2023年5月に発売された、Snow Manの3rdアルバム「i DO ME」。アルバム名には「自分らしく」という意味が込められているほか、ローマ字読みで「挑め」と読むこともでき「DOME」という文字も入っている。Snow Manらしさにとことん挑みつつ、彼らにとって初となるドームツアーで歌うことも考えて作られたという。
発売4日でミリオン達成、日本4組目・男性初・20年以上ぶりの3作連続ミリオンを達成するなど、大きな話題を呼んでいる。本記事ではこのアルバムから、注目曲をいくつかピックアップして魅力をお伝えしたい。
アルバム「i DO ME」注目曲ピックアップ紹介
「Cry out」みんな待ってた!数年越しの音源化&ダンプラ公開
なんといっても注目したいのが、デビュー前からありファンに音源化・映像化が切望されていた楽曲「Cry out」がついに音源化したこと!
Snow Manのかっこいい要素がこれでもかと詰め込まれた「Cry out」が初めて披露されたのは、2019年の舞台「少年たち To be!」でのこと。8月8日にデビューが発表された直後で、9人の「この9人で行けるところまで行ってやるぜ」という気合いや熱量が垣間見える。
「少年倶楽部」でも披露されかっこよすぎる衣装とパフォーマンスが話題となったが、なぜかこれまで音源化や公式映像化する機会がなく、アルバムなどJr.時代曲が音源化する機会を逃すたびに「Cry out」がTwitterのトレンドに入ってしまうという現象を巻き起こしていた。
音源化とともに望まれていたのが「ダンプラ(Dance Practice)動画を定点で公式YouTubeにアップしてほしい」というもの。本人たちからもダンプラ動画を出したいねという発言が出たこともあったものの、なかなか実現せず、首を長くして待っていた。
今回音源として収録されるものの、特典映像の中にはなく、少しだけ残念に思っていた。そこへ来ました公式YouTubeのDance Practice、しかもほぼ定点!
4年経っても全然衰えない熱量とかっこよさに喜びのノックアウト状態だった。しかも彼ら、1発OKを出したというからすごい。シンプルだけど豪華に照明が用意されていて、このタイミングだから出せた映像かもしれない。
「Cry out」は初回盤Aに収録されているので、発売されているうちにぜひ手に入れることをおすすめする。
ファンにとって念願だった「Cry out」の音源化にあたって、メンバーそれぞれの見どころを書き出したらすごい量になってしまったので、ぜひリンクから読んでみてほしい。
▶︎【おまけ】ファンが見る「Cry out」メンバー別ポイント徹底紹介
「Bass Bon」ラウール×佐久間だからできた衝撃作
Snow Manのアルバム恒例となったユニット曲は、今までの3人×3組から、2人×3組と3人×1組の4ユニットに進化。なかでも特に注目を集めているのが、ラウールと佐久間大介による「Bass Bon」だ。
@snowman_mentrecording_j 「Bass Bon」- Raul / Daisuke Sakuma #SnowMan#iDOME#BassBon#挑め自分らしさに#ラウール#佐久間大介#Raul#DaisukeSakuma #voguedance#art#mode#fashion ♬ Bass Bon (Raul/Daisuke Sakuma)
Snow Manの中でも特にダンスの表現力が飛び抜けていて個性的な2人。最年少でもっとも身長が高いラウールくんと、上から2番目でもっとも身長が低い佐久間くん、正反対な2人が「この2人だからこそできるものにしたい」と意見が一致し、作り上げたというのが「Bass Bon」。
2人とも未経験のヴォーグダンスに挑戦し、振り付け東京ゲゲゲイのMIKEYに依頼。衣装も特注し、シーンごとにヘアメイクも変えているというこだわりっぷりだ。
@snowman_mentrecording_j 「Bass Bon」- Raul / Daisuke Sakuma #SnowMan#iDOME#BassBon#挑め自分らしさに#ラウール#佐久間大介#Raul#DaisukeSakuma #voguedance#art#mode#fashion ♬ Bass Bon (Raul/Daisuke Sakuma)
この動き、エフェクトや編集で早く見せているわけではなく、実際にこの速度と細かさなのだからすごい。この2人をもってしても「難しかった」というヴォーグダンスだが、最終的にここまでさまになっているのは、2人の技術と表現力があってこそだろう。
「人の形をした人ではない何か」を表現するためか、まばたきの異様な少なさ、ラウールくんのスタイルの良さ、佐久間くんの目の大きさなど、さまざまな要素によってより人外感・キャラクター感が強まっている。ほぼ真顔なため、2人の顔の美しさをあらためて実感した。
@snowman_mentrecording_j 「Bass Bon」- Raul / Daisuke Sakuma #SnowMan#iDOME#BassBon#挑め自分らしさに#ラウール#佐久間大介#Raul#DaisukeSakuma #voguedance#art#mode#fashion ♬ Bass Bon (Raul/Daisuke Sakuma)(Long ver.)
