「ターミネータ-」「T2 3D」に続き「ロボコップ」上映 立川シネマシティの旧作極上爆音上映について聞く。

■「役に立たない映画の話」

この数年、「極上音響上映」「極上爆音上映」など、音響にこだわった映画上映を行い、多くの観客を集めている立川シネマシティ。

その対象作品は新作だけでなく、旧作の音響をパワーアップしての上映が増えて来た。春には新作「ラ・ラ・ランド」「SING/シング」に混じってミュージカル映画の名作を上映。夏休みに入った7月には「ターミネーター」を極上爆音上映した。

© 1987 Orion Pictures Corporation.All Rights Reserved

これは8月11日からの「ターミネーター2 3D」の全国公開が決定していたことから、その前哨戦として上映したもの。その成果か「ターミネーター2 3D」は26年前の作品とは思えない好調なスタートを見せた。またこの19日からは6日間限定ながら、ポール・バーホーベン監督の1987年作品「ロボコップ」の極上爆音上映を実施する。これもまた、同監督の新作「エル」が25日から公開されることに因んでの上映だ。

こうした形の旧作上映が増えるのは歓迎すべきことだが、なぜ立川シネマシティだけが、こういう形での旧作上映を可能にしているのだろうか? 番組編成担当の椿原敦一郎氏に聞いてみた。

「リマスターされたデジタル素材の充実で、旧作上映が可能に」

──立川シネマシティでは、新作だけでなく旧作を極上爆音で上映していますが、旧作を上映する場合、どのような基準で作品を選んでいますか?

椿原 ここ数年で旧作が画も音もリマスターされたデジタル素材が数多くつくられていることが大きいですね。60年代の名作やミュージカルなどその作品ありきでテーマが固まってきたら、もうひとつふたつ旧作を探してきて組み合わせるという形でやっています。シネマシティは名画座ではありませんので、極上音響や極上爆音のプレゼンにしてこの映画をはじめて見る若いお客様の層にほ、ほぼ新作としてご紹介するといったところでしょうか。

──現在日本の配給会社が、上映権を持っていないと思われる作品も上映しているようですが?

椿原 海外の権利元に上映日程を申請して、一時的に上映権を預かるという形でやっています。作品によっては翻訳字幕の上映権処理もやらなければいけないこともあり、何でもという訳にはまいりません。あくまで新作の興行がメインですから、かなり手間がかかることもあり、そう数はやれないですね。

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「今後の方向性は、まだまだ無限」。

椿原氏の言うように、例えば今回上映される「ロボコップ」は、4Kデジタル・トランスファーマスターを採用(4K上映ではない)した高画質ブルーレイによる5.1ch上映だ。それが立川の超高性能サウンドシステムとベテラン音響家による綿密な調整を施した究極の形で、製作30年の年に甦る。ほぼ新作と言っても良さそうなバージョンである。まさにデジタル素材の拡充によって、上映が可能になった例だ。

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──1回だけの作品上映もあれば、数日間上映する作品もあるのはなぜでしょうか?

椿原 それは動員を見越して作品によって分けています。入念に告知もできて作品力も高い作品は、上映日数を増やして攻めることもあるということです。

──旧作を上映した時の、主要客層は?

椿原 これは作品によって大きく変動しますが、公開当時に見ている層らしき方もいらっしゃいますが、若いお客様もたくさんいらっしゃいます。

──今後こうした旧作上映などについてのポリシー、方向性は?

椿原 ポリシーとしては極音・極爆のプレゼンにして、確実にお客様に満足してもらえる映画ソースを探してゆくということでしょうか。方向性はまだまだ無限だと思います。今後の上映作品について、プランはたくさんありますが、ブッキングが確定してからでないとなかなか出せませんね。しかし今度はこれをかけるのか!とお客様に驚いてもらえるラインアップを仕込んでまいります。

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(C)2014 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

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(取材・文:斉藤守彦)

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    ライタープロフィール

    斉藤守彦

    斉藤守彦

    斉藤守彦(さいとうもりひこ) Morihiko Saitoh 静岡県浜松市出身。映画館、ビデオ会社でのアルバイトを経て、映画業界紙「東京通信」記者 (後に編集長)に。1996年からフリーの映画ジャーナリスト/アナリストとなり、以後多数の劇場用パンフレット、「キネマ旬報」「HiVi」「ザテレビジョン」「日経エンタテインメント!」「宇宙船」「スターログ日本版」「INVITATION」「東京カレンダー」「アニメ!アニメ!」「フィナンシャル・ジャパン」「Pen」などの雑誌・ウェブメディアに寄稿。2007年秋に「日本映画、崩壊 -邦画バブルはこうして終わる-」を、08 年「宮崎アニメは、なぜ当たる -スピルバーグを超えた理由-」、09 年「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」、 10 年に「『踊る大捜査線』は日本映画の何を変えたのか」(共著) を上梓。 他の著書に「図解でわかるコンテンツ・ビジネス」1〜4(共著)、「ソノラマ MOOK/ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(構成・執筆) 、電子書籍「日本映画、飛躍と困惑の過去・現在・未来」等があり、ここ数年は「映画宣伝ミラクルワールド」「80年代映画館物語」と、独自の視点による書籍を執筆。2016年3月には新作「映画を知るための教科書 1912−1979」が世に出る。現在、水道橋博士編集長のメールマガジン「メルマ旬報」で「2016年映画館物語」を連載中。また「BOOKSTAND映画部!」で、「映画を待つ間に読んだ、映画の本」と「映画惹句は、言葉のサラダ」の2つの連載を行っている。

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