美と嫉妬と毒気、ニコラス・レフン最新作『ネオン・デーモン』の3つの魅力

(C)2016, Space Rocket, Gaumont, Wild Bunch

でてくる女性が美人揃い。美女たちが取り巻くモデルの世界をリアルに描いた『ネオン・デーモン』。女性もさることながら色使いも美しく、そしてどことなく怪しげ。同作の魅力を語っていきます。

1:美の共演

主演にエル・ファニング、傍にジェナ・マローン、ベラ・ヒースコート、アビー・リーと4人の美女がメインで火花を散らしあいます。

ただでさえ美女なのに、煌びやかで華やかな衣装に身を包むものだから、相乗効果でとてつもない美しさでした。

また物語の内容も、トップモデルを争っていくので、一人を除いて美を磨いていきます。磨き方もそれぞれ特徴があって面白いです。エル・ファニングであれば持って生まれたものと若さを武器に、他の二人は整形して人工的な美しさを武器にしていきます。

衣装デザインについても、一流のファッションデザイナーを起用し、最先端の高級ファッションが登場いたします。

そして、映画本編も原色を使いまくったファーストカットから美しく、これぞ映像美といった感じ。隅々まで「美」が散りばめられた映画と言えるでしょう。またファーストカットからも分かる通り、耽美でもある作品です。

だからこそ、最初の絵が単純に綺麗というわけではなく、少し変わった、ある意味インモラルな映像が映し出されるのです。

2:美意識の高さゆえの嫉妬

美意識が高いと、より綺麗に、より美しくと上を望み、目指していきます。特にモデルのような仕事であれば、なおさらでしょう。しかし、持って生まれたものには限界があり、手を加えないと、それ以上の美は得られません。

モデルとしてデビューし瞬く間に頭角を現し、一気にスターダムを駆け上がる主人公。それを認めたくないライバルたち。

認めたくないライバルたちがどうなっていくか、ヒロインとの対立が明確になったあとが見どころの一つと言えます。

モデルではないので、モデル業界については想像するしかありませんが、きっとこういうことも日常茶飯事としてあるのじゃないかな〜と思いました。それが行きすぎた先が映画のラストのようなことになるのではないかな、と。

3:美しいが毒気の強い色使い

全体的に衣装やライトの色使いが、原色を薄めないまま使っています。そのため綺麗なんだけど、色が強すぎて毒々しくも感じたりします。その上、物語も段々殺伐としていくため、色による不安感も煽られます。

特に赤と青、ショッキングピンクが多く、効果的に使われています。激しい色の使い方に魅了されると思います。

衣装に関しても綺麗なだけでなく、何度か怪しげな衣装もでてきます。物語が進行するにつれ、変化していく衣装の色にも注目すると面白いかもしれません。

ネオンサインの怪しげな感じも効果的に使われています。特にクラブやバーでのネオンサインは映画とマッチした使われ方だと思います。

まとめ:美醜、振り幅広く、行き着くところまで描かれたのが魅力

出演者が美人ぞろいでとても華やかな反面、描いてることは綺麗事だけでなく、もっとドロドロしたグロテスクさも表現されているので、ある意味エグいのですが、とても面白いです。

美しさだけでなく、美に取り憑かれた怖さなど対極までの振り幅の広さがこの映画の魅力の一つだと思います。

女優さんに魅了され、衣装に魅了され、舞台設定に魅了され、物語に魅了され、どんどんこの映画に引き込まれていくでしょう。

への執着が行き着く先、これが現代に潜む新たな悪魔といえるのではないでしょうか?美に魅了され、取り憑かれた4人の女性たちがどうなっていくか、どんな結末を迎えるか、ぜひご覧ください。

(文:波江智)

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