他3曲のユニット曲もそれぞれ個性強めだ。
渡辺・目黒の「Two」は切ないバラードだが、歌詞が意味深なことと、2人が「自分たちが考えている答えがある」と発言していることから、ファンの間で歌詞に対するさまざまな考察が繰り広げられている。
岩本・深澤・宮舘「Vroom Vroom Vroom」は、なんと日本語・英語・韓国語3か国語の歌詞がミックスされたラップ曲。3人それぞれの高音と低音がどちらも楽しめるところがいいし、ポップなMVも見ていて楽しい。
阿部・向井の「Gotcha!」はレトロポップ。優しい歌声の持ち主が繰り出すサビのメロディーには、独特な気持ちよさがある。どことなく、その昔事務所の先輩トラジ・ハイジ(国分太一・堂本剛)によってリリースされた「ファンタスティポ」のような雰囲気がある。
「slow…」力強いダンスも魅力のR&B曲
ミリタリーな衣装に身を包んだ彼らがパフォーマンスする「slow…」は、大人っぽいかっこよさのある楽曲と、力強いダンスが印象的だ。
振り付けはStray KidsやNCT Uの振り付けも手掛けるコレオグラファー・ReiNaが担当。振り付け自体はもちろんフォーメーションがおもしろく、常に9人のうちの誰かにスポットが当たり、その人を際立たせるようにほかの人が動くところもある。見ていて飽きないし、9人それぞれにメインになる瞬間があって楽しい。
衣装の色を真逆の赤系統にしたDance Practiceもかっこよく、片方を観るともう一方を見たくなる沼曲だ。
リード曲ではないものの、「あいことば」とセットで歌番組で披露されることも多く、Snow Manの幅広さがお茶の間に届いたことだろう。
「あいことば」今までなかった王道ジャニーズソング
「i DO ME」のリード曲となった「あいことば」は、Snow Manに今までなかった“王道ジャニーズソング”。これまでの2作のリード曲は「EVOLUTION」「JUICY」と、ある意味Snow Manらしい攻めのダンスナンバーだったため、正直驚いた。
だが「ドームツアーで歌うことを前提に考えた」というメンバーの言葉を考えると納得だし、メンバーの笑顔と仲の良さが際立つ、これはこれで非常にSnow Manらしさのある仕上がりになっている。「合言葉」と「愛言葉」2つの意味をかけたというこの曲、歌詞はメンバーに向けて歌っている曲のようにも感じるし、ファンに向けての言葉にも感じて心が温かくなる。
ちなみに洋服屋でショッピング・カラオケ・ボウリング、家とシーンが分かれているところがあり、このメンバー分けがユニット曲のヒントになっていた。
「Nine Snow Flash」紹介RAPの進化形
通常版のみのボーナストラック「Nine Snow Flash」にも注目だ。「紹介RAP ~We are Snow Man~」をベースに、歌詞も曲も2023年仕様にブラッシュアップされている。メンバーの阿部亮平が前回に引き続き作詞を担当しているほか、今回は作曲にも挑戦したという。
新旧の歌詞を比べると、前回は希望だったことが現実になっていたり、目標がさらに高くなっていたり、新たな魅力が加わっていたりする。この4年間でSnow Man全体もメンバーそれぞれも活躍の幅が広がったことを実感できて感慨深い。
「雪だるま式」という歌詞はグループ名とかけつつ、一人好きになるとみんなのことが好きになってしまうSnow Manの魅力を伝えている。
また深澤くんはゲームミュージックっぽいピコピコ音、翔太くんはかっこいいギターソロ、康二くんはおしゃれなカッティングとワウの入ったギター、目黒くんはベースのスラップ、宮舘くんは和楽器の音入り、佐久間くんはアニメっぽいシンセ音など、メンバーごとに曲調や音色が変わるところも凝っている。
ライブでペンライトの色の切り替えがしやすいよう、公式のメンバー紹介の並び順になった気遣いもうれしい。
発売4日でミリオン達成・3枚連続ミリオンなど記録樹立
冒頭でも触れたが、「i DO ME」も素晴らしい記録を更新した。
