中村義洋監督「Meet The Filmmaker」を新米ライター・ナオがイベントレポート
海外のアップルストアで開催されている「Meet The Filmmaker」は、これまでにメリル・ストリープ、トム・ハンクス、ジェームス・キャメロン監督…など世界的に著名な俳優や監督が続々登場。日本でも山田洋次監督や岩井俊二監督などをゲストに迎え開催されてきました。
今回モデレーターとして登壇されたのは、中村監督と親交のある、映画評論家・ライターの森直人さん。お二人の出会いは今から15年ほど前、中村監督の劇場デビュー作となった映画『ローカルニュース』がきっかけ。森さんが「今考えると、(ローカルニュースは)自分自身が持つ甘えを浮き彫りにされた作品で、近親憎悪に近い感覚でけなしてまった」と当時を振り返ると、「本当に愕然とした。森直人、一生忘れないと思った(笑)」と中村監督にとっても印象的な出会いだったそうです。
これまで多くの“原作モノ”を手がけられている中村監督を“原作を読み解く力に長けている”と評する森さんが、最も絶賛している作品が『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007)。中村監督にとっても「ありのままの自分が詰まった原作だったので、全てを捧げる気合だった」と強い思い入れを語られ「自分が本当に面白いと感じた作品しかオファーは受けない」と熱く語っていらっしゃいました。
イベント終盤、いよいよ話は中村監督の最新作『白ゆき姫殺人事件』に。
“中村監督の映画術の総合カタログ”と森さんが語る本作は、原作は「告白」でおなじみの湊かなえさんの同名小説。その物語の映画への落としこみを「パズルのピースを合わせる作業に近かった」とこだわりを語られた中村監督ですが、キャストへの演出については「僕は、お芝居について演出しない」という意外なお話が。
現場での演出よりも「キャスティング」に時間をかけるのが中村監督の流儀という事で、本作では“これまでやった事がないような役をやらせてみたい”という観点で、それぞれの役をキャスティングされたそうです。
なかでも今回が映画初出演となる菜々緒さんについては、オーディションの際「この役をやらせていただく菜々緒ですが…」と名乗られたのを見て、その堂々とした度胸を中村監督も絶賛!キャスティングを決定した、という裏話も。
最後に中村監督から「今は“元気を与える”といった優しいメッセージは置いて、とにかく“面白いものを作ろう”という気持ちで作品に取り組んでいる。その中で『白ゆき姫殺人事件』は本当に面白い作品となりました!ぜひTwitterやSNSサイトで、大いに広めてください(笑)」と最新作に込めた思いをいただき、多くの拍手の中イベントは終了となりました。
本イベントは後日iTunesにて配信予定、当日残念ながら直接お話しを聞けなかった皆さまもお楽しみに♪
過去の「Meet The Filmmaker」も視聴可能ですので、ぜひお気に入りの監督や役者さんを探してみてください~。
→「山田洋次監督Meet the Filmmaker」
→「石井裕也 x 松田龍平: Meet the Filmmaker」
いよいよ公開直前、映画『白ゆき姫殺人事件』は3月29日(土)公開!
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