©野田サトル/集英社 ©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

<『ゴールデンカムイ』公開>玉木宏の魅力を思う存分浴びたい人におすすめする映画“5選”

©野田サトル/集英社 ©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

実写映画化の発表以来、大きな注目を集めてきた『ゴールデンカムイ』がいよいよ公開となった。予告編の段階からアクションシーンがふんだんに盛りこまれており、期待に胸を膨らませていたファンも多いのではないだろうか。

またキャスト解禁時、原作再現度の高さから話題を呼んだのが鶴見中尉役の玉木宏。特殊メイクを施した姿は言われなければ玉木と気づけず、その変貌ぶりには驚かされるばかり。今回はそんな玉木の魅力をさらに知ることができる、おすすめ5タイトルを紹介していきたい。

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1:『ミッドナイト イーグル』

■雪山が舞台のバディアクション

©ミッドナイトイーグル・パートナーズ

山岳ミリタリーサスペンス『ミッドナイト イーグル』は、玉木にとって数少ない現代アクション作品。高嶋哲夫の同名小説を防衛省協力のもと映画化し、大沢たかお・玉木・竹内結子・吉田栄作・大森南朋・藤竜也ら若手俳優からベテラン勢まで幅広いキャストが集まった。

主人公の西崎(大沢)は戦場カメラマンだった過去があり、戦地を離れた現在は山岳写真家として隠居。しかし謎の機体が北アルプスに墜落し、西崎を慕う山岳部時代の後輩で新聞記者の落合(玉木)の強引な誘いもあり、事件の渦中へ飛びこむことになる。

©ミッドナイトイーグル・パートナーズ

墜落機を狙う工作員集団と自衛隊が交戦する一方、西崎・落合が見せるバディ感も本作の魅力。とはいえ事件が事件だけに登場人物の多くが「決断」を迫られるシビアな展開が多く、内閣総理大臣・渡良瀬を演じる大御所・藤が西崎の息子に向けるセリフの「重み」はさすがと言うほかない。

なお本作は2007年公開の作品で、原作小説の刊行は2000年。ステルス機墜落に端を発したジョン・ウー監督の『ブロークン・アロー』やバディアクション『ザ・ロック』に通じる部分もあり、スケール(予算)の差はあるものの邦画にしてハリウッドアクション風味の物語を楽しんでみてはいかがだろう。

▶︎『ミッドナイト イーグル』を観る

2:『沈黙の艦隊』

■『ミッドナイト イーグル』コンビが激突!

©かわぐちかいじ/講談社 
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かわぐちかいじの同名マンガを原作に、『ハケンアニメ!』の吉野耕平監督が実写映画化。海上自衛隊の艦長・海江田四郎が最新鋭の原子力潜水艦を乗っ取り反乱を起こすサスペンスアクション大作に仕上がっており、海江田役の主演・大沢たかおがプロデュースを務めていることからも並々ならぬ意気込みが伝わってくるのではないか。

そんな反乱者・海江田を追うのが、玉木演じる海自ディーゼル艦「たつなみ」艦長の深町洋。海自の先輩・後輩関係である以上に、ふたりが対立する場面は潜水艦内という密室環境も加わり、息が詰まるような緊張感が観る者を包みこむ。

©かわぐちかいじ/講談社 
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米艦隊まで絡んだ怒涛のクライマックスは邦画の水準をワンランクアップさせるほどのスケールで、演技派同士の激突も含めて圧巻の一言。世界に目を向ければ『クリムゾン・タイド』や『ユリョン』など質の高い潜水艦映画が存在するが、ようやく日本も肩を並べられたとすら思える。

ちなみに本作は配給こそ東宝だが、製作はAmazonスタジオが担当。Amazon Originalドラマとして未公開シーンを加えた完全版に、その後のエピソードも描いた全8話構成の『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』が2月から配信されることも決まっている。

3:『この子は邪悪』

■物語を思わぬ方向へ運ぶ“怪演”に注目!

(C)2022「この子は邪悪」製作委員会

これほどまでに玉木宏という俳優の怪演が見られる作品は珍しいかもしれない。若手俳優の南沙良を主人公・花役に起用した本作は、交通事故によって大きく運命が変わった家族と花を襲う得体の知れない恐怖を描いたサスペンス作品。

玉木は花の父親で心療内科医・窪司朗を演じ、桜井ユキが事故により植物状態に陥るも回復して窪家に戻る妻・繭子に扮した。

本作の物語は、「戻ってきた母親が本物の母親ではないかもしれない」という花の違和感からぐにゃりと捩れ始める。一方周囲でも目が赤く廃人のような状態になる“奇病”が相次ぎ、花とその友人・純(大西流星)は繭子の件と何か関連があるのではないかと疑う。やがて奇病に司朗が関わっていると判明するも時すでに遅く……。

