告発!映画鑑賞マナー違反について物申す!!

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このところ、試写室や映画館で映画を見るたび、イライラしてしまうことがあります。

そう、映画観賞マナーがなってない人が多すぎる!

ひところに比べると最近はかなり良くなってきているように個人的には思っていたものの、まだまだ油断できないですね。上映前のマナーCMの効果もあるような、ないような……。ちゃんとしてる人は何も言わなくてもちゃんとしてるし、駄目な人は全然ダメ。

というわけで、今回は少し趣向を変えて……。

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街vol.229》

映画観賞マナーがなってない、いくつかのパターンを訴えていきたいと思います!

上映中のマナー違反、そのいくつかの症例

上映中のスマホの使用

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まず、最近いちばん多く見受けられるマナー違反は、やはり映画上映中のスマホの使用でしょう。

さすがに映画を見ながら電話する人は、このところ少なくなってきているようですが(ただし、ごくたまに試写室でやらかしている人を見かけます)、一方でメールやLINEチェックしている人はなかなか減ることはありません。

中には場内が暗くなると、待ってましたとばかりにスマホをバッグから取り出す人もいますが、一体何を考えているのか…。

たかだか2時間前後の上映時間、映画に集中することもできないのか?

メールチェックはしなくても、時計代わりに時々胸ポケットの中や膝に置いたスマホを点灯させる人もいます。

先日、ある試写会で定期的にスマホで時間チェックしている若作りな人がいて、注意するにはちと遠く、しかも点けてはすぐ消しを繰り返すのでなかなか映画に集中できなかったのですが、上映終了後、宣伝部がその人に「出来はいかがでしたか?」などと競って感想を求め、その人もまた偉そうにそれらしき物言いしているのをはたで見ながら、こういう人が映画業界の最前線にいるのかと思い、暗澹たる気持ちになりました。

これまた試写室ですが、映画が始まるや遠くで明かりが灯ったので、またスマホかと思って光の方向を見たら、何とメモを取るためのミニライトを持参していたのでした。さすがに頭にきて、注意しましたが、上映終了後、こちらをチラチラ見ながら「別にいいじゃん」みたいなことを仲間らしき連中と言い合っていました。

いずれにしましても、上映中、スマホをずっと膝に置いている人にはご用心です。

ときどき電話がかかってきて、その呼び出し音でうっかり周囲に迷惑をかけてしまう人もいますが、これは私もケータイを初めて買って数か月後くらい、上映前に切ったつもりでいたら切れてなくて鳴ってしまった!という失敗を犯したことはあります。もしかしたら、これは、多くの人がついうっかりやらかしてしまうものかもしれません。

だから、やはり映画の上映前、目安としては場内が暗くなってCMが始まり出したら、マナーモードではなく電源から切って、バッグやポケットにしまう癖を習慣づけといた方がいいですね。

上映中のおしゃべりと座席キック

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次に多いのは、上映中のおしゃべりでしょうか。

これはシネコンでのメジャー作品の上映中、若者よりもむしろご年配の方の方が割かし多く見受けられる光景。(家でテレビを見ている感覚なのかな?)以前、ある映画監督が「別に映画を見ながらおしゃべりしてもいいじゃないか? そもそも昔はみんなおしゃべりしながら映画を見ていたものだ」とコメントしたのを聞いたこともありますが、確かに喜劇やアクション、ホラーなど、映画のジャンルによってはわいわい楽しむスタイルもありなのかなと思うことはあります。問題はシリアスなドラマやアーティスティックな作品でおしゃべりを始めたとき。

おしゃべりではないけど、洋画などで急に大声で、いかにも「俺は字幕では表現しきれない英語台詞のウィットをちゃんと理解してるんだぜ」的に馬鹿笑いしている人もいますね。

(以前、あるシリアスな戦争映画の試写会で、上映中ずっと馬鹿笑いしている人がいて、おかげで全然映画が楽しめなかったという周囲の人々の嘆きを聞いたこともあります。もしかしたらスマホやおしゃべり以上に、一番タチの悪いマナー違反かもしれませんね、これは)

マナーCMにも出てきますが、後ろから座席を蹴られるのも、なぜだか非常にむかつきますね。大方、足を組み替えたりするときにつま先が座席にぶつかるパターンが大半かとは思いますが、「お前らそんなに足が長いのかい!」とまでは言わないものの、これが何度も続くとさすがに…。

