新作が目白押しの若手たち:イケメン俳優編

Photo credit: blondinrikard via Visualhunt / CC BY

「この映画が観たい!」と決める基準は人それぞれの中にあると思う。例えば、ストーリーが気になるから。好きなジャンルだから。監督の演出が好きだから。もちろん、「話題作だし観てみよう」という単純な理由だって構わないはずだ。ならば同じように、「“推し”の役者が出ているから」なんて見方も映画の楽しみ方の1つに違いない。

男優・女優問わず、いつの時代も“憧れのスター”はスクリーンの中にいる。「推しに会えるのはいつも映画館」と、そんなドラマチックなイメージを胸に秘めながら座席に座っている映画ファンも案外多かったりするのではないだろうか。

そこで今回は男優編と女優編の2回に分けて、なおかつ筆者が完全に独断で選んだ若手イケメン俳優と若手人気女優を5人ずつ新作映画と合わせて紹介していこう。本当なら際限なく列挙していきたいところはあるけれど、もしも「私・俺の推しがいない!」と怒りを覚える人がいたら先に謝っておこうと思う。申し訳ない。

福士蒼汰

©2018「曇天に笑う」製作委員会

『曇天に笑う』より

現在24歳の福士は身長183cmというスラリとした体躯にすっきりとした顔立ちで、なるほどこんな甘いマスクの男子がいたら(あと声も良い)さぞかし学校の人気者だったのではないかと容易に想像がつく。実際、福士は「仮面ライダーフォーゼ」の主演に抜擢されて大ブレイクして以降、『好きっていいなよ。』の主演から1年も経たずに『ストロボ・エッジ』にも主演。少女マンガ原作ということでヒロインとともに“胸キュン”ストーリーを盛り上げている。

ちなみにその間には三池崇史監督の『神様の言うとおり』にも主演するなどしており、短期間の間に相次いで漫画原作の高校生役(当然のごとくモテる)を演じることになった。そんなこともあって、いつの間にか「漫画・少女マンガ原作映画の主役は福士蒼汰ばかり」などという声が上がることもあったのだが、フィルモグラフィを見てみると合間合間に『図書館戦争』シリーズや『イン・ザ・ヒーロー』といった作品にコンスタントに出演していることが分かる。

2016年には「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」に主演し、ベストセラー小説の主人公を瑞々しく演じて観客の涙腺を刺激する好演を見せた。2017年には木村拓哉と一騎打ちを見せた『無限の住人』、明るさの中に秘密を抱える“ヤマモト”を演じた『ちょっと今から仕事やめてくる』、豪華ライダーの共演となった『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』という、毛色が全く違う3本の映画に出演を果たしている。

これだけでも十分「働きすぎ」と言えそうなものだが、2018年の福士蒼汰はもっと凄い。まずは3月21日には主演作品で本広克行監督の『曇天に笑う』、5月4日には東野圭吾原作・三池崇史監督の『ラプラスの魔女』、7月20日には主人公・黒崎一護を演じた佐藤信介監督の『BLEACH』、さらに10月26日には三木康一郎監督とタッグを組んだ有川浩原作の『旅猫リポート』が公開と、その勢いは衰えるどころかますます加速しているのだから驚かされる。

マンガだけにとどまらず小説原作モノも手堅く役をこなす福士は、今や“若手俳優”というラベルを脱ぎ捨て、役者として次のステージに立っているのかもしれない。

山﨑賢人

一週間フレンズ。山﨑賢人

(C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会

『一週間フレンズ。』より

福士蒼汰と同じく、山﨑賢人も少女マンガ原作の“王子”を立て続けに演じた人気若手俳優の1人。筆者が山﨑を知ったのは2012年のホラー映画で綾辻行人原作の『Another アナザー』だった。山﨑の名を知るには少しばかり遅くなってしまったのだが、それでも学生服に身を包みどこか気怠げな表情をたたえた山﨑の雰囲気は、同じく主演の橋本愛とはまた違った魅力を放っていたのも印象深い。

とは言え、福士が爽やか系イケメン王子役だとすれば山﨑はどちらかと言うと俺様系王子役がピッタリ当てはまる俳優だと個人的には思っている。例えば剛力彩芽を相手に繰り出す“壁ドン”が話題を呼んだ『L・DK』や、二階堂ふみに対して凶悪な命令を連発した『オオカミ少女と黒王子』と、ツンデレ男子ぶりがなかなか様になっていた。もちろんそれだけに留まらず、『ヒロイン失格』や『orange オレンジ』といった、モテるけれどどこかで影を背負ったような佇まいも見せている。

