(c)Marvel Studios 2023

<解説&考察>『アントマン&ワスプ:クアントマニア』鑑賞後に確認したい“4つ”のポイント

ラストシーンの意味について

単作映画として見てもシリーズ映画として見ても楽しめる『アントマン&ワスプ:クアントマニア』。


まずは本作のラストをそれぞれの視点から解説します。

単作映画として

本作はスコットが名声にとらわれず、本当のヒーローとして成長するまでを娘との交流を踏まえて描いていました。

物語序盤ではアベンジャーズの一員として世界を救ったスコット・ラング(アントマン)が娘・キャシーに「次は何をするの」と問いかけられます。ホームレスのためにパトカーを縮ませるなど、キャシーの行動は大胆ですが「人助け」をしようとする気持ちはヒーローの本質を思わせるもの。

物語終盤ではキャシーが悪役・M.O.D.O.K(モードック)を更生させる展開もあり、その姿からスコットは「ヒーローとは何か」を学ぶのです。窮地に立ったスコットが、自身の犠牲を払ってでも強敵に立ち向かおうとするクライマックスはその集大成といえるでしょう。


オープニングとエンディングでは街中を歩くスコットが反復されますが、その大きな違いは彼の心の持ちようです。アベンジャーズの肩書に頼り、ヒーローとしての名前を間違えられてへこんでいたスコット。彼は本作を経て、たとえ量子世界を救った事実が人々に知られずに名前を間違えられようとも気にせずに、ヒーローとして生きることを決意します。

この展開からまさしく本作はアントマンの成長譚と言えるのです。

シリーズ映画として

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』では戦いに勝ち、幸せな日常に戻ったはずのアントマンがカーンの言葉に不安を抱え、不穏な空気を残したまま物語が幕を閉じます。

それもそのはず、2025年公開の『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ』は(「カーン王朝」という意味のサブタイトルからも)カーンがアベンジャーズの強敵になることが示唆されており、本作のミッドクレジットシーンでも様々な世界の彼が集結していました。また、今作のカーンについても退場シーンには謎が残るため、彼が再登場する可能性もあるでしょう。

果たしてカーンとの戦いを経験したアントマンが今後のアベンジャーズでどのような活躍をするのか。その立ち位置にも要注目です。

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