「ぶっ飛び」すぎ? 大ヒットゲームを映画化した『アングリーバード』の爽快感を楽しむ!

アングリーバード

みなさん、こんにちは。昨年10月に劇場公開された『アングリーバード』が早くもソフトリリースとなりました。本作は世界的に大ヒットしたモバイルゲームをソニーピクチャーズが長編アニメ映画化。近年はアメコミを筆頭に漫画や小説からの映画化が相次ぎましたが、今度はアプリケーションゲームの映画化、というわけです。ハリウッドのオリジナル企画の枯渇の現状が窺えますが、そこはひとまず置いておいて。実はこの作品、製作を『怪盗グルーの月泥棒』を手掛けたジョン・コーエンが担当しているだけあって、思いのほかソリッドなコメディアニメ映画に仕上がっていたのです。その魅力とは。
今回の「映画音楽の世界」では、そんな『アングリーバード』を紹介したいと思います。酉年だけに!

しっかりキャラ紹介を描いて、からの大爆発!

本作は、飛べない鳥たちの楽園バードアイランドに住む、太い眉に吊り目、真っ赤な体で見た目からしてインパクトがある怒りんぼうの鳥、レッドが主人公。その性格ゆえに島ではのけ者扱い。感情をコントロールするためのセラピーでも悪態を吐く始末のレッドには当然、友達もいません。

映画の前半は、この主人公レッドというキャラクターの紹介という流れ。その性格は観ているこちらも「なんていうキャラだ」と共感もできないほどなのです。このレッド、「怒りんぼう」という設定のためか吹き替え声優にタレントの坂上忍を起用しています。(良いのか悪いのか)この人選が功を奏して吹き替えにタレントを起用すると批判が多いこのご時世になかなかのハマり役なので声の演技にも注目しましょう。

グループセラピーに通うおしゃべり好きのチャックや、見かけによらず小心者で驚くと爆発してしまうしボムと行動を共にするようになるも、やはりレッドの性格は相も変わらず。しかしそんなレッドも、ついに心境の変化を迎える時がやって来ます。

バードアイランドにブタのキングピッグ一味が島に上陸。平和を語り島の鳥たちに取り入ろうとする一味の、その本当の目的にひとり気付いたレッドは危険を察知して周囲に伝えようとするも、誰も耳を貸そうとしない。しかしついにキングピッグ一味がその本性を現し……。

本作の魅力はまさにこの後半部分に濃縮されています。「正義」の本当の意味に気付いたレッドが仲間と共に立ち上がる姿はレッドの精神的な成長を意味し、殻を破ったレッドは、一世一代の大勝負へ打って出ます。そもそも、アングリーバードはスリングショット(日本でいうゴムパチンコ)で敵であるブタを倒すゲームが原作。

映画はここでゲーム特有だったプレイの醍醐味を映像とストーリーに転換。ここから一気にテンションが加速します。もはや加速しすぎてその爽快感はマイケル・ベイ監督作品を観ているかのよう(真面目に書いてます)。むしろ、あの作品やこの作品など、マイケル・ベイ監督作品をリスペクトしているんじゃないだろうかと思わせるような描写のアクションが満載!

バードアイランドの鳥たちは「飛べない鳥」という設定のキャラたちなので、スリングショットによる飛翔感はアングルも手伝って「派手に行こうぜ!」と応援したくなるような臨場感。おそらくゲームをプレイしたことがある方ならようやくこのゲームが長編アニメーションとして映画化された意味が納得できるのではないでしょうか。

そして、ひとりぼっちだったレッドが大切なことに気付き、仲間とともに大事なものを守ろうと奮闘する姿にも胸を打たれるはず。もちろん、スリングショットで敵の領地に突入してからも勢いは(声をあげて笑うような遊び心も含めて)止まらず、それどころかさらにスピードを増して突っ走っていきますので、そちらはぜひ鑑賞して確認していただくということで。

軽妙に。そして熱く。アニメ映画の名手が手掛けた音楽

音楽を担当したのは、ハンス・ジマーの楽曲などでも活躍するギター奏者のヘイター・ペレイラ。ギター奏者と言ってもペレイラは怪盗グルーシリーズや『ミニオンズ』、『スマーフ』などアニメーション作品や『イフ・アイ・ステイ』などで劇伴も手掛ける人気の作曲家です。

本作の音楽は、ギタリストの持ち味を活かしてアコースティックギターやエレキギターを使い分けて軽妙なリズムを刻む音楽と、レッドが正義に目覚めてからのヒロイックなテーマがバランスよく采配された作りになっています。特にレッドたちが大活躍を見せる場面は高揚感を煽るはっきりとしたメロディで、ペレイラの作品群でも随一のヒーロー映画音楽の王道を行く出来といえます。レッドの普段のテーマ曲自体は牧歌的アウトローな印象でありながら、同じメロディーを使いレッドを音楽面からヒーローに仕立てているのがまさに職人芸。子どもの耳にもわかりやすく馴染む音楽であり、弦楽器以外にもさまざまな工夫が用いられた曲の数々で、お勧めの作品です。

ちなみに、サウンドトラックはスコア盤とコンピレーション盤が発売されていて、コンピレーション盤にはイマジン・ドラゴンズ、リンキンパークのスティーヴ・アオキ、リンプ・ビズキットなど豪華な顔ぶれが楽曲を提供しているのでそちらも要チェック。

まとめ

話題作ながら上映館数が少なかったのが惜しかった本作。けれど、正真正銘のファミリームービーでありアドベンチャー好きならば堪能できる一本です。ド派手なアクションあり、爽快感あり、押しつけがましくない、でもメッセージ性なんかもあり。誰もが楽しめる娯楽作品なのです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

(文:葦見川和哉)

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