発売4日でミリオン(アルバム初週ミリオンはグループ初)を達成し、すでに前作の累計売上を上回っている。また1stアルバムから3枚連続のミリオンは日本で4組目(これまではglobe、SPEED、宇多田ヒカル)、かつ令和初(20年11か月ぶり)、男性アーティストでも初。
CDが売れにくい時代に、数々の記録を更新してくれるSnow Manはすごいとしか言いようがない。
2019年にデビューを発表した東京ドームを含む、初のドームツアーを決行したSnow Man。次に彼らが叶えるのはどんな夢なのか、一緒に新しい景色を見るのが楽しみだ。
(文:ぐみ)
–{【おまけ】ファンが見る「Cry out」メンバー別ポイント徹底紹介}–
【おまけ】ファンが見る「Cry out」メンバー別ポイント徹底紹介
岩本照
まずこの曲の振り付けを担当したという時点で天才。それぞれに見せ場がありつつ、9人という人数と空間をうまく使った、岩本くんにしか作れない振り付けだ。
ダンプラでは帽子をかぶっていて目がほとんど隠れているのに、ダンスと口元で楽しんでいるのがわかるし、目以外の部分でもこんなに感情が伝わってくるんだなと発見があった。
冒頭のラウールくんの前に2人で風神雷神もしくは狛犬のごとく座っているところから、1番の途中まで深澤くんとシンメなところもたまらない。いい意味で力を抜いて楽しんでいるように見えるところが多い分、2番サビや大サビ前での爆発感が際立つ。
深澤辰哉
深澤くんはハーフパンツ+レギンスという定番衣装(あわよくば片腕袖なしがよかった)。前髪を分けておでこを見せた髪型もかっこよすぎてまたリアコが加速してしまう。
まず「教えてあげよう俺らのA to the Z」という歌詞が最高。「教えてください!!」という気持ちになる。普段どちらかというとダンスではクールというか、あまり前に出すぎず基本に忠実に踊っている印象がある彼が、珍しくパッション全開で踊っているように見えるのもいい。
「We wanna crush crush right now」のところも感情が乗っている。また「Hey can you show me」や「Dizzy Dizzy Dizzy」のところといい、地声がかっこよくハマっている……。
ラウール
2019年の披露時には16歳、深澤くんの背中に乗って飛び降りる演出だったラウールくんは190cm超えに成長し、今年の6月27日でついに20歳を迎えた。
最早背中には乗れない(おそらく)けれど、今の彼ならではのダイナミックなパフォーマンスが光る。ライブ恒例“テンションあがって暴走するラウールくん”が出現しまくり、特に1番終わりの回転ヘドバンと終盤のヘドバンからの回転しつつの回転ヘドバンの勢いがすごかった。
動きも素晴らしいが、たまにある止めの瞬間の決まり具合もいい。冒頭とラストにど真ん中でたたずむ姿、ラスボス感が半端ない。2番Aメロで同じくダンスがやばい佐久間くんと顔を見合わせて煽りあいながら踊るところ 楽しそうで最&高。
渡辺翔太
この曲の持つ治安の悪い感じが似合う翔太くん。深澤くんと同じく、普段ダンスではクールなイメージが強いが、このダンプラでは楽しんでテンション上がっている感じが伝わってくる。担当パートが多いけれど、ダンプラで歌がない分ダンスに全振りしているのもいい。
この座り方は似合うし、「見せ合うほどFeel dizzy」の前の音ハメがかっこいい。大サビ前の「誰よりも先へ」の動きもパッションがあふれている。そのまま移動した先で深澤くん・佐久間くんと年長コンビが3人並んで踊ってるところもたまらない。
立ち位置といえば、冒頭もラストも宮舘くんとのゆり組シンメなところもいい。「非日常へようこそ」の帝王感も健在で、引きずり込まれたいし実際Snow Manっていい意味で非日常へ連れて行ってくれるところがある。ダンプラながら翔太くんの歌声が唯一無二なこともあらためて感じた。
向井康二
