富男の雰囲気が大谷亮平の魅力そのもの──映画『ゼニガタ』綾部真弥監督インタビュー独占公開

2018年5月26日(土)公開の映画『ゼニガタ』から、綾部真弥監督のインタビューが到着。また、初出しの場面写真も独占公開する。

本作は、表向きは居酒屋経営者、しかし裏では10日で3割の超暴利で金を貸しつけ苛烈な取り立てで債務者を追い込む闇金屋・銭形富男を主人公に、金と欲望に翻弄される人々の転落を描く物語。

客はパンチ一発1万円で用心棒を請け負う元ボクサー、地方でくすぶるキャバクラ嬢や半グレ、ヤクザなど、銭の魔力に取り付かれたアウトローな連中たち。返せるあてのない借金を抱え、最後の手段として居酒屋「銭形」を訪れた人々の運命を描く“闇金”ピカレスク・ムービー。

メガホンをとったのは、映画『みんな!エスパーだよ!』(2015)や『リアル鬼ごっこ』(2015)、『新宿スワンII』(2017)など日本映画界を代表する鬼才・園子温作品の助監督として活躍。監督として来春1月より放送のドラマ『人狼ゲーム ロストエデン』や映画 『人狼ゲーム インフェルノ』(2018年4月7日公開)が控える綾部真弥監督。

今回、シネマズby松竹独占で、綾部監督のインタビューを公開する。

──いわゆるジャンルムービーだと思いますが、監督をするにあたっては、どういうことに気をつけようと思いましたか?

闇金を扱ってはいますが、基本的に人間ドラマを目指そうと思いました。大谷亮平さんと小林且弥さんという兄弟がまずいて、俗世間とは金の貸し借り以外で関わってはいない。でも、その裏には父親の影響もあるような、そういう関係をしっかり描くと映画として面白くなると思いました。

──大谷さん演じる主人公の銭形富男の人物像は、どのように作り上げましたか?

喜怒哀楽が見えにくい主人公で、いつも同じ調子です。誰に対しても、わけ隔てなく接している。職業柄、いろいろな人間を見ているので、現代人の心の闇や、不充足な部分を気づいている人ですね。でも撮影をしているうちに大谷さんとお互いに気付いたことは、一番深い闇を抱えている人間こそ富男だということでした。苦しかったり、孤独だったり、自分の生き方を迷っていたり、彼も債務者たちと同じようなひとりの人間なのだと。

──確かに冷酷ではありますが、マシーンでもないですよね。

そうですね。一見すると「はい5万円返せ」と、まるで機械的で非情な部分はあるけれども、でもよくよく見ていると、人間味を感じもする。普段はわりと険しい目つきの表情ですが、それだけではないようにしようと、話し合いはしました。大谷さんご自身が優しい方なので、その雰囲気をなるべく消しながら、実は悪い奴じゃないんじゃないかっていうところは意識しました。

──大谷さんの魅力とは、どういうところでしょうか?

それこそ富男じゃないですが、表情などに内面がにじみ出ていくところが大谷さんの魅力だなと思います。富男は、ちょっと自己顕示欲があるキャラクターなので、カッコつけているのかと思いつつも、この人悪くないなと感じさせる雰囲気が、まさしく大谷さんの魅力そのものです。

これを本当に非情な人間が演じてしまうとひどい奴になって、もっとひどい人間にも描こうとすれば描けましたが、大谷さんの魅力を出したほうがいいと最終的に思いました。

──まさしくアンチヒーローですよね。一度見るとトリコになってしまう。

ちょっと大谷さんというか、富男というキャラクターに怒られたいじゃないけれど、そういう願望が出てくるのかなと(笑)。ある種、異常な関係性かもしれないですが、みんな彼の居酒屋に来たい、叱られたいということがあると思います。

時代が作ったアンチヒーローじゃないけれど、ブレない人が現実には少ないので、彼に会いたくなっちゃうことなのかなと。

──キャバ嬢役の佐津川愛美さんのシーンでは、「なぜウチに返しにくるんだ」「楽しいから」というくだりもありました。

佐津川さんのキャラクターは、まさしくそうですね。一方の安達祐実さんは唯一、まともに光のほうへ行く。まともな汗を流して返済しようというタイプが安達さん演じる女性だと思いますが、それに対して佐津川さんのほうは間違った方向の汗のかきかたをするという。彼女は彼女なりに汗をかいて、自分の意思で行っているのでしょうけれど、そうなると案外、人生には怖いものがなくなってしまう。彼女の姿を観ていて、そう思いました。

でも、最後の最後で……なんですよね。富男の影響が最後の最後に出てくることはあるかもしれないです。あまり詳しく言えませんが(笑)。

──また、作品の中に個人の想いを投影していることはありますか?