2017年には『一週間フレンズ。』や『氷菓』など5本の作品に出演。中でも『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』と『斉木楠雄のΨ難』ではそれぞれ主役を演じており、立て続けに「週刊少年ジャンプ」の有名タイトルで主演を務めたことになる。人気マンガほど実写化においてノイジーな意見が出てしまうのは仕方ないにしても、それだけのプレッシャーを跳ね除けて堂々とした演技を見せるのも大した度胸ではないだろうか(むしろ楽しんで役を演じているようにも見える)。

そんな山﨑だが、2018年の最新作として6月8日に『羊と鋼の森』の公開が待機中。同作は「第13回本屋大賞」を受賞した宮下奈都の同名小説が原作になっており、『orange オレンジ』の橋本光二郎と再タッグ。調律師を目指して1人の人間として成長していく主人公・外村直樹を演じており、三浦友和、鈴木亮平、上白石萌音・萌歌姉妹らとの共演を果たした。

菅田将暉

(C)2017 フジテレビジョン ポニーキャニオン AOI Pro. (C)古屋兎丸/集英社

『帝一の國』より

最近、山﨑との仲良しぶりが度々話題になるのが菅田将暉。山﨑が主演を務めるドラマ『トドメの接吻』にも出演している菅田の近年の活躍ぶりは、映画にドラマにCMにと枚挙に暇がない。菅田も福士と同じく“仮面ライダー俳優”であり、2009年の「仮面ライダーW」でフィリップを演じて桐山漣とともに主演を飾っている。以降はメジャー作品から文芸作品まで振り幅の広い役柄を演じており、能年玲奈(現・のん)と共演した2014年12月公開の映画『海月姫』では女装姿も披露。

2015・2016年には『暗殺教室』シリーズに出演する一方で、『ピース オブ ケイク』や『二重生活』といった“単なるイケメン俳優”ではくくりきれない作品にも出演しており、2016年の出演作品は1月公開の『ピンクとグレー』から11月公開の主演映画『溺れるナイフ』に至るまで、なんと9本にも及ぶ。

福士が爽やか系王子、山﨑が俺様系王子だとすれば、菅田はクラスに1人はいそうなヤンチャ系王子といったところか。もちろん不良のイメージではなくクラスのムードメーカー的な存在だ。その雰囲気を絶妙に“悪用”したのが、イケメンぶりを封印して個性で押し切った『帝一の國』ではないだろうか。

2017年4月に公開された同作は古屋兎丸の人気マンガを原作にして、菅田は主人公・赤場帝一を熱演。物語を司るキーパーソンでありながら、憎みたくても憎みきれないコメディリリーフの役割も果たしており、映画を牽引するに十分な魅力を発していた。そのコメディアンセンスは福田雄一監督の『銀魂』で新八役としても発揮されているので、主演でも助演でもその存在感は確実に大きいものだと言える。

2017年はほかにも寺山修司原作の『あゝ、荒野』前編・後編、主人公の声を演じたアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』、又吉直樹の芥川賞受賞作の映画化『火花』など、やはりジャンルを股にかけた活躍を展開。2018年には少女漫画を映画化した『となりの怪物くん』に土屋太鳳とW主演を果たしており、『君の膵臓を食べたい』を成功に導いた月川翔監督とタッグを組んでいる。

菅田は同作で超がつくほどの問題児で“怪物”と呼ばれている春を演じており、土屋扮する雫を勝手に“初めての友達”認定するなどの暴走を見せる。また、芥川賞作家・本谷有希子の小説を映画化した『生きてるだけで、愛』が秋に公開。『銀魂』も2017年の公開からわずか1年で続編が誕生するが、こちらは今のところ小栗旬と佐藤二朗しかキャスト発表はなし。何をしでかすか分からない福田チームだけに、菅田新八の再登場はすんなりいかない?

竹内涼真

帝一の國~学生街の喫茶店~ 大鷹弾 竹内涼真

(C)2017 フジテレビジョン ポニーキャニオン AOI Pro. (C)古屋兎丸/集英社

『帝一の國』より

『帝一の國』で帝一の良きライバルだった大鷹弾を演じた竹内涼真も、福士・菅田と同じくライダー俳優のひとり。2014年に『仮面ライダードライブ』で主演を務めた竹内だが、2017年にはNHK連続ドラマ小説『ひよっこ』と『過保護のカホコ』で立て続けに好青年を演じて大ブレイクを果たしたのも記憶に新しい。それまでにもドラマ『THE LAST COP』や映画『青空エール』などで印象が異なるイケメンぶりを披露しているのだが、学生時代に本格的にサッカーを学んでいこともあってかイメージ的にはスポーツ系王子の印象がしっくりくる。