普段のおちゃらけている姿やメンバーに甘える姿も可愛いけれど、Cry outの向井康二からしか接種できない栄養がある。黙々とキレよく踊っているのがひたすらかっこいい。今回一番シンプルかもしれない黒のセットアップが、飾り気ない魅力を引き立てている。
帝王感あふれる「Grooveなダンジョン攻め込め」からの緩急ある動きの連続がすごい。その後の「溢れ出すFeeling 月が満ちるほどDelight」では一転、優しく美しい声で聴く者を包むし、振り幅がえぐい。
阿部亮平
普段強みとしている“あざとさ”も“さわやかさ”も封印し、雄み全開のオラオラ感あふれる阿部ちゃんが堪能できるのがこの曲。が最高である。低めの声で歌う英詞がかっこいいのだ。
「Hey can you hear me~」のところは歌詞に合わせた手振りにも注目。そして「Nine to be oneness」という歌詞、めちゃくちゃSnow Manでいいな。
「簡単に溢れるTears」はかっこいいし発音がいい。「ここでBreaking free」のところで両手の指で「来いよ」みたいな感じで煽っているのが印象的だ。
着ているジャージのラインがターンやジャンプのときに映える! 「ぶっ飛ばせ」のところのジャンプが高くて力強い。同期の深澤くんと対になっている「Dizzy Dizzy Dizzy」もよい。
目黒蓮
終始表情と動きから気合いと気迫を感じる目黒くん。口を膨らませる回数と舌をペロっとする回数が多いのだが、真剣なときにやりがちなのだろうか。以前よりしなやかになったように感じるところと、感情を込めて力強いところの緩急がいい。
2番のサビ前の手拍子で片膝を床について身体を揺らしているところ、ノッているのが伝わってくる。そして注目したいのは、2番サビ中の移動で側転していること!昨年2022年のツアー「Snow Man LIVE TOUR 2022 Labo」の一部でも披露していたが、今回もスピードがあって綺麗だ。
「フロア照らしたMoonlight」のところの歌声が本当に月の光のような柔らかな声で、目黒くんにぴったりのパートだと思う。終盤のほぼ垂直なハイキックもすごい。
宮舘涼太
宮舘くんの動きの大きさ、体の柔らかさや動きのしなやかさと力強さ、高音の美しさ、すべてがCry outで活きている。ダンスに浮遊感(?)があるからか、地面からちょっと浮いているような気すらする。
他の曲でもよくあるけれど、1番の途中~サビで宮舘くんと佐久間くんを両端に配置するのわかりみが深い。「溶け合うほどCrazy time~」の高音と腰振りがセクシー。1番のサビ終わり、佐久間くんのラップ前の「Yeah…」での音ハメの宮舘くん、華麗すぎるし、その後「まだ知らないSights」からの動きも移動なのに全部目立つ~!
大サビ前の首を横に振るところも激しすぎて傷めないか心配になってしまうほど。そして大サビはジャケットがはだけて肩を出していらっしゃる。ラストの大回転も素晴らしい。THE・宮舘をこれでもかと見せつけてくれた約4分だった。
佐久間大介
ダンプラが出るたびに“他担狩り”と言われる佐久間くん、今回もすごかった。まず髪型がサクマイキーで気合いを感じるし、すべての振りが大きくて顔も一緒に踊っている。
サビ前のところの楽しそうなこと。サビの中のここのちょっと浮いているような気持ちよさもいい。自分のラップパートのジャンプの高いこと!からのターンからのしゃがみ、ダンス手数王である(?)。
2番サビ頭のジャンプはあべさくのシンクロ率がすごいし、その後のバッキバキの腹筋を見せながら舌ペロするところはギルティーすぎる。さらにロンダートでの移動そのものもすごいのだが、直前まで座っていたところからアクロバティックに立ち、ロンダート後はジャンプして回転していて、なぜそんな動きが可能なのか不思議だ。
間奏で顔を後ろに反らせるところでは一人だけ顔が見えなくなりそうなくらい反り、頭を振るところではフードを被る。大サビの空間を有効に使ったジャンプもすごい。本当にありがとうございました。