真夜中のJudgmentで、恋は加速する——Shinnosuke×Reyuna、駆け引きのアッパーラブソング

INTERVIEW

今日の主役は、Shinnosukeの新曲『My Funny Bunny Nite』。
夜の街に似合う速度と、真夜中の“駆け引き”をまとった一曲だ。

「久々のソロ曲」だから、勢いを出したかった

Photo by T.Amari

——まず、リリースおめでとうございます。
今回このタイミングで『My Funny Bunny Nite』を出すことになった“初期衝動”って、どこにありました?

Shinnosukeは少し考えるようにして、でも迷いなく言う。

「ここ最近、ユニットに結構力を入れてやってたから、自分の曲がご無沙汰だったんだよね。去年の夏ぐらいから、それ以来になる。今回はちょっと力を入れて、かっこいい勢いのやつをやりたいなって」

この“勢い”という単語が、曲の体温をそのまま説明してしまう。
聴いた瞬間にわかる。
ノリがいい。
それでいて、うるさすぎない。
速度があるのに、余裕がある。
夜に似合うのは、こういうバランスだ。

Photo by T.Amari

「SOUL’d OUTっぽい」=解禁? その言い方、好きじゃない

ここで、あえて突っ込む。

——正直、聴いた瞬間に思ったんです。“SOUL’d OUTっぽい”って。これは狙い通り?

「狙い通りです」

即答。
でも次の言葉が、この人の美学を決定づける。

「でも、“解禁”とか、離れてたってわけではないんですよ。
言葉を選ばずに言うと、僕の中では“過去の栄光”みたいなところをわざわざ引っ張って、打ち出すのってちょっとやらしい感じがある。
今の僕、今までの自分のDNAが自然に滲んでるのを、そう取ってくれたら嬉しいってだけ」

“解禁じゃない。滲んだだけ”。
この一言で、曲の見え方が変わる。
過去を売らない。だけど、過去は消えない。
だから、今の体温で滲む

Photo by T.Amari

いちばん変えたのは「ドラム」。だから古くならない

——トラックメイクの話も聞きたいです。今回、音色の選び方やミックスでこだわったところは?

「ドラムの質感が一番違うかな。ヒップホップビートを使ってるから、レコードから抜き出したサンプルというか、DJが使うような音色なんですよ。今まで僕が出してきたのは、もうちょっとハウスだったり、高質な音色なので」

ドラムが変わると、空気が変わる。
そこにいつものシンセやギターを乗せても、同じ曲にはならない。

「ミックスの具合は、SOUL’d OUTでもやってた時の感じを自分でも思い出しながらやってた。“こういう音も好きだな”って」

“懐かしさ”の正体は、引用じゃなくて、質感の選択だ。
しかもそれが“今の耳”で鳴っているから、古びない。クラブのフロアではなく、夜の車内で映える低音とスピード——この曲の都会性は、ここから来ている。

ループにしない。Shinnosukeは“場面転換”を入れる

——ヒップホップの流れがありつつ、サビで一気にメロディアスに開く。構成がドラマティックですよね。これは狙って?

「今回に限ったことじゃないけど、常に“ちゃんと展開があるもの”が好きなんですよ。起承転結みたいな。Aメロで始まって、Bメロで一回落として、サビでボカン、みたいな雛形が好き」

ヒップホップの美学はループにある。
でもShinnosukeは、ループを“映画の一場面”として捉えている。

「僕はラッパーでもないし、絵を描いてたから、映像が浮かぶ、シーンが変わる感じを音楽でもやりたい。サウンドトラックも好きだし。だからメロディアスなところは絶対入れたかった」

ここがまさに、Shinnosukeの“署名”だ。
ビートの上で、映像が切り替わる。だから聴き手は、曲の中を歩ける。

Reyunaは“若いのに古い曲を聴いてる”。だから、会話が成立した

——今回、Reyunaさんを客演に迎えた理由と、どんな化学反応を期待したのか教えてください。

「HiiT FACTORYのプロデューサーがSOUL’d OUTのファンで、昔ツアーも見に来てくれてたんですって。そこから提供の縁があって。Reyunaの“ポールラップ”のテクニックがかっこいいなと思ってたから、いつかソロ名義で呼びたいなって」

