『パラサイト 半地下の家族』が年末年始の日本を席捲する!

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2019年もさまざまな映画がお目見えしましたが(邦画&洋画を合わせて1000本は超える公開本数!)、『ジョーカー』や『アイリッシュマン』『天気の子』などその年を象徴する作品も続々登場しました。

その中で世界的に2019年を象徴するアジア代表の作品として、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が挙げられるでしょう。

本年度の第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画史上初の[最高賞]パルムドールを受賞し(審査員満場一致だったとのこと!)、既に韓国で1000万人、フランスで160万人の動員を突破。アメリカでは2019年度の外国語映画興行収入第1位になるなど、現在世界中で爆発的ヒットを記録し続けている作品です。

そんな『パラサイト』がいよいよ2020年1月10日から日本でも公開! と、その前に……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街426》

2019年12月27日から2020年1月9日まで東京のTOHOシネマズ日比谷&大阪のTOHOシネマズ梅田にて先行公開が決定しました!

2019年から2020年へ移り変わる今、一足先に世界的話題作を見られるまたとないチャンスです!

極貧家族の兄妹が
裕福家族邸に就職!?

『パラサイト 半地下の家族』は全員失業中という、極貧家族が繰り広げる衝撃のエンタテインメント作品です。

楽天的で甲斐性のない父キム(ソン・ガンホ)。

夫にきつくあたる母チュンスク(チャン・ヘジン)。

大学受験に落ち続けている息子ギウ(チェ・ウシク)。

美大を目指すもお金がない娘ギジョン(パク・ソダム)。

彼らはオンボロの半地下住宅に住んでいます。

何せ半地下構造なので、窓を開けると路上のゴミやら誇りやら雨水やらがすぐ家屋の中に入ってくる始末で、ケータイなどの電波状況は劣悪、水圧が低いためにトイレは部屋の一番上に設置されているという……。

そんな極貧環境から何とかして抜け出し、まともな生活をしたいと日々願っている一家ではありますが、では一体どうすれば……?

ところがある日、ギウの友人が自分の代わりに仕事を誘ってきました。

それは高台の豪華邸宅に住むIT企業社長パク・ドンイク(イ・ソンギュン)の愛娘で高校生ダヘ(チョン・ジソ)の家庭教師。

若く美しいけどどこか能天気っぽい社長夫人ヨンギョ(チョ・ヨジョン)はギウが差し出す大学在学証明書が偽物であることにも気づくことなく、ダヘも最初の授業ですぐさま彼に魅せられ、かくしてギウは一気にブルジョア母子双方の心をつかんでしまいました。

ダヘには弟ダソン(チョン・ヒョンジュン)がいて、ふと思いついたギウは彼に美術家庭教師をつけることをヨンギョに提案。

翌日、邸宅に現れたのはギジョンでした。

ギウの妹であることを隠しながら、ギジョンもダソンを手なづけることに難なく成功。

かくして極貧一家の息子と娘の就職先が、めでたく決定!

そして兄妹は次なる行動に出るのです……が!?

ネタばれ厳禁!の
衝撃的展開に刮目せよ!

今回、本作の監督ポン・ジュノはこれ以上のストーリーを明かさないように、マスコミにも観客にもお願いしています。

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確かに、これ以上の筋を先に知って見てしまうと、その面白さも衝撃も半減してしまうこと必至。

ただし4人家族という点こそ同じでも、半地下住宅と高台の豪邸、極貧と裕福といった格差の描出の数々は、誇張こそあれ現代社会を巧みに描き得ていて、特に貧困をめぐってのあれこれは前年度のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した日本映画『万引き家族』を彷彿させるものもあります。

要するにそれだけ格差社会が世界中で深刻化していて、こうした作品にシンパシーが寄せられるのでしょう。

しかし本作はやがて『万引き家族』とは大きく異なる方向へ観客を導いていきます(その中身こそがネタバレ厳禁!)。

“パラサイト”とは「寄生」「寄生虫」「居候」などの意味があり、SFやホラー映画のタイトルにも用いられがちですが、本作の場合はさらに「就職」的な意味合いも含まれているようです。

そしてポン・ジュノ監督の作品は『殺人の追憶』(03)『母なる証明』(09)のようなサスペンスものでも『グエムル 漢江の怪物』(06)のような怪獣映画でも、その大概は前半部でジャンルに準じた作りを成して観客の心を鷲掴みにしつつ、いつしか思いもよらない方向へ突入しながら強烈なメッセージを放つといった構図のものが多い特徴があります。

では『パラサイト 半地下の家族』は喜劇のジャンルに区分け可能な作品か否か?

それは直接劇場でお確かめください。

なお12月27日からの先行公開(特別興行につき鑑賞料金は1900円均一)では、監督&キャストの特別メッセージ映像もおまけに付いてきますので、ぜひこの機会に。

そして東京&大阪以外にお住いの方々は、2020年1月10日からの全国公開で、ぜひ世界を震撼させた衝撃作を堪能してください!

(文:増當竜也)


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

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