映画業界の人間はいつもお金に困ってはいるということはありますが(笑)、もちろん今までにないエンタメ作品、闇金映画を作ろうという野心はありました。

個人のことで言うと、全編静岡県の沼津市で撮影していまして、実は僕の生まれが三島で隣なんです。早いうちに母子家庭になって母親と東京で暮らしていましたが、時々三島に帰って遊んでいました。魚が美味しいのでたまに沼津にも飯を食いに行ったり、親父を2年前に亡くしているのですが、親父との思い出も沼津にあったんです。この映画の父子関係を描く上で、直接的ではないにせよ影響していたかもしれない。

あとは、どこで撮影するかって話をプロデューサとしていて、設定的には茨城とか静岡のような海沿いの地方都市を考えていました。、何者かになりたくて、東京に頑張れば出て来れるけれども、そこまでの野心がない人たちがいるところがいいと。いつまでも地元でくすぶっているが、ドンと腰を据え頑張っていく気概もない人たちがいそうという意味で、よく知っている地元になったところもあります(笑)。

──鳴かず飛ばずな人たちが、でもないんですよね(笑)。頑張ろうとすれば頑張れるが、それほど頑張っていない人たちに焦点を当てていて、めずらしい作品だなと思いました。 

かもしれないですね(笑)。とりあえず東京にいても何をするわけでもなく、いつでも帰れたりもする。実はそういう人たちって、現実と人生が直面していて、自分がそこまでの人間にはもうなれないと、なんとなくわかってしまっている。そういう人多い気がしますね。そこの憤りみたいなものや不充足な感じは、登場人物の姿を観ていて、感じるとは思います。

──最後に映画『ゼニガタ』を観る人たちへメッセージをお願いします。

個人的に、ちょうど親父を亡くしたことと、父子関係が見えにくい本作とが重なって、とても思い入れがある作品になりました。監督としても、アウトローが苦手な人たちでも楽しめるものが作りたい、というチャレンジがありました。

お金という魔物から人は逃れられない生き物ですが、その〝お金〟そのものが見えにくい世の中になってきています。その見えざる欲望や孤独といったものと対峙する登場人物たちのドラマを楽しんで観て頂きたいです。

ジャンルムービーでありながら、その人たちの満たされない思いが爆発していて、いわゆる闇金映画だと思ったら、もっと面白いものが出てきたと感じてもらえたら、うれしく思います。

出演:大谷 亮平
小林 且弥 佐津川愛美 田中 俊介 玉城 裕規
岩谷 健司 松浦 祐也 八木アリサ えんどぅ 土田 拓海 吉原 雅斗
安達 祐実  升 毅  渋川 清彦
監督:綾部真弥/脚本:永森裕二
配給:AMGエンタテインメント、スターキャット/制作プロダクション:メディアンド

『ゼニガタ』あらすじ

その居酒屋は、深夜0時から金貸しになる。

錆びついた漁船が停泊するひなびた漁港。路地裏の一角でひっそり営む居酒屋「銭形」。店主は銭形兄弟の富男(大谷亮平)と静香(小林且弥)。表向きは居酒屋だが、深夜0時から闇金「ゼニガタ」に変わる。トサン(10日で3割)という違法な高金利で金を貸し苛烈な取立てで債務者を追い込むのが銭形兄弟のスタイル。ある日、ボクサー崩れの男・八雲(田中俊介)が「銭形」に入れてくれと申し出てきて…。

■『ゼニガタ』初日舞台あいさつ開催についてはこちらから

(C) 2018「ゼニガタ」製作委員会 公式HP:http://zenigata-movie.com/

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