映画コラム

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2017年05月12日

『ワイルド・スピード』より偏差値の低いバイク映画があるだって?

『ワイルド・スピード』より偏差値の低いバイク映画があるだって?



(C)Universal Pictures


現在公開中の『ワイルド・スピード ICE BREAK』はお金をかけまくった大迫力のカーアクションが楽しめる痛快娯楽作でした。筋肉ムキムキのおじさま俳優のイチャイチャも含め、頭がからっぽで観られるというシンプルさがいいですよね。

ここでは、『ワイルド・スピード ICE BREAK』シリーズが好きな人におすすめの(主に偏差値の低い)映画をご紹介します。

1:『トルク』:10秒で時速300キロに達するバイクが登場!


トルク (字幕版)



バカアクション映画として、トップに君臨する勢いなのがこの『トルク』!内容はバイク(オートバイ)でウィリーしながら超高速で走る車を追い越したり、バイクに乗ったまま殴り合ったり列車に飛び乗ったりするという、「バイクで楽しいアクションが撮れりゃそれでいい」な男子中学生並の発想と頭の悪さが最高の作品です。(※皮肉なしで褒めています)

すさまじいのは、「四輪に乗るやつは性格が歪んでいるのか?」という、車および『ワイルド・スピード』シリーズに対する敵対心むきだしなセリフがあること。“バイクは最高!四輪に乗るやつはバカだ!”というひっでえ偏見を隠そうともしていないのですが、これが不思議と不愉快ではありません。全編に渡り頭の悪いキャラが頭の悪いアクションをしているという偏差値の低さのおかげで、「もうこの映画はこれでいいいや」と諦めがつくからでしょう。

物語は殺人の疑いをかけられた主人公が、ギャングとFBIから狙われるというだけのシンプルなもの。あとはバイクのマフラーを殴る武器にしたり、常識的に不可能なことも「追い詰められたらできる」と言って解決したり、清涼飲料水の広告をバックに美女2人がバイクに乗ったまま蹴ったり殴りあったりしているのを眺めているとあっという間にエンディングです(※上映時間はわずか84分)。かつて、観ているだけでここまで幸せになれる映画があったでしょうか、いやない!(反語)

そして、クライマックスでは10秒で時速300キロに達するバイクが登場!いや、これはもうバイクじゃなくてミサイルです。主人公がこのミサイルに乗って、街中を疾走するクライマックスは言語では説明不可能です。こんなの観たことねえよ!

ちなみに『トルク』は本国ではたいへん評判の悪い映画で、映画批評サイトIMDbでは10点満点でわずか4.0点、英語版のWikipediaではone of the worst films ever made in cinema history(映画史上もっとも最悪な作品の1つ)と書かれてしまう始末。しなしながら、筆者はこの評価に異を唱えたい!大爆笑の連続、大興奮は必死、バカ映画好きは超必見の大傑作だよ!

2:『ミニミニ大作戦』(2003):チームで知略を尽くして金塊を奪え!


ミニミニ大作戦(字幕版)



ミニ・クーパーをフィーチャーしたカーアクション映画です。内容はチームで知略を尽くし、金塊を奪還するというシンプルなもの。冒頭のヴェネツィアのミッションのツカミが上手く、キャラクターは個性豊かで、意外な“因縁”も描かれているなど、見どころが満載な娯楽作に仕上がっていました。

『ワイルド・スピード ICE BREAK』が好きな人におすすめしたい理由は、ジェイソン・ステイサムとシャーリーズ・セロンが共通して出演していること(実は監督も同じ)。そちらでは敵対していたこの2人が同じチームで共闘しているというのも面白いですし、ステイサムがマーク・ウォールバーグとイチャイチャしているのもたまりませんよ。

3:『デス・レース2000年』:今のアメリカ社会に通ずる内容?


デス・レース2000年 HDニューマスター/轢殺エディション [DVD]



製作年が1975年と古い作品で、タイトル通りレースの最中にどんどん人が死にまくる内容です。悪趣味なのは、レース中に一般人を轢き殺すと年齢や性別に応じてポイントが加算されるという設定。女性のヌードシーンも満載ですし、とてもお子様には見せられません。

しかし、低予算ながらカーアクションは見やすく撮られており、キャラクターの個性も存分に描かれ、逆転劇にはハラハラするなど、娯楽映画としてのツボはしっかり押さえられています。アメリカ社会への皮肉めいた描写もあり、それは今観ると“予言”のように思えるかも……。

ちなみに、『ロッキー』で大ブレイクする前のシルヴェスター・スタローンが重要なキャラクターを演じている作品でもあります。そのゲスいキャラには、一見の価値がありますよ。

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