『すずめの戸締まり』だけじゃない!女優・原菜乃華の知られざる魅力

原菜乃華が映画で魅せた演技力


その後も堅実に演技力を高めていった原菜乃華は、脇役としても確かな存在感を発揮していく。

『はらはらなのか。』と同じく、SPOTTED PRODUCTIONS配給となったミニシアター系邦画『無限ファンデーション』(2018年)では、再びナノカ役を務めている。


おおまかな設定のみが決められた台本なしの即興劇となった青春映画で、彼女は主演を務めた南沙良(「ドラゴン桜」『この子は邪悪』などに出演)と共演。まるでドキュメンタリーのように自然な演技がリアルな学生生活を映し出している。

高い理想を持つがゆえに周囲の演劇部部員と波乱を巻き起こすことになるナノカの設定には『はらはらなのか。』と地続きな要素も感じられるだろう。

また、第44回日本アカデミー賞で優秀作品賞ほか12部門を受賞した『罪の声』(2020年)でも、原は確かな存在感を発揮している。



グリコ・森永事件をモチーフにした傑作ミステリー映画で彼女は事件の鍵を握る謎の少女を熱演。
決して長くない回想シーンでの出演ながらも、事件に隠された「悲しい真実」を象徴する人物として物語を支えている。懸命に生き抜く彼女の姿には、多くの観客が胸を打たれたことだろう。

そして、恋愛青春映画『胸が鳴るのは君のせい』(2021年)では、見事な怪演で作品を盛り上げている。



彼女が演じたのは主人公の恋敵・長谷部麻友。お人好しの主人公を翻弄するぶりっこの彼女には狂気すら感じられる。仮病や嘘を使いこなすサイコパスな一面を持ちながらも、純粋な恋心を吐露する裏表の激しい性格なのだ。

そんなトラウマ級のキャラクターながらも同情心をも抱かせる迫真の演技によって、ラブストーリーとしての面白さを底上げさせているのだ。

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