前述の『青空エール』では怪我で挫折を経験する高校球児・山田大介を熱く演じ、土屋太鳳演じるクラスメイト・小野つばさの精神的な支えとなった。『帝一の國』では貧しいながらも文武両道を地でいき、人望も厚く絵に描いたような好青年キャラだったが、両作ともに共通して根底にあるのは“不屈の心”だ。前者では怪我に苦しみながらもつばさからのエールを頼りに立ち上がり、後者は貧しさを決して理由にすることなく若くして自らの力で人生を築き上げていく力を見せた。

そんな“不屈の心”が生かされたのが、2017年10月期のドラマ『陸王』だった。“諦めることを知らない人間ドラマ”に定評のある池井戸潤の原作とあって、もともと竹内のキャラクターそのものと相性が良い。実際に竹内は池井戸作品のドラマ『下町ロケット』で技術者を演じているが、『陸王』で鍵を握ることになる実業団ランナー・茂木裕人はまさにこの上ないハマり役だっただろう。

第1話ではマラソン大会でゴール直前に棄権となる不遇に見舞われたが、以降は再建を目指す足袋製造会社の「こはぜ屋」と信頼関係を結んで再びレースに立ち向かう茂木を熱演。涙を浮かべて悔しさを滲ませる茂木=竹内の姿に多くの視聴者が胸を打たれたはずだ。

そんな竹内だが今年は一転して“先生”役に挑む。映画化もされた『ヒロイン失格』の幸田もも子による少女マンガを原作とした『センセイ君主』で、竹内はクラスの女子生徒・あゆはから猛烈なアプローチを受ける教師・弘光由貴を演じる。原作では冷静沈着、あゆはのアプローチを疎ましく思うようすが描かれているが、竹内が演じることでどんな弘光先生が描かれることになるのか注目したい。

高杉真宙

(C)2018「プリンシパル」製作委員会

『プリンシパル 恋する私はヒロインですか?』より

仮面ライダーくくりで選んだわけでは決してないが、高杉真宙も『仮面ライダー鎧武』で仮面ライダー龍玄に変身する呉島光実役を演じた実績を持つ俳優。涼しげな顔立ちとは裏腹に二面性を持つ仮面ライダーに扮した高杉だが、特に2017年には映画界において目覚ましい活躍を遂げている。

柔和な印象が強い高杉が一転して金髪の不良高校生・大神平助役を演じた『PとJK』は、それまでのイメージを覆す役柄。つっけんどんな態度を見せつつも、自身を親身に心配する警察官・左野賀功太と目には見えない精神的な繋がりを見せるという繊細な演技で、主人公たちに引けを取らない存在感を放っていた。

また、9月に公開された『トリガール!』では人力飛行機サークルの部長・圭先輩役で持ち前のキラースマイルを発揮。主人公・鳥山ゆきなをサークルに引き込んだだけでなくロードバイク購入まで口説き落とすなど、無自覚なのか確信犯なのかゆきなを翻弄し続けた。結局テスト飛行中に負った怪我のためコンテストへの出場は叶わなかった圭先輩だが、本番当日は拡声器を使って狂犬こと坂場とゆきなのコンビをサポート。もはやコントの領域にまで達した壮大なシークエンスで土屋太鳳・間宮祥太朗と演技合戦を繰り広げている。

そんな高杉は2018年の劇場作品として、公開されたばかりの『プリンシパル 恋する私はヒロインですか?』のほかに、『世界で一番長い写真』『虹色デイズ』『ギャングース』の3本で主演を務める。『世界で一番長い写真』は誉田哲也の小説を原作にして、故・山本新一が開発した実在する360度撮影のパノラマカメラをモデルに描いた物語。見渡す限りのひまわり畑で有名な愛知県知多半島でオールロケを行なっていることから、パノラマ撮影で映し出される壮大なビジュアルにも期待が持てそう。

『虹色デイズ』は水野美波のマーガレットコミックスが原作で、佐野玲於・中川大志・横浜流星と共演。“お騒がせ男子高校生”4人の友情と恋を描いた青春物語で、高杉を含めた4人のイケメン衆がどれほど青くさくも瑞々しい日常風景を見せてくれるのか楽しみなところ。最後に紹介する『ギャングース』は、肥谷圭介と鈴木大介のマンガを原作に『ビジランテ』の入江悠監督が映画化。社会の底で生きる3人の若者サイケ・カズキ・タケオの生き様を描くもので、高杉はこれまたイメージを一変させるビジュアルでサイケ役に挑戦。自身の人生とはかけ離れた世界に生きるサイケたちに驚き悩みながら演技に向かった高杉が、新たな一面を見せてくれそうだ。

筆者としてはまだまだ紹介したい若手男優は山ほどいるが、ひとまずこの辺りで。次回は若手人気女優5人をピックアップするので、どんな顔ぶれが紹介されるのかお楽しみに。

(文:葦見川和哉)

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