インタビュー

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2022年12月18日

「お互いに安心して演じられた」共演3度目の前原滉×大友花恋が新婚夫婦を演じる『散歩時間〜その日を待ちながら〜』

「お互いに安心して演じられた」共演3度目の前原滉×大友花恋が新婚夫婦を演じる『散歩時間〜その日を待ちながら〜』

12月9日に公開された映画『散歩時間〜その日を待ちながら〜』で、夫・亮介を演じた前原滉と、妻・ゆかりを演じた大友花恋。ふたりの共演は「あなたの番です」など3回目となる。

前回の共演とは作風も役柄も打って変わり、新婚夫婦を演じることとなった前原と大友。コロナ禍ゆえに挙式披露宴が行えないことを不憫に思った友人たちが、自宅でパーティを企画してくれるところから、物語は始まる。

2020年、誰もが混乱し、不安だったあのときを切り取った群像劇。彼らはどのようなことを思いながら、現場に臨んだのだろうか。

思い出話で盛り上がった舞台挨拶

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――本日はお時間のないなかで、ありがとうございます(取材当日12月10日は、舞台挨拶当日)。無事に公開を迎えられましたが、作品をご覧になったお客様の反応は、おふたりからどう見えましたか?


前原滉(以下、前原):実はあんまり、お客さんの反応はわからなかったんです。

大友花恋(以下、大友):前原さん含め、監督とめがねさんとも久々にお会いして、思い出話で盛り上がってしまって……。話している私たちはとても楽しかったのですが。

前原:盛り上がりすぎて、ちょっとお客さんを置いてっちゃったかもしれないよね(笑)。映画も、僕たちの話も、楽しんでくれていたらいいな〜と思いつつ、僕らは話してたんですけど。映画のこと、どう思ってくれたんだろう。

大友:上映前と後では、お客さんのまとう雰囲気が、また違ったかもしれません。この映画は、コロナ禍を舞台にしたお話ですが、ポジティブであたたかい終わりを迎える映画なんです。観終わったあとのお客さんの雰囲気も、そんなあたたかい雰囲気だったような気がします。

前原:そうだねえ。上映前は「どんな映画が始まるんだろう?」っていう、期待が先行してる感じだったね。

3度目の共演、お互いの変化は……

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――前原さんと大友さんは、前回の共演(「あなたの番です」)から3度目の共演になるんですよね。


大友:そうなんです。最初にお会いしたのは私が高校生のときで、2度目が20歳前後、そして今。前原さんとのご縁ってとても不思議なんです。「そろそろお会いできると嬉しいな」と思っていると、ちょうどお仕事でご一緒できるんですよ。

前原:たしかに、そう考えると不思議だなあ。僕と大友さんって、どう考えても共通点がないじゃないですか。同じようなジャンルの作品によく出てる、とか、そういった共通点があるならわかるんですけど。大友さんはお芝居以外にも、いろいろなお仕事をされているし。

――久々の共演で、お互いに印象が変化した部分はありますか?

大友:前原さんは、いつお会いしても前原さんなんです。今回もあらためて思いましたが、どのキャラクターを演じられていても、どこかに前原さん自身がいらっしゃるんです。亮介というキャラクターも、台本で読んだ段階では、あまり好きになれない部分があったのですが……。
でも、前原さんが演じていらっしゃる姿を見ると、どこかユーモアさ、チャーミングさが感じられて。ゆかりは亮介のこういうところを好きになったんだなと自然と思えました。

前原:いやあ、ほんと、しっかりしてるなあ。僕も、大友さんに対する印象はずっと変わらないです。大人でしっかりした子だなあ……って。最初に会ったときも、ずっと本を読んでたんですよね。「何を読んでるんですか?」って訊いたら、番組で紹介する本を読んでるんですって。すごいですよねえ。

大友:前原さん、なんだか、親戚みたいですね!(笑)

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前原:もちろん、成長されて、より大人っぽくなったな〜とは思います。けど、芯の部分はずっと変わらない。地に足をつけて、自分でしっかり考えながら、すべきことをしてきたんだなあと思うんです。もうね、年齢を聞くたびにびっくりするんですよ、僕。

大友:お会いするたびに、「いま何歳?」って聞いてくださいますよね(笑)。

前原:それで毎回びっくりしちゃうんだよね。でも、考えてみたら失礼な話だなあ。今度からは、ちゃんとウィキペディアで調べるね。

5日間の短期集中撮影も「安心できた」

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――3度目の共演で新婚夫婦役を演じていらっしゃいますが、どんなやりとりをしながら作り上げられたのでしょうか?


前原:大友さんのおかげで、まったく緊張しなかったんですよ。ずっと「夫婦役が俺とでごめんね〜」とは思ってたんですけど。もちろん大友さんのすべてを知っているわけではないんですが、共演経験があるおかげで、とても安心感がありました。5日間という短い撮影期間だったんですけどね。

大友:お互いに「初めまして」の状態だと、関係性を作っていくのが大変だったと思うんです。でも、お相手が前原さんだから、私もとても安心できました。
5日間の撮影は、朝から晩までの短期集中で臨んで、みんな体力を使う日々だったのですが……。前原さんのおかげで、とても楽しかったんです。ロケ地から都内に戻る1時間半くらいの道のりも、車内でずっとお話していましたよね!

前原:僕がずっと喋り倒してたわけじゃないですからね! みんなでず〜っと話してたよね。ディズニー映画の話をしたのを覚えてるなあ。僕、ほとんどディズニー映画を観たことがなくて。大友さんに「どうしてですか!?」って訊かれたりしたよね。

大友:ものすごく、濃い時間でした。

役者の挑戦を受け入れてくれる場所

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――前原さん演じる亮介と、大友さん演じるゆかりが招待された自宅でのパーティーシーンでは、アドリブも多かったと伺いました。


大友:私たちふたりは、役柄的にも自分から積極的に話すタイプではないのですが、共演した柳ゆり菜さん、中島歩さん、篠田諒さん、めがねさんのアドリブが、とくに炸裂していました。

前原:そうだね、僕たちは終盤くらいのシーンで、切り込んだよね。

大友:最後に、中島さん演じる稲田さんの関西弁が不自然だと、ゆかりがツッコむシーンがあるのですが、この流れは前原さんが提案してくださったんです。

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前原:中島さんの関西弁に違和感があるなあって、僕はずっと思ってたんです。現場では、ある派とない派がいたんですけど。

大友:誰かが最後にセリフとして言うことで、設定の一部として成立するんじゃないかって話になっていました。

前原:観てくださる方も「よかった、言ってくれた〜!」ってならないかな? と思ったんですよね。役者からのそういったアイデアも、自由に言い合える現場でした。

大友:戸田彬弘監督も私たちの意見をポジティブに受け入れてくださる方で。みんなが一丸となって作品に向き合い、アイデアを出し合っていく空気感もあって、とても素敵な現場でした。アドリブだと、どうしても自分の素が出てきてしまうので、どれだけ役を保ちつついろいろな挑戦ができるかも、自分にとって課題だったと思います。

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――役者が自由に挑戦するのを、受け入れてくれる現場だったんですね。

前原:戸田監督が許容してくださったのが大きいと思います。その選択をしてくれていなかったら、僕たち役者は誰も挑戦できていなかったはず。監督としては、僕たちの仲良しな空気感を出すのを第一に考えてくれていたんじゃないでしょうか。あらためて、監督の懐の深さを感じましたね。

(撮影=大塚秀美/取材・文=北村有)

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©︎2022「散歩時間~その日を待ちながら~」製作委員会

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