就活生が見た映画『何者』の感想。

何者

現役就活生として『何者』を鑑賞して、様々思うことがありました。

その一つとして、就活前に一度観ればよかったということです。
上映された当時、私は大学三年生の秋で「就職」の二文字をよく目にするようになっていました。また、就活に対してネガティブな印象を持っていたため、わざわざ自分から辛い思いにならなくても・・と思い映画に興味はあるものの敬遠していました。

映画『何者』とは?

何者 サブ8

(C)2016映画「何者」製作委員会

『桐島、部活やめるってよ』で知られる朝井リョウの原作「何者」が2016年に映画化されました。就職活動を通じて友情、恋愛、裏切りが錯綜し、人間関係が徐々に変化していく様子を描かれています。6人の就活生を佐藤健、有村架純など若手の俳優が演じます。

すごく簡単に作品について表すと、“主人公が就職活動を通して一歩成長する過程の話”です。

就活生が感じたリアルな就活

現役就活生としてリアルだなぁと感じたものが幾つかあります。

1つに、合同説明会や集団面接の様子です。周りがみなスーツという状況は私自身合同説明会が初めてでしたので、その時の何とも言えない衝撃の記憶が蘇りました。

2018年度卒は3月から就活が解禁されましたが、それまでの合同説明会では私服が目立っていました。それが解禁後に突然、真っ黒になるからいよいよ始まったのだなと終わりのない滑り台に突き落とされたような気持ちでした。

グループディスカッションや面接の場面も少しあり、主人公の拓人が試験官を見上げるシーンがありますが、実際に私も面接官に囲まれてずっと見られているような感覚を終始感じていました。

何者 サブ12

(C)2016映画「何者」製作委員会

2つ目は就活の間の人間関係です。5人は一人の生徒のの部屋を就活対策本部室として集まって活動を始めます。最初はやる気に満ち溢れて和気藹々としていましたが、内定者が出始めると空気が重くなっていきます。

特にプライドが高い二人が最後まで内定が出ないという事態になってしまったので画面越しにピリピリした雰囲気が伝わってきました。

就活の辛さは就活生同士でしか分かち合いたいものですが、それでも全てをさらけ出すことは難しいです。就活の進み具合や内定をとったかどうかを聞くということはお互いの関係を壊す可能性もあります。しかし、気を使ってばかりいては就活の鬱憤は募るばかり・・。

何者 サブ6

(C)2016映画「何者」製作委員会

本作ではSNSが頻繁に登場する演出が多いです。SNSは不特定多数の人とコミュニケーションをとる場でもありますが、匿名で自分の黒い部分を吐き出せる場として使う人も。

主人公もそうやって本音をSNSで晴らしてきた一人です。また、主人公の拓人はよくSNSで逐一近況報告をする人に対して「寒いよなぁ」と言い捨てるシーンがよくありました。

周りを否定することで自分を正当化させ、保っていたのだと思います。SNSの演出によって、現代の就活生らしい表と裏が表現されていると感じました。

何者 場面1

(C)2016映画「何者」製作委員会

主題歌「NANIMONO」

最後の見所はこの映画の主題歌である「NANIMONO」の歌詞。見所というより聴きどころですが、ラストシーンで主人公の拓人が一歩を踏み出す大事な瞬間でこの曲が流れ私はグッときました。まさにこれから面接に挑む就活生の心境を歌ったものだと感じたからです。

私は実際に面接で緊張をしながら階段を上っている時にふとこの歌詞を思い出しました。

前に進もう、大丈夫というメッセージがあるような気がしました。そのおかげで私は面接前に聞くことで気持ちを落ち着けることができたと思います。

終わりに

予告編に「青春が終わる、人生が始まる」という言葉がありますが、就活を経験してその言葉を実感しました。

就活はこれからの自分の人生で重要な分岐点でもあります。しかし、その道は人それぞれです。
登場する就活生の中には将来を考えて進路変更をする学生や自分の信念をつき通す学生もいます。

何者 サブ15

(C)2016映画「何者」製作委員会

他にも、フットワークの軽さ、積極性やポジティブさ。冷静さやチャレンジ精神、臨機応変さなど、それぞれの登場人物に良いところがあります。

自分を見つめ返すことで嫌な面もあるかと思いますが、自分の長所を見つけて大事にすることが大切だと感じました。

就活を終えた方もこれから就活という方にもオススメの映画になっています。

特にこれから就活というみなさんは、ブルーレイ/DVDの特典ディスクに就活に関する情報が付いているのでオススメです。

(文:まるこ)

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