「舞いあがれ!」第37回:青春学園ものへのチェンジは吉と出るか凶と出るか
本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。
本記事では、第37回をライター・木俣冬が紐解いていく。
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ルームメイト倫子の謎の夜活動
舞(福原遥)は航空学校の宮崎本校に入学。寮生活をはじめました。まず4ヶ月ここでみっちり勉強して帯広のフライト過程に進みます。男子ばかりかと思ったら、ひとり女性がいて、ルームメイトになりました。矢野倫子(山崎紘菜)です。彼女は舞より年上で部屋にはお化粧道具やきれいな服がたくさんで、その女子力に舞は圧倒された様子です。舞の持ち物は、ばらもん凧ですから。
クラスは18人、そのなかで6人のチームができて、
舞は、中澤真一(濱正悟)、吉田大誠(醍醐虎汰朗)、水島祐樹(佐野弘樹)、柏木(目黒蓮)、矢野とチームになります。
ランチタイム、食事をしながら自己紹介しますが、柏木はここでもまた無愛想。
「別に馴れ合う必要ないだろう」と第36回の「二度と会うことはないだろう」に続いて感じ悪い発言をします。
中澤はチーム最年長でお兄さんぽい、吉田はまじめそうだがおとなしそう、水島は元気がからまわりしているタイプという印象です。
ここで注目は、このクラスメイト役5人は、朝ドラ初出演の俳優ばかりでフレッシュであることです。戦隊ものや2.5次元などで活躍してきた生え抜き俳優たちによって、これからどんな人間もようが展開していくか注目しましょう。
授業では皆、競い合うように教官の質問に答えていきます。みんな優秀! チームだから助け合いが必要ですが、その前に各々の知識を高めていることが前提であるというなかなか厳しい世界です。
大学では舞はよく居眠りしていましたが、そんなことは許されないし、なにわバードマンのようなサークル活動のほのぼの感はいっさいありません。
慣れない新生活、舞は様々な新しい経験をしていきます。
倫子が夜、メイクして男子寮へでかけていくので、何をしているのか気になって舞はあとをつけます。そこで見たのはーー。
柏木もつんけんしているし、倫子も舞をライバル視して空気悪くなるかと思いきや、倫子に関してはそんなことはなくてほっとしました。
面接もしていた都筑教官(阿南健治)は生徒たちの動向をメモしていて、それが成績に影響するのではないか、という中澤の言葉に舞たちはざわつきます。
新章突入という感じで、かなりドラマの雰囲気が変わりました。厳しい航空学校の様子をライトにポップに親しみやすく……という意図のようですが、繊細な感情をゆったり描いていた先週までとかなり違うので戸惑いも否めません。
舞はなにかとうちに秘めるクセがあるから誤解されがちなだけで、聡明でしっかり者のキャラではなかったでしょうか。とはいえ、彼女は20歳で、ほかの皆さんよりも若い設定なうえ大学中退。人生経験が少ないのでみんなの後ろを戸惑いながら走っているという状況を描いていると思えば、おかしくはないかもしれません。が、スピンオフで別の作家が書いた本編と違うライトなドラマのような印象も受けます。でもまだ航空編ははじまったばかり。決めつけてはいけません。
【朝ドラ辞典 ライバル(らいばる)】朝ドラに限らずドラマに不可欠なライバルの存在。ライバルがいてこそ主人公は輝く。
(文:木俣冬)
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