現代人はスマホの奴隷?映画『おとなの事情』に見る“オトナの付き合い”

©Medusa Film 2015

こんにちは、八雲ふみねです。

連載100回を目前に、装いも新たにお届けします。
改めまして、宜しくお願いいたします!

さて、今回ご紹介するのは、全国順次公開中の『おとなの事情』。
あなたはスマートフォンの中を覗かれても大丈夫???

八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.97

スマホにまつわる秘密は万国共通!イタリア発のワンシチュエーション・コメディ

新婚のコシモとビアンカ、反抗期の娘に振り回され気味のロッコとエヴァ、倦怠期真っ最中のレレとカーロッタ、恋人に今日のディナーの約束をキャンセルされ、一人で参加となったペッペ。

友人夫婦7人が集うディナーの場で、エヴァがこんな提案をした。

「携帯はプライベートが詰まったブラックボックス。食事中にかかってきた電話やメッセージをお互いにオープンにしあうゲームをしない?」。

やんわりと拒絶する男性陣に対し「何かやましいコトでもあるの?」と詰め寄る女性陣。
かくしてテーブルの上には7台のスマートフォンが並び、ゲームは始まった。

メールが届いたら、全員の目の前で開くこと。
かかってきた電話は、スピーカーに切り替えて会話する。

「秘密なんてない」と豪語する7人の究極の信頼度確認ゲームの行方やいかに……。

世界各国の映画祭で脚本賞や観客賞を総ナメ。その“秘密”とは。

現代人にとって携帯電話やスマートフォンは、なくてはならないアイテム。

個人の情報を抱え込んだ小さなボックスは、時として持ち主でさえも気付いてない、あるいはすっかり忘れてしまっている秘密がココから流出される危険性も。

この極めて現代的な端末をめぐる“夫婦・親友の秘密”をテーマに、ウィットに富んだ会話とストーリーテリングがエモーショナルな映画『おとなの事情』。

イタリアのアカデミー賞にあたる第60回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞と脚本賞をW受賞するだけでなく世界中から絶賛の嵐を浴び、日本の観客にも大きな衝撃を与えています。

メガホンを取ったのは、CM界で数々の賞を受賞した後、映画界入りしたパオロ・ジェノヴェーゼ監督。

監督を含め4人の脚本家がチームを組み、それぞれが自分自身あるいは友人から聞いた経験談を持ち合うことで、それぞれのキャラクターやエピソードにリアリティと厚みを生み出すことに成功。その出来は、多くの映画祭で脚本賞や観客賞を受賞しているのも納得のクオリティ。

舞台劇を思わせるような会話劇でありながらも、そのテンポの良さから、飽きるどころかグイグイ引き込まれていきます。

自分も一緒に食卓を囲み、仲間の恥部を目の当たりにしているような臨場感は、コメディを通り越してホラー?!ブラックジョークもここまで来ると、もはや笑えない!!

©Medusa Film 2015

スマホ履歴は嵐を呼ぶ!それでも愛する人に、スマホの中身を見せられますか?

それにしても、この映画に登場する男性陣の秘密が多すぎるコトと言ったら。

スマホから暴かれる極秘事項と言えば、“浮気”がいちばんに頭をよぎりますが、いやぁ、そんな甘っちょろいモノではないんですね~、オトナの隠しゴトって。

そのへんは映画館でじっくり堪能していただくとして、隠し続けていた秘密の暴露大会から透けて見えてくるのは、悩みながらも懸命に生きる“おとなの事情”。

秘密にしておくことで関係が良好に保たれる場合もあれば、カミングアウトすることでギクシャクしてしまうこともある。

もちろん「よく話してくれたね!」と、より深まる関係性だってあるワケです。それでも相手を受け入れ、お互いを信じて付き合っていけるかどうか。

“おとなの付き合い”って、深いですね。

©Medusa Film 2015

負け美女研究家 犬山紙子が、世の女性と共有したい“格言”を披露!

本作の公開直前には女性限定試写会が開催され、トークイベントのゲストとして、エッセイストの犬山紙子さんをお迎えしました。

劇中で登場人物たちが飲んでいるイタリアンワイン“レッド・エンジェル”がお客様に振舞われ、ホロ酔い気分のオトナな試写会イベントでは、犬山さんが世の女性と共有したい格言を披露。

その格言とは、

「女性のカンは鋭いから嘘つけないよ」と言う男性には要注意!

「私のこれまでの経験上、100%嘘つきですから」と確信する犬山さんに、会場のお客様からは「分かる!」と共感の声が多数挙がりました。

さすが “負け美女研究家”、犬山さんならではの見解です。

作品情報

『おとなの事情』
2017年3月18日から新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督:パオロ・ジェノヴェーゼ
出演:ジュゼッペ・バッティストン、アルバ・ロルヴァケル、ヴァレリオ・マスタンドレア、カシア・スムトゥニアク
©Medusa Film 2015
公式サイト http://otonano-jijyou.com/

(文:八雲ふみね)

八雲ふみね fumine yakumo

八雲ふみね大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。
八雲ふみね公式サイト yakumox.com

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