映画コラム

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2016年02月17日

高いところから下を覗いた時のアレを疑似体験?『サカサマのパテマ』の魅力

高いところから下を覗いた時のアレを疑似体験?『サカサマのパテマ』の魅力

高層ビルの屋上から下を眺めたときを想像してみてください。

あの“ふわっ”とする感覚、想像しただけでも、ドキッとしてしまいますよね。その感覚を映像だけで、疑似体験させられるアニメ映画があるんです。「今日も映画日和ういログ」第1弾として『サカサマのパテマ』をご紹介します。

サカサマのパテマ


(C)Yasuhiro YOSHIURA/Sakasama Film Committee 2013

“空を拒む”世界と、“空を望む”主人公


地上で暮らす少年と、今にも空へ落ちそうな少女との出会いによって、「少女の正体」、「なぜ世界は空を拒むのか」、「主人公が望んだ先にはなにがあるのか」を解くことから、この物語がはじまります。

物語のはじまりは、王道といえば王道。

しかし物語が進むにつれ、不思議な感覚と想像と反した謎解きの冒険に、ぐっと引き込まれます。

作中、空へ真っ逆さまに“落ちてしまう”シーンがいくつにも渡って流され、ドキドキとハラハラが止まらないところが、この作品の見どころのひとつ。筆者がこの作品を見終わったあとに立ち上がったとき、“立っている”という感覚がおかしく感じてしまうほど、感覚が狂ったことを覚えています。

普段気にも留めない“重力”に違和感を覚える映画作品はなかなか珍しいのではないでしょうか。

サカサマのパテマ


(C)Yasuhiro YOSHIURA/Sakasama Film Committee 2013

謎を解いていくほど、面白くなる


「なぜ空に落ちてしまうのか?」誰もが初めに思う疑問、それは物語を進むにつれ、徐々に明かされていきます。

しかし映画を見終わっても、真実がわからないまま……という人もいるようです。

実は、タイトルにも表紙にも大きなヒントが隠されています。謎を解くことが好きな人には、とっておきの作品ですが、謎解きがあまり得意ではないという人は、まず先入観を捨ててみると、見えてくるものがあるかもしれませんよ。

謎が解けたとき、初めから最後まで作りこまれた物語の深さに、感動するはずです。

サカサマのパテマ


(C)Yasuhiro YOSHIURA/Sakasama Film Committee 2013

才能にあふれた人たちが集結


その作りこみの深さの理由は、制作スタッフにあります。『サカサマのパテマ』の原作、脚本、監督を務めた『吉浦康裕』さんは、サカサマのパテマオフィシャルサイトで、このようにコメントをしています。

「かつてぼく個人がボンヤリと考えた「サカサマ人間が空に落ちる」というアイディアが、沢山の才能と情熱によって形となった様は、監督として本当に感無量でした。」

監督吉浦康裕さんが言うように『崖の上のポニョ』や『エヴァンゲリオン』、『鋼の錬金術師』、『サイレントヒル』、『鉄コン筋クリート』といった有名な人気作品を手掛けたことがあるスタッフさんたちがこの作品に集結し、作り上げられました。

吉浦康裕さんをはじめ、映像から音楽までスタッフさんの才能が掛け合わったからこそ、不思議な世界観に、自然と引き込まれてしまう素晴らしい作品になっています。

ぜひあなたも“空”に落ちてしまいそうな感覚、体感してみてはいかがでしょうか。

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(文:木村うい)

【参考】
映画『サカサマのパテマ』オフィシャルサイト
スタジオリッカ

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