久我美子

金曜映画ナビ

静けさの中に息づく家族——小津安二郎、晩年カラー四部作をめぐる旅

小津安二郎の映画は、大事件が起きない。けれど、気づけば胸の奥で何かがほどけ、静かな余韻が長く残る。畳目の高さに据えられたカメラ、画面の隅に置かれた急須や赤い小物、交わされる挨拶と言葉の反復——それらが積み重なって、家族の機微と時代の空気をそ...
金曜映画ナビ

没後二十年、野村芳太郎が射抜いた“社会”の影

野村芳太郎のサスペンスは、犯人当てよりも“人間の温度”で観客を動かす。取調室の沈黙、手術室の擦過音、東京湾の夜景、港に漂う潮気——そこに宿るのは、正義や善悪の単純な線引きではなく、制度と私情の隙間で軋む音だ。没後二十年、四本の初・中期作を辿...
金曜映画ナビ

金曜映画ナビ〈戦後80年 終戦記念特集〉第4週 沈黙が語ること——推理・青春・母子の物語で辿る戦後の真実

『ゼロの焦点』(1961)/『WINDS OF GOD』(1995)/『母と暮せば』(2015)戦争は、大音量でやって来て、小さく静かなものを奪っていく。残された者は、その「のち」をどう生きなおすのか。特集の掉尾を飾る三本は、推理、青春劇、...
俳優・映画人コラム

日本映画黄金時代を象徴する名女優・久我美子

■「キネマニア共和国」写真家『早田雄二』が撮影した銀幕のスターたちvol.48現在、昭和を代表する名カメラマン早田雄二氏(16~95)が撮り続けてきた銀幕スターたちの写真の数々が、本サイトに『特集 写真家・早田雄二』として掲載されています。...