制作は“任せる”と“設計する”の往復だったという。

「1番は僕が歌詞を書いて、デモを先に作って、仮のラップも入れて“ここでバトンタッチ”って伝えた。2番以降は本人に任せて、全部埋めてって」

それだけなら、よくある分業だ。
でも面白いのは、ここから。

「逆に2番以降の展開のところで、彼女が僕に“ここ歌って”って歌詞を書いてくれたりして。男女の絡みみたいな、そういうのをやってくるんだって嬉しさがあった」

さらにReyunaは、若いのに参照点が広い。

「古い曲好きで、80年代90年代のヒップホップも勉強して聴いてる。TLCのライブ行ったとか言ってて。話の共通項があるんですよね。若さゆえの無知がないというか、やりやすい」

若さ=新しさ、ではない。
むしろ“掘ってる若さ”が、曲の説得力になっている。
Shinnosukeの冷たいメロディと、Reyunaのアグレッシブなラップ。その対比が、曲に“駆け引き”の物語を生む。

Photo by T.Amari

タイトルは連想ゲーム。最後にバレンタインへ帰ってくる

——『My Funny Bunny Nite』というタイトル、可愛さと狂気が同居してます。込めた思いは?

「連想ゲームで作るんですよ。最初はタイトルのイメージもなく、ビート感と曲調から作った。で、別で昔の『My Funny Valentine』ってジャズのスタンダードがあって、そのワードがかっこいいなと思ってて」

その“かっこよさ”を口にするうちに、Bunny Niteへ変形していく。

「そのまんまは嫌だから、無理やり“Valentine”を“Nite”に変えて。最初は秋に出せたら、月見シーズンで“バニー”=ウサギでいいかなと思ってた。でも出せず寝かしてた」

寝かせた曲が、いまタイアップで動き出す。
しかも時期は2〜3月、バレンタインの季節。

「タイミング的にバレンタインに戻った。“全部がパズルみたいにハマった”感じ」

偶然みたいで、必然みたいな話。
タイトルが季節を呼び、季節が曲を引き寄せた。

この曲は、夜のドライブで“完成”する

最後に、いちばんシンプルな質問を投げる。

——どんなシチュエーションで聴いてほしいですか?

「疾走感があるので、夜のドライブが合うと思う。街を流すでもいいし、デートしに行くでもいい。家で一人で聴くのももちろんいいけど、速度というか、流れのある感じの方がいい気がする」

たしかに、この曲は“動いているとき”に輪郭が立つ。
街の灯りが後ろへ流れ、低音が足元を押し、ラップが会話みたいに迫ってくる。
真夜中のJudgmentは、止まっているときより、走っているときのほうがよく見える。

『My Funny Bunny Nite』は、そういう曲だ。

撮影協力:https://www.instagram.com/kitashinagawa_terabar_in_yo

楽曲紹介

  • 楽曲名:My Funny Bunny Nite
  • アーティスト:Shinnosuke feat. Reyuna(HiiT FACTORY)
  • タイアップ:読売テレビ系列「にけつッ!!」エンディングテーマ(2月・3月)
  • 配信開始:2026年2月14日(土)より順次配信
    Spotify/Apple Music/Amazon Music/YouTube Music etc
    https://lnk.to/Shinnosuke_myfunnybunnynite
  • Produced by:Shinnosuke
  • コンセプト:Eric B. & Rakim / Public EnemyのようなミドルスクールHip-Hopビートに乗せ、2人の駆け引きを“ファンタジー(オブラート)”で包んだ、大人のアッパーラブソング。
  • Reyuna/HiiT FACTORY:オケヒット、シンセ音色、ダンスビート、歪んだギターなど“90年代J-POP”を令和に蘇らせるプロジェクト。

プロフィール

Shinnosuke
ミュージシャン/作曲家/作詞家/編曲家/音楽プロデューサー。
SOUL’d OUTの元メンバーとしてTrackmaster兼キーボードを担当し、2003年にSony / SME Recordsからメジャーデビュー。
同年の1stアルバムは50万枚を突破、2007年には日本武道館公演も実現した。
グループ活動と並行して他アーティストへの楽曲提供や、テレビドラマ/アニメのBGM制作も行い、女性シンガーを起用した『S’capade』名義のソロプロジェクトも発表。
SOUL’d OUT再始動を経て2014年に解散。
2021年には配信限定のソロアルバム『NITE WAVES』をリリースしている。

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