©︎2023 劇場版「美しい彼〜eternal〜」製作委員会
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映画コラム

REGULAR

2023年04月06日

<劇場版公開記念>「美しい彼」原作、ドラマ、劇場版の魅力を語り尽くす!

<劇場版公開記念>「美しい彼」原作、ドラマ、劇場版の魅力を語り尽くす!


2021年に放送されたドラマ「美しい彼」(MBS毎日放送)が海を越えた大反響を呼び、すぐさまシリーズ2の放送と『劇場版 美しい彼〜eternal〜』の制作・公開が決定した。凪良ゆうによるボーイズラブ小説を土台にしたこの作品には、キャストはもちろん、制作陣やファンの愛と熱量が詰まっている。

「尊い」という言葉しか浮かばない、それ以外の語彙が軒並み消失してしまう……。そんな狂おしい気持ちにさせられる「美しい彼」の魅力を、ドラマ・劇場版・原作の3つのポイントから語らせてほしい。

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「美しい彼」ドラマシリーズの魅力

「美しい彼」ドラマシリーズは、1話30分と見やすい長さ。シリーズ1が6話、シリーズ2が4話構成である。ドラマの魅力を知ってしまうと「1話30分なんて短すぎる」と思ってしまうのだが、初めて見るぶんにはハードルが低く感じられるのではないだろうか。

まずはドラマシリーズの魅力を「キャスト」「制作陣」「公式の手厚さ」の3ポイントに分けて解説したい。

 ポイント1. キャスト


「尊い」を辞書で引くと、「高貴」「価値が高い」「非常に近寄り難い」「ありがたい」といった言葉が並ぶ。確かにそうなのだが、しかしそうではない。いや、そうであることは大前提として、もっともっと言葉を尽くさなければこの“なんとも言えない衝動”は具現化できないのである。

ドラマ「美しい彼」シーズン1の1話冒頭、開始5分で登場する清居(八木勇征)は、その容姿はもちろんのこと、内面までも美しい。多感な高校生でありながら、誰にも何にも侵食されない独自のバリアが張られているかのように、孤高の存在である。

同級生の平良(萩原利久)も、一目見た彼に一瞬で惹きつけられてしまったように、視聴者のほとんども「尊い」の一言しか語彙がなくなってしまうのではないだろうか。

「美しい彼」を実写ドラマ化するにあたり、さぞ制作陣は「清居を誰にやってもらうか」と、キャスティングの面で悩んだことだろう。

当たり前だが「美しい彼=清居」を演じる役者は、美しい人でなければならない。清居というキャラクターを体現するには、外見の美しさはもちろんのこと、高校生らしいフレッシュさ、ピュアさ、内に秘める夢への情熱や、それを達成するための真面目でストイックな性分までも表現できる人物でなければならない。

酒井麻衣監督が語った過去のインタビューを紐解くと、プロデューサーのひとりがInstagramで八木勇征を見つけ、「美しい人、いました」と連絡してきたのだとか。ダンスボーカルグループ・FANTASTICS from EXILE TRIBEのボーカルを務めている八木は、演技経験が浅いなかでの抜擢だった。

そんなシンデレラストーリーに、子役時代から演技経験豊富の萩原利久が平良役としておさまったことで、奇跡のバランスが成り立つ。美しく、爪を立てた猫のように触れがたい一面をも見せる清居に対し、一心不乱に羨望の眼差しを向け続ける平良という構図が、小説から飛び出てきたように実現した。

ポイント2. 制作陣

ドラマ「美しい彼」がヒットした理由のひとつとして、制作陣による“原作愛”が大きい点も挙げられる。

凪良ゆうによる原作小説の内容を損なわず、かつ厚みを増幅させた脚本は、ドラマ『マッサン』(2014)や『コウノドリ』(2015)『探偵ロマンス』(2023)を手がける坪田文によるもの。くわえて、鮮やかな映像美に定評のある酒井麻衣監督の手腕も無視できない。

原作の流れを汲みつつ、外してはいけないポイントはしっかり押さえ、ドラマシリーズならではのエッセンスまで注入された脚本や演出に、原作ファンも含め夢中になった。原作ものの映像化作品に対しては、どうしても「イメージと違う」といった批判が少なからず聞こえてきそうなものだが、「美しい彼」に至っては皆無に感じる。

もちろん衣装や美術の力も不可欠である。本編では一瞬しか映らないようなシーンでも、細部にまでこだわって作られているのがわかる。2023年2月末に最終回を迎えたシーズン2では、主に平良の自宅でともに生活する二人の様子が描かれるが、居間や書棚に置かれている小物からも“原作愛”がひたひたと伝わってくるのだ。

 ポイント3. 公式の手厚さ

「美しい彼」ドラマ公式SNSの手厚さは、まさに右に出る者はなく、どんなホワイト企業もびっくりの福利厚生が整っていると評判である。


もはやTwitterやInstagramなどの公式SNSで「告知動画(キャストによる放送前◯時間を告知する動画)」が頻繁にアップされるのは当たり前。動画アプリ「Smash.」では、ドラマ本編では描かれないプチエピソードが公開されている。原作のちょっとしたエピソードまで再現してくれており、「公式がここまでしてくれるのか……」と全オタクが涙する勢いだ。


ドラマ公式グッズの販売、ドラマ公式ビジュアルブックの販売に始まり、ドラマシーズン1ならびにシーズン2の放送に合わせて、さまざまな雑誌の表紙に平良役の萩原利久、清居役の八木勇征が登場。あまりの過剰な供給に、嬉しい悲鳴をあげるファンが後を絶たない。

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