『喜望峰の風に乗せて』ほか、音楽家・ヨハン・ヨハンソンの世界が堪能できる映画3選

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2018年2月に惜しくも急逝した音楽家、ヨハン・ヨハンソン。彼が遺した作品が続々と公開となり話題を呼び、彼の名が一躍知れ渡ったジェームズ・マーシュ監督の最新作『喜望峰の風に乗せて』の日本公開が控えている。

ヨハン・ヨハンソンは、アイスランドの「ポストクラシカル」と呼ばれるシーンの代表的な作曲家であり、映画ファンにとってはジェームズ・マーシュ監督の『博士と彼女のセオリー』でのゴールデン・グローブ賞<作曲賞>受賞、アカデミー賞®<作曲賞>初ノミネート、そして『プリズナーズ』『ボーダーライン』『メッセージ』でのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督との数々のコラボレーションにより生み出されたスコアと世界観に触れ、その名を知る人も多いのではないだろうか。

『喜望峰の風に乗せて』
(2019 年 1/11(金)TOHO シネマズ シャンテ他全国ロードショー)

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1968年、アマチュアセーラーでビジネスマンだったイギリス人ドナルド・クローハースト(コリン・ファース)が、“単独無寄港世界一ヨットレース”に挑んだ実話をもとにした人間ドラマ。人気と実力を誇るコリン・ファースが、「彼の中に自分自身を見た」とまで入れ込んだ実在の人物に挑む。メガホンをとるのは『博士と彼女のセオリー』のジェームズ・マーシュ。『ナイロビの蜂』でオスカーを獲得したレイチェル・ワイズが主人公の妻を演じ、物語に深い余韻を与えている。ヒーローを待望するメディアの狂騒、町の人々の期待、彼らに翻弄されながら夢にかける男の葛藤、夫を信じて待ち続ける妻── 成功した冒険譚ではなく、強く正しいだけでは語ることのできない人間性をみつめ、それぞれの真実に心を震わされる。小さなヨットの上で孤独と厳しい現実に直面し葛藤するドナルドに寄り添ったスコアに胸を打たれる。

『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』
(新宿シネマカリテほか全国公開中)

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カンヌ、サンダンスを始め世界の映画祭で≪衝撃≫を与えたニコラス・ケイジの最新作。過去のある 男レッド(ニコラス・ケイジ)は、愛する女性マンディ(アンドレア・ライズブロー)と人里離れた場所で 静かに暮していた。しかし、マンディに固執する狂気のカルト集団によって、彼女は目の前で惨殺される。怒り狂ったレッドは、死神の名を持つクロスボウなどオリジナルの武器を携え復讐に走る。しかし彼の前には得体のしれない姿をしたバイク集団が立ちはだかる―バイオレンス描写たっぷりに描いたリベンジスリラー。監督は『ランボー/怒りの脱出』『コブラ』などで知られた故ジョルジ・パン・コスマトスの息子パノス・コスマトス。チェーンソーの轟音と共に鳴り響くヨハンソンの楽曲にもご注目。

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』
(角川シネマ有楽町ほか大ヒット全国公開中)

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アメリカとメキシコの国境地帯を舞台に、あらゆるルールもモラルも通用しない麻薬戦争の恐るべき現実をえぐり出し世界中を驚嘆させた『ボーダーライン』が、衝撃的な世界観と臨場感はそのままに新章へと突入―。前作に引き続き名優ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ ブローリンが豪華競演。互いを信頼し合って生きてきた二人がどのような決断を下すのか。 息つく間もなく撃ち込まれる銃弾の応酬、破格のスケールアップで激化する国境麻薬戦争の実態を捉え、エモーショナルな進化を遂げた。

本作の音楽を手がけたヒドゥル・グドナドッティルはヨハン・ヨハンソンと同じ múm(ムーム)というグループのメンバーでもあり、ヨハンソンの 弟子として『ボーダーライン』や『メッセージ』などの映画音楽に参加。前作を引き継ぎながらもエモーショナルかつメロディアス新たな側面を見事に体現。前作の楽曲も使用され、本作はヨハン・ヨハンソンへ捧げる、とエンドクレジットに流れるほどに彼の存在が脈々と受け継がれている。

日本公開『LION/ライオン ~25年目のただいま~』で知られるガース・デイヴィス監督、ルーニー・マーラ主演の『MaryMagdalene (原題)』が遺作となり日本公開は未定だが、死してもなお存在感を発揮し続けるヨハン・ヨハンソンという稀有な才能にタイムリーに 触れられるチャンスだ。

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