(C)2022「この子は邪悪」製作委員会

本作の片岡翔監督は『町田くんの世界』や『ノイズ』などの脚本を担当した一方、ミステリ小説「その殺人、本格ミステリに仕立てます。」を上梓した経験も。本格ミステリ小説まで手がける才人とあって、荒唐無稽な物語の矛盾点を指摘しようにも至るところに張られた伏線によって見事に跳ね返されてしまう。

また催眠療法を扱った作品だけに、画面を注視していると意図的な構図であるかのような何気ないカットも。実際に一度本編を鑑賞してからポスタービジュアルのひとつを確認すると、クライマックスを暗示する仕掛けが施されていることに気づく。

そして本編を改めて観ると序盤からほぼ「答え」が示されていたことに驚くはず。初見の人は真相を推理しつつ、タイトルの「この子」とは誰を指すのか予想しながら鑑賞してほしい。

▶︎『この子は邪悪』を観る

4:『極主夫道 ザ・シネマ』

■実写版“不死身の龍”ここに見参

(C)2022「極主夫道 ザ・シネマ」製作委員会

おおのこうすけの人気マンガ「極主夫道」を原作に、連続ドラマで玉木が史上最強の専業主夫・龍を演じたのは2020年のこと。「不死身の龍」と恐れられた元極道の男が主夫道に生きる姿がなんとも魅力的で、原作から抜け出したような強面・顔に傷・サングラス姿に柴犬キャラのエプロンをまとった玉木のビジュアルに驚いたファンも多かったのではないか。

極主夫道 ザ・シネマ』は2022年6月に公開されており、玉木を筆頭に川口春奈・志尊淳・MEGUMI・竹中直人らメインキャストが続投。また極悪地上げ屋・近藤役の吉田鋼太郎、地上げ屋に狙われる保育園の園長・白石役の安達祐実が新たに参戦し、ドラマ組と丁々発止のドタバタ劇を繰り広げることになった。

(C)2022「極主夫道 ザ・シネマ」製作委員会

ドラマ版から続投した瑠東東一郎監督は「おっさんずラブ」シリーズなどのコメディ作品でお馴染み。本作でも存分に、いやさすがに飛ばしすぎでは? というほどに瑠東節が炸裂しており、「空飛んでるじゃん」「もう演者が笑っちゃってるじゃん(野性爆弾・くっきー!が本領発揮)」とツッコミたくなるようなシーンも多い。

主演の玉木はさすがの座長ぶり。表情は至って硬派を貫き通しているのに、行動そのものでしっかり笑わせてくれるからずるい。クライマックスの総乱戦も爽快感があり、エンタメの魅力を存分に味わうことができる作品だ。

▶︎『極主夫道 ザ・シネマ』を観る

5:『ただ、君を愛してる』

■切なすぎる恋の行方は……

(C)2006「ただ、君を愛してる」製作委員会

いまでこそ『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉や『キングダム』の昌平君などこってりした役柄の目立つ玉木だが、宮﨑あおいと共演した2006年の『ただ、君を愛してる』で演じた瀬川誠人は純朴なキャラクターが魅力。

本作は「いま、会いにゆきます」で知られる市川拓司の「恋愛寫眞 もうひとつの物語」を原作にしており、玉木・宮﨑のほか小出恵介や青木崇高、黒木メイサらが名を連ねている。

誠人は自身が使用している塗り薬の匂い(実際には無臭)がコンプレックスとなり、人と距離を置いている大学生。ある日信号のない横断歩道で静流(宮﨑)と出会ったことがきっかけで彼女から好意を寄せられるが、鈍感な誠人はその想いに気づかない。一方静流も「ある重大な病」を患っており、誠人に恋をしたことで大きな変化を迎えていく。

本作は静流から誠人に向けられた恋心を瑞々しく描いているが、同時に静流の病が影を落とすため手放しに「爽やかな恋愛映画」と言い切るのは難しい。それでも静流に対する誠人の感情の変化や、宮﨑が見事に演じ分けた“子供”から“大人”へ成長する静流に誰もが共感できるはず。

映画冒頭は突然姿を消した静流を追ってアメリカに渡った誠人が描かれ、それから過去に遡るかたちで物語は進む。誠人を想いながらなぜ静流はいなくなったのか。静流が抱えている病とは。切なくも温かい終幕を見届けてほしい。

▶︎『ただ、君を愛してる』を観る

まとめ

(C)2016 映画「星籠の海」製作委員会

デビュー当時はなかなか役をもらえず、アルバイトで生計を立てていたという玉木もいまや誰もが認める売れっ子俳優。

紹介した5作以外にも『ウォーターボーイズ』や『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』など、サブから主役まで映画出演作は数多い。(“声”を堪能できる『マダガスカル』シリーズや『ブラックナイトパレード』もおすすめ)

得意のブラジリアン柔術を活かしたガチンコアクション映画もぜひ! という願望を抱きつつ、次に玉木の名がクレジットされる作品を楽しみに待ちたい。

(文:葦見川和哉)

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