「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」に、あのヒーローは本当に登場するの?

■「役に立たない映画の話」

「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」 ポスター

(c)2015 GOON FILMS S.R.L. Licensed by RAI Com S.p.A. – Rome, Italy. All rights Reserved.

イタリアでも絶大な人気を誇る、
日本のアニメ・ヒーロー。

女の後輩 何よこれ?「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」? あんた、なに昔のアニメ見てるのよ?

後輩 違いますよお。これ、イタリア映画の新作ですよ!!

女の後輩 何言ってるの!? 「鋼鉄ジーグ」と言えば、日本のアニメ・シリーズじゃないの? しかも70年代の。

後輩 もしかして、テレビで見てました?

女の後輩 いやあ・・「マジンガーZ」とかは見てたんだけどねえ。

後輩 先輩だったら見てますかねえ?

女の後輩 ダメよあの人は、少年時代ずっと少女マンガを読んでた人だから。今は「3月のライオン」実写版が、原作のままであるように、毎晩東の空に祈っているらしいわ。

後輩 東の空に? 東に何があるんですか?

女の後輩 アスミック・エースなんじゃない? 知らないわよ。

監督は、日本のアニメの熱狂的ファン!

後輩 そんなことはさておき、とにかく「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」。これがなかなかダーク・テイストでスタイリッシュな作品なんですよ。

女の後輩 はああ? だって「鋼鉄ジーグ」ってタイトルなんでしょ?イメージあわんなあ。

後輩 ちょ、ちょっと待って下さい。順番に説明しますから。いいですか、まず「鋼鉄ジーグ」は永井豪原作による日本のアニメ・シリーズで、おっしゃる通り1975年から76年にかけてオンエアされました。で、このアニメ・シリーズは海外にも輸出され、特にイタリアでは絶大な人気を誇ったらしいんですよ。

女の後輩 さすがは東映の国際営業部だわ。

後輩 この「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」のガブリエーレ・マイノッティ監督も、このテレビ・シリーズを見て育ったんでしょうね。おかげで彼は熱狂的な日本アニメ・ファンに成長し、映画監督になりましたとさ。

女の後輩 おたく監督って、どこの国にもいるのねえ。

後輩 ただ、作品を見ると「鋼鉄ジーグ」にオマージュを捧げた映画というより、ジーグはある種の象徴として使われています。

ダーク・テイストに充ちた、
スタイリッシュなアクション映画。

「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」 main

(c)2015 GOON FILMS S.R.L. Licensed by RAI Com S.p.A. – Rome, Italy. All rights Reserved.

女の後輩 そもそもどういう話なのよ? 大事なこと説明してよ。

後輩 はいはい。舞台は、テロの脅威に晒される荒廃したローマ郊外。孤独なチンピラ・エンツォは、ふとしたきっかけで超人的パワーを得てしまう。始めは私利私欲のためにその力を使っていたエンツォだったが、世話になっていた“オヤジ”を闇取引の最中に殺され、遺された娘アレッシアの面倒を見る羽目になったことから、彼女を守るため正義に目覚めていくことになる。アレッシアは日本製アニメ「鋼鉄ジーグ」の DVD を片時も離さない熱狂的なファン。怪力を得たエンツォを「鋼鉄ジーグ」の主人公、司馬宙(シパヒロシ)と同一視して慕い、いつしか二人の間には、ほのかな愛情が芽生えるのが、彼らの前に、闇の組織のリーダー、狂気に満ちたジンガロが立ちふさがる・・・といった映画です。

女の後輩 あんた、最近コピペで手抜きするクセがついたわね。良くないよ。

後輩 (無視して)ですからこの映画で謳われている「鋼鉄ジーグ」は、テロの恐怖に脅えるローマの人たちの希望的存在ってわけですね。アレッシアが「鋼鉄ジーグ」のDVD BOXを肌身離さず持っているのも、イタリアでの人気がうかがえるというもので。

実写版ジーグが画面に登場するんだって!?

女の後輩 それは良しとして、で、結局ジーグは映画に登場するの? アニメのまま? それともまさかの実写化?

先輩 いやあ、まあそれは、見れば分かりますよ。ヒントを言うと、日本のアニメ・バージョンも、ちらと映ります。

女の後輩 ということは、実写映像もあるってことなのね?

後輩 うーん・・・実写というかなんというか。まあとにかく見て下さいよ。作品の評価も高くて、イタリアのアカデミー賞と言われるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では最多16部門ノミネートされ、そのうち7 部門で受賞しています。

女の後輩 おし。もしもジーグが出ていなかったら、酷いからね。

後輩 誰も出るとは言ってないでしょー!!

女の後輩 日本公開はいつなのよ?

後輩 2017年5月から、ヒューマントラストシネマ有楽町と新宿武蔵野館ですう。

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(企画・文:斉藤守彦)

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    ライタープロフィール

    斉藤守彦

    斉藤守彦

    斉藤守彦(さいとうもりひこ) Morihiko Saitoh 静岡県浜松市出身。映画館、ビデオ会社でのアルバイトを経て、映画業界紙「東京通信」記者 (後に編集長)に。1996年からフリーの映画ジャーナリスト/アナリストとなり、以後多数の劇場用パンフレット、「キネマ旬報」「HiVi」「ザテレビジョン」「日経エンタテインメント!」「宇宙船」「スターログ日本版」「INVITATION」「東京カレンダー」「アニメ!アニメ!」「フィナンシャル・ジャパン」「Pen」などの雑誌・ウェブメディアに寄稿。2007年秋に「日本映画、崩壊 -邦画バブルはこうして終わる-」を、08 年「宮崎アニメは、なぜ当たる -スピルバーグを超えた理由-」、09 年「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」、 10 年に「『踊る大捜査線』は日本映画の何を変えたのか」(共著) を上梓。 他の著書に「図解でわかるコンテンツ・ビジネス」1〜4(共著)、「ソノラマ MOOK/ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(構成・執筆) 、電子書籍「日本映画、飛躍と困惑の過去・現在・未来」等があり、ここ数年は「映画宣伝ミラクルワールド」「80年代映画館物語」と、独自の視点による書籍を執筆。2016年3月には新作「映画を知るための教科書 1912−1979」が世に出る。現在、水道橋博士編集長のメールマガジン「メルマ旬報」で「2016年映画館物語」を連載中。また「BOOKSTAND映画部!」で、「映画を待つ間に読んだ、映画の本」と「映画惹句は、言葉のサラダ」の2つの連載を行っている。

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