『アシュラ』笑顔で迫る下半身ハダカの市長VS、コップを喰う悪徳刑事!

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そのタイトル通り、『阿修羅』と化した男達の壮絶な戦いが展開する、話題の韓国映画『アシュラ』。
同時期に公開中の韓国映画の話題作、『哭声/コクソン』と並んで現在ヒット中の本作を、今回は公開後1週目夜の回で鑑賞してきた。場内は5割程度の入りだったが、意外と女性観客が多かったのが印象的な本作。予告編で見た超過激なアクションとカーチェイスに、今回かなりの期待を持って鑑賞に臨んだのだが、果たしてその出来はどうだったのか?

予告編

ストーリー

韓国ーアンナム市の刑事ドギョン(チョン・ウソン)は、街の利権を牛耳る市長ソンベ(ファン・ジョンミン)のために裏の仕事を引き受けてきた。しかし市長の逮捕に燃える検事チャイン(クァク・ドウォン)がドギョンを脅し、市長の不正の証拠を掴もうと画策。事態はドギョンを慕う刑事ソンモ(チュ・ジフン)をも巻き込み、生き残りを賭けた欲と憎悪が剥き出しの闘争へとなだれ込んでいく!

韓国映画界が誇る、4人の演技派男優が激突する!

自身が生き残るため、文字通り「阿修羅」と化して対決を繰り広げるのは、現在の韓国映画界を代表する4人の男優たち。

重病の妻の治療費のため、汚職に手を染めた悪徳刑事に『私の頭の中の消しゴム』のチョン・ウソン、都市再開発の利権のためには手段を選ばない狂気の市長に、『新しき世界』『哭声/コクソン』のファン・ジョンミン、次第に悪の道へ染まっていく後輩刑事に、『私は王である!』のチュ・ジフン、市長逮捕のためには一線をも越える検事に、『哭声/コクソン』のクァク・ドウォン。

この4人が血みどろの死闘を展開する本作は、女性の登場人物が殆ど登場せず、正に「男祭りの映画」となっている。

中でも、隠そうとしても色濃く漂ってくるその「BL要素」(特に市長とゾンモの関係は……)には、恐らく女性観客の方がより敏感に感じ取ることが出来るのではないだろうか?だが、悪人同士の壮絶な殺し合いが展開するラスト40分、ここでの血で血を洗う極限バトルは、男女の別なく存分に楽しむことが出来るので、ご安心を!

特に、今まで正義の側にいたある人物の「心が折れる」瞬間は見物なので、ここは是非お見逃し無く!

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見所はやはりカーチェイスと壮絶なラスト!でも……

確かに、本作でのカーチェイスシーンの迫力は物凄く、特にそのカメラワークには驚いた。なんせ、フロントガラスを通って車内に入り込んだキャメラが、また車の外に出るまでが1カットで撮影されているのだから!

更に、文字通り「血で血を洗う」壮絶な戦いに、一気に決着が着くラストシーンは、「男達の挽歌2」に匹敵する集団アクションと、血しぶき飛び散る肉弾戦の連続!ただ残念ながら、そこに至るまでのシーンがどれも若干長いと感じたのも確かだった。

実際、自分の前の席に座っていたカップルの男性の方は、映画の中盤からはずっと足を組み替えたり、伸びをしたりしていたくらいだ。

市長役のファン・ジョン・ミンを始め、これ程に魅力的なキャストが揃っているのだが、衝撃のラストに至るまでの各キャラクターの背景や心の動きがもう少し描かれていれば……。鑑賞後、そう思わずにはいられなかった。

最後に

映画が終わって観客の印象に残るのは、やはり悪徳市長役のファン・ジョンミンだろう。

常に笑顔なのに、突然暴力を振るったり残酷に人を殺したりする、そのサイコパスっぷりは見事!市長と検事の両方から追い詰められるチョン・ウソンの演技もいいが、単なる悪役以上の魅力をキャラクターに吹き込んだファン・ジョンミンの前には、やはり霞んで見えると感じた。

『インファナル・アフェア』や『MOZU』の世界観にハマった方には、本作は無条件で楽しめるのでオススメです!

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(文:滝口アキラ)

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    ライタープロフィール

    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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