい、見守りたい雰囲気がありますが、『僕愛』はまた全然違うのでそのギャップが魅力です。

——蒔田さんが今回演じた栞というキャラクターはどんな印象がありますか?

蒔田:ビジュアルや話し方、暦君に甘えている妹っぽい典型的な女の子という印象があります。でも、物語が進んでいくうちに実はしっかりした性格で徐々に暦君を精神的に支えてあげようとしていて、かっこ良く感じました。

——栞役を演じるうえで気を付けたことはありますか?

蒔田:今回は、8歳から14歳までの女の子を演じたのですが、8歳は声のトーンを高めに、14歳のときは“はかない”雰囲気が出せるよう工夫しました。栞という女の子は楽しいときもあれば、自分の殻に閉じこもってしまうような感情の起伏がある女の子だったので、場面場面で監督に相談しながら頑張りました。

——映画の中でとくに印象的なシーンはありますか?

蒔田:そうですね。パラレル・シフトする前に涙を流すシーンがあるのですが、すでに出来上がっている画に合わせてどこから感情移入して、どこから涙を流そうかと考えて演じたので印象に残っています。

——他にも監督からはアドバイスはありましたか?

蒔田:監督からは、「こうしてほしい」ということはなく、自分が思っている栞を演じてみてと言っていただけました。技術的な音のずれなどはその都度、指摘していただきました。

もし、並行世界があったら……?



——今回の作品は並行世界をテーマにした作品でしたが、もし並行世界があったらそこではどんな生活をしていると思いますか?

蒔田:そうですね……。子どものころから役者をやっているので想像がつきません。でも、自分がどんな性格でどんな生活をしているのか、興味はあります。

——もし子どものころから役者をやっていなかったらまた違う生活だったと思いますか?

蒔田:違うと思います。人間関係も違うと思いますし、もっと無責任だったと思います(笑)。

——無責任だったとは? 

蒔田:兄が2人いるのですが、無責任な人たちなので私も一緒にそうだったかもしれないなと思っています(笑)。

——今後も声優に挑戦してみたいですか?

蒔田:声優は大変ではありますが、終わるとやってよかったなと思うのでまたぜひ挑戦したいです。前回も今回も明るくてかわいらしい女の子だったので、もう少し自分の素に近くて、声色も同じような感じのキャラクターを演じてみたいですね。

――これから作品をご覧になる方にメッセージをお願いいたします。

蒔田:私と同世代の方から、お母さん世代の方まで、多くの方に観ていただきたいです。世代を超えて観ていただけたらまた目線が違うので面白いと思います。私は今回、自分が栞役を演じさせていただいたので『君愛』から観ましたが、皆さんがどちらから観るか…。ご自身にとっていい選択をしていただけたらなと思います。

(撮影=Marco Perboni/取材・文=駒子)

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