貧乏ゆすりをはじめ、微妙に身体や指などを動かしながら見ている人も、正直気になります。やっている本人は自覚がないだろうけど、隣で妙にユサユサと、ひざなど動かされると気が散ってしまいます。

前のめりの鑑賞

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あと、意外に多く、しかも映画マナーCMでも扱っていない盲点ともいえるもの、前のめりで映画を見る人です。

これって実は後ろの人が見えづらくなるし、横に座っている人も視界に他者の頭が見え隠れして、非常に気が散るのです。

小さな子どもが映画に夢中になるあまり、前のめりになってしまう光景はまだ微笑ましい部分もありますが(でも、そういうときは親御さんがちゃんとしつけないとね。そういえば以前アンパンマン映画を見に行ったとき、子どもの隣で父親が前の席に足を投げ出して見ている光景を目撃したことがありましたが、これじゃあ子どものしつけにならんだろうと……)、まあ大の大人がやるものではないですね。

帽子をかぶったまま観賞している人も、時たま見かけます。あれでどれだけ後ろの席の人間が画面が見えづらくなるのかは、わかっていただきたい。

レジ袋のガサガサ音、上映中の飲食

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現在、多くの映画館は外部の飲食物の持ち込みは禁止されていますが、やはりこっそり持ってきている人は多いですね。しかも、コンビニとかで買ってきたのか、そのレジ袋を上映中ガサゴソさせながら飲み食いしている。

そういえば、これは試写室でしたが、かなりシリアスな映画の上映中、ポッキーみたいなお菓子をずっとボリボリ食べながらみている人がいたことも…。

いちばん映画鑑賞マナーがよくできている観客は?

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とまあ、いくつかのマナー違反のパターンを書きなぐってみましたが、いずれにしましても、そういう人が隣にいたら注意していただきたいもの。

ただし、そこで過剰反応されて痴漢扱いされたり、喧嘩になったり、トラブルを招く危険もないわけではないので、やはり紳士的に対応するのが得策でしょう。

私自身、極力注意するタイプではありますが、7対3いや8対2くらいの割合で、試写室でのマナー違反者に物申すことが圧倒的というか、とにかく映画業界に携わるマスコミのマナーの悪さに辟易しています。

それに比べると、映画館に集う一般の観客のほうが、よほどマナーがいい。

特に、それこそ自分の経験則でもっともマナーが良いと思えるのは、ちょっとマニアックなアニメ映画の観客です。

メジャー系のアニメ映画の場合、残念ながら当てはまらないことも多いですが、深夜アニメの劇場版などは、その作品のファンが本当にそれを見たくて来館しているので、上映前の予告編の間とかはどんなにうるさくても、いざ映画が始まると驚くほどにみんな集中し、映画とシンクロしているかのように上手く反応してくれますし、それはあたかもライヴに参加しているような趣さえあります。

またアニメ映画の場合、作品独自のマナーCMが作られることも多いので、ファンだからキャラの説くことはちゃんと守ろうという意思も働きやすいのかもしれません。

そういえば先日『劇場版Free!―Timeless Medley―絆』を見に行ったところ、冒頭におまけ感覚で付いているファン・サービスの短編が、いわゆるキャラクターの“舞台挨拶”で、そこで何と1分間ほどスマホなどの写真撮影OKタイムを設けていたのでした。

その間、場内のお客さん(9割以上が女の子)がパシャパシャ写真を撮りまくり、それは何とも不思議な光景ではあったのですが、そのあと本編が始まって、誰かそのまま映画泥棒でも始めるのではないかと一瞬危惧したものの、そこはさすがに『Free!』が本当に好きで見に来ている乙女たちですから、誰一人そのようなことはなく(あくまでも私が見た回の話ですが)、みんなスマホの電源を切り、集中して銀幕に映るハルやマコなどイケメン・キャラたちに目をハートにさせていたのがとても好もしくも頼もしく思えた次第で、他の映画館もそうであってほしいものと願わずにはいられませんでした。

まったく見知らぬ他人とひととき意識を共有させながら楽しむのが、映画館で映画を見る醍醐味であり、それが後々の映画体験として記憶に残り続けるものでもあるでしょう。

大仰に「マナーを守れ!」と拳を振り上げるのではなく、ただ周りに迷惑をかけないように心がける。みんながこのことを自覚するだけで、映画体験はどんどん豊かになっていくはずです。

(文:増當竜也)

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    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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