清水富美加さんと松井玲奈さんが微笑みかけてくれた…『笑う招き猫』にエキストラとして参加した話、とか
(C)山本幸久/集英社・「笑う招き猫」製作委員会
このサイトで1番映画偏差値の低いコラムで好評頂いております。どうもピーマンズスタンダード南川です。
やはりコラムを書く上で「テーマ」であったり「目標」というものが必要だと思いませんか?
そう強く思うのです。
その理由をお話しましょう。
松竹株式会社の広報にOさんという社員さんがいまして、Oさんは僕を含めた売れない芸人達に超絶優しく、ある日「南川さん!社報でコラム書いてください!」なんて仰って、当時の松竹株式会社の社報に毎月私みたいな駄文が載るという時期がありました。
歌舞伎のこんな公演があって~の記事の隣の記事は「昔は松竹にキレッキレの濡れ場の映画がいっぱいあってね~」なんて誰も得しない文を書いていました。
Oさんのご厚意でコラムのネタ用に建築中の歌舞伎座の中見せてくれたり、建築中の偉い人にインタビューさせてくれたり、そのくせ書くのは濡れ場の事……。
そんな不義理をかましてる時にある事に思いついたんです。
「松竹株式会社の社報にコラム書いてる訳でしょう?じゃあ社員が読んでる訳ですよね?という事は松竹映画を担うプロデューサーから何から見てる訳でしょう?じゃあ……
映画出れるやん!!!です」
浅はかです。
下積みってある程度必要なんでしょうけど、ある一定時期を超えたら分別がつかなくなるんですね。てへ。
広報のOさんも優しいもんだから「絶対出れますよ!!」なんて言っちゃって。
その社報で「僕の映画出る道」というテーマに基づいて
「たとえエキストラでもいい。ほんの一瞬でもいい。映画に出たいねん」という目標を掲げて社報を毎月書いてました。
そのコラムは1年くらい書きました。映画に出るというゴールに向けて。
結論から言いますよ。出れなかったんです。
正直……マジでぶっちゃけた話。
東宝の映画に出たいって言ってる訳じゃないんです。松竹の映画です。
我が(すいません)松竹の社報に従事してる身分で……松竹で作ってる映画に、しかもセリフ言いたいって話じゃない。そんな厚かましい事言わない。
何かのシーンの人混みにまみれてて一瞬映ったとかでもいい。当然エキストラでいい。
何やったらここだけの話、社報のゴールという着地点を決めるという観点から言っても、映らなくてもいい。
「エキストラとして行って、長い待ち時間で……撮影参加しました!実際観たら……映ってなかった!!でも出たから!!!オールOK!!!」でも全然いい。
でも……行ってないのに「あ~映っていませんでした~行ったのに~」は100%嘘になります。話盛ったなんて騒ぎじゃない。ただのヤラセになっちゃう。
ああ……
ヌルっと終わってもーた……芸人として1番いけないヌルっと終わる……。
俺嫌われてたんかな……社報って皆読んでないの……?
広報のOさんも何やら気まずそうだった。(ような気がする)
そんなトラウマがあるのです。
しかし、この前チャンス到来。
なんとある映画のエキストラとして参加したのです。
こんな事ってある?
役柄は芸人。まあちょうどいいじゃない。
真冬の海に飛び込んで大喜利を答えるというTVにありそうな企画のシーン。
そこで寒さに震える大勢の芸人役の1人として出ました。
そこで監督に「何か1発ギャグあります?ご本人のでいいんです。そのまま撮ります」と問われた僕は
「あ、僕ロシアの格闘技システマやってるんで相方に思いっきり殴られても独自の呼吸法で全然痛くありません。それやらせてください。」
↑(知らない方すいません……もし興味あればYouTubeで「ざっくりハイタッチ」 「システマ」で検索してください。)
冗談半分で言った所「あ、じゃあお願いします。用意スタート!!」
え!?いいの?映画で俺のシーンあるの?セリフありって事やん。
相方にドン!!とグーで殴られて「スーハースーハー!全然痛くないです!」
監督「カット!!!アングル変えまーす。はい同じシーン!用意スタート!!」
ドン!!スーハースーハー……うん痛くないです!
監督「はいカット!!アングル変えます!はいもう1度用意……スタート!!!」
ドン!!スーハースーハー!!!!痛くないです……
監督「はいカット!!!もう1度 用意」
「ちょちょちょ!!!監督!!こんな僕がおこがましいですけど
何回撮んねん!!!!」
まさかエキストラが監督に噛みつく。
「すいません!!!あと5回!!」
「5回かい!!!思ったより多いな!!絶対使ってよ!」
全く痛くないけど寒さでイライラしちゃった。完全に干されてもおかしくない状況。
暴言にも笑ってくれる監督。監督以外「こいつなんやねん」の目。
そのシーンが使われてるか使われてないかはあなたが確認してください。
『笑う招き猫』です。4月29日公開!!
(C)山本幸久/集英社・「笑う招き猫」製作委員会
主演は清水富美加さんと松井玲奈さん。
現場で「痛いですよね……?」と聞いてきた優しい2人。
「いや全然痛くないですよ」と返したらクスリと笑ってくれた2人。
絶対ええ映画のはず。是非。
話戻ります。
でもこの映画出演はノーカウント!
改めてこのコラムの目標
「映画に出たい。セリフあり!1行でいい!!」
出来れば殴られない役!痛くないけど!!
ええいこの際松竹以外からも募集します!
オーディション行きますから!当たり前やけど。
『悪魔を見た』のチェミンシクみたいな眼光用意しときますから!!
出れたら読者の方々に抽選で自費でチケット購入してプレゼントするし!!
ね!
絶対ヌルッとフェードアウトだけは……やめましょうね……ね!!
(文:南川聡史)
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