傑作『クレイジー・リッチ!』変人揃いのセレブと共感を呼ぶ内容は必見!

© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

人気作家ケビン・クワンのデビュー作にして、世界17ヶ国で出版されている大ベストセラー小説「クレイジー・リッチ・アジアンズ」。

9月28日から劇場公開中の映画『クレイジー・リッチ!』(原題:『Crazy Rich Asians』)は、その同名小説の待望の映画化作品だ。自分の彼氏が実はアジア屈指の不動産王の御曹司だったと判明したら? そんな夢の様な物語の前に立ちはだかる様々な現実の壁を描く本作は、現在アメリカでも大ヒットを記録している。それだけに、かなりの期待を持って鑑賞に臨んだ本作。果たして、その大ヒットの理由はどこにあったのだろうか?

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ストーリー

恋人ニック(ヘンリー・ゴールディング)に誘われて彼の故郷シンガポールを訪れたレイチェル(コンスタンス・ウー)は、彼がアジア屈指の不動産王の御曹司であることを知る。突然セレブの世界へと足を踏み入れたレイチェルの驚きも束の間――ニックの母エレノア(ミシェル・ヨー)や家族親戚には金目当ての交際と思われ、さらには元カノや社交界のセレブ女子からの嫉妬は深く、二人の仲を引き裂こうとする。そんな苦境の中、レイチェルとニックは家族を説得しようと決意するが、“セレブ一族の壁”が大きく立ちはだかるのだった…果たしてレイチェルはこの荒波を乗り越え、“本当の幸せ”を見つけることができるのか――!?
公式サイトより)

予告編

実は文化や言葉、人種を越えて共感できる内容だった!

超セレブの彼氏を巡って展開する、リアリティ番組の世界の様な恋のサバイバルゲームを描いた映画。そんな予想で今回鑑賞に臨んだ本作だったが、意外にも母親や家族との関係性や、自分では選ぶことの出来ない“家柄”による格差など、誰もが共感できる普遍的な問題を描く内容となっていた。

加えて、映画の冒頭で描かれる強い母親像に最近のトレンドである女性の社会進出を見ることが出来るなど、現代に通用する要素を巧みに取り入れたその内容は、確かに観客の興味を引くものだった。

そう、実は今回の予期せぬヒットの要因は原作の知名度だけでなく、時代の流れに乗ったその内容とヒロインの造型にあると言える。

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アジア人でありながら、中身は生粋のニューヨーカーであるレイチェル。その自由な価値観が古い慣習に新たな風を吹き込むまでの戦いは、カルチャーギャップ的笑いや明るいラブコメを期待していた観客の予想を見事に覆してくれるもの。

単純に白馬の王子様に選ばれてハッピーエンドではなく、ヒロインが困難に立ち向かってベストを尽くし、その結果として愛する人と結ばれるというのも、最近の社会の風潮を反映した内容となっていて、実に見事なのだ。

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実は理想の彼氏との恋愛をメインに描くのではなく、男性優位の社会で働きながら家族を育てた母親の姿を通して、その子供たちが古い慣習に囚われずグローバルな意識を持つ存在に成長する姿を描いた本作。男女の出逢いのきっかけとして、SNSやネット上でのやり取りが一般的になりつつある現代だけに、まさに世界中でヒットする要素を兼ね備えた作品だと言えるだろう。

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その他にも、妻と夫の収入格差による夫婦間のすれ違いや、女性同士のマウンティング合戦に強烈な嫌がらせ(このシーンはあの『ゴッドファーザー』を連想させる!)など、多くの観客の共感を呼ぶ要素が満載の本作。

観ている方も思わず「それ、あるある!」と共感してしまうその内容は、是非劇場で!

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クセが強い脇役キャラが大いに笑わせる!

先頃公開された『オーシャンズ8』でも、その軽快な喋りを披露してくれた女性ラッパーのオークワフィナ。彼女が本作で演じるのが、ヒロインであるレイチェルの大学時代の友人ペク・リンだ。金髪に個性的なファッション、そし下ネタ満載のトークという、およそセレブらしくない彼女のキャラクターは、父親役の名コメディアンであるケン・チョンと並んで、観客の笑いを一手に引き受ける大事な存在となっている。

その他にも、セレブ=イケメンの常識を覆すニックの親戚のオリバーや、友人たちの強烈すぎるキャラクターは必見! 金持ちの豪華な生活に飲み込まれたりせず、意外と我々と同じ感覚を持ち続けているこれらの脇役キャラの存在により、ヒロインが勇気付けられたり助けを得るという展開は、ディズニーのプリンセス物や、ジョン・ヒューズの青春映画の展開にも通じるもの。

タイトル中の「クレイジー」の部分を見事に体現する彼らの存在感、必見です!

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最後に

ニックの母親を演じるミシェル・ヨー以外、馴染みの無い出演キャストの名前が並ぶ本作は、出演キャスト全員がアジア系俳優でありながら、先頃公開されたアメリカでも大ヒットを記録。すでに続編の製作が決定したとのニュースが早々と流れて来たのも、記憶に新しいところだ。

確かに有名スターは不在だが、そこに描かれているのは人種や国を越えて観客が共感出来る共通の悩みであり、すでにイメージの固定している有名スターには出せない現実味や魅力がそこに加わったことも、今回のヒットに繋がったのではないだろうか。

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映画というものが、決して特殊効果や派手なアクション、有名スターの出演で成り立っているのではなく、共感出来るストーリーとキャラクターこそが大事なのだ! そう我々に思い出させてくれる、この『クレイジー・リッチ!』。

そのケタ外れにリッチな生活にも関わらず、実は我々とあまり変わらない悩みを持つ登場人物には、きっと日本人観客も大いに共感出来るはず!

ラブストーリーがいまいち苦手な男性観客も十分楽しめる作品なので、全力でオススメします!

(文:滝口アキラ)

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