音楽好きへの最高のギフト!『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』

シネマズ公式ライターの田下愛です。

ベルリン・フィル、ウィーン・フィルと並ぶ世界を代表する管弦楽団である、オランダの王立オーケストラ・ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)。

この、ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団が、2013年に創立125周年を記念して行ったワールドツアーを追ったドキュメンタリー『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』が1月末より公開になりましたので、クラシック大好きな筆者は当然見に行ってきました。

ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る
(C)2014 Cobos Films & AVRO,

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が人々に贈る音楽のギフト

映画の中で、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は、アルゼンチンから南アフリカ、ロシアを訪れます。各国に待っているのは、さまざまな境遇や過去をもつ人たちです。

クラシック音楽を心のよりどころにしているタクシーの運転手。差別をうけながらも音楽を学び、子供たちにヴァイオリンを教えている黒人の先生。治安の悪い地域に暮らし、登下校の道のりにすら不安を覚えている少女たち。冷戦時代に、強制収容所につれていかれた過去を持つ老人。

決して人生を楽しむばかりでない、不安や悲しみや傷を抱えている人々。しかし、みな音楽を愛し、心の支えにしています。そして、彼らは、ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団の演奏に耳を傾けたとき、喜びに胸を躍らせ、涙で瞳をぬらすのです。

生きることはつらい。それは、みんなつらい。でも、音楽はいつだって美しく人の心に語りかける。そして、誰かの心の届いたときにこそ、音楽は本当に価値のあるものになる。

ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団の演奏と聴衆が出会うときは、まさに、そんな音楽が最高のギフトになる瞬間なのです。

個人的に見ていて最もワクワクしたのは、オーケストラのメンバーが舞台で指揮棒を魔法の杖に見たててみせる場面。指揮棒が音楽だけでなく団員も自在に動かしてしまう演出がとても楽しかったです。このシーンでは、オケのコントラバス首席奏者・ドミニク・セルディスさんが舞台でトークをしていますが、お茶目で面白いことが好きそうで、映画に登場するおもだった団員の中でも特にキャラが立っていましたね。

『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』で楽しめるおすすめ楽曲は?

『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』の中では、もちろん、オーケストラが演奏するさまざまな楽曲を楽しむことができますが、筆者がおすすめしたい劇中演奏は以下の3曲です。

ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲/ヨハン・セバスティアン・バッハ
バロック音楽の父・バッハ作曲のゆったりとした美しい作品。本来、オーボエとヴァイオリンで演奏する楽曲なのですが、映画の中では、ヴァイオリン2本で、団員二人がある人のところへ素敵なハーモニーを届けます。

アムステルダムの運河に寄せて/ピーテル・グーマンス
この曲は、野外コンサートで演奏されます。いわゆる客席のお客さんだけではなく、近くのお家の人たちが窓をあけて、みんなで音楽を楽しんでいる光景がとても素敵!こんなふうにオーケストラの演奏を楽しめるなんて、まさに極上の時間だなあと、映画の中の人たちがうらやましくなってしまいました。

交響曲第2番「復活」/グスタフ・マーラー
「復活」を演奏するコンサートは、この映画のまさにハイライト。近代クラシックの巨人・マーラーの「復活」の歌が、ある人の心に響く瞬間はとても感動的です。この場面を見て、筆者はマーラーをきちんと聴きなおそうと心に決めました。

上記以外にもたくさんの珠玉の旋律がちりばめられたオーケストラのロードムービー『ロイヤル・コンセルトへボウ オーケストラがやって来る』は、現在、渋谷ユーロスペース他で公開中です。

(文:田下愛)

映画『ロイヤル・コンセルトへボウ オーケストラがやって来る』公式サイト
http://rco-movie.com/


    ライタープロフィール

    田下愛

    田下愛

    フリーランス・ライター。雑誌、書籍、Webメディアで、幅広いジャンルの仕事をこなして活動中。ファンタジー映画が大好物で、『オズの魔法使い』『ナルニア国物語』『アリス・イン・ワンダーランド』など、魔法やおとぎの国を扱った作品にはすぐ飛びついてしまいますが、一方、『レインマン』のような人間をきっちり描いたドラマも好き。石ノ森章太郎先生をリスペクトする昭和特撮フリークでもあります。

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