声優・中井和哉インタビュー『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』吉田くんとアクアマンの絶妙な関係性とは

2017年10月21日(土)から公開の映画『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』。

超低予算な作品の数々で知られるあの“鷹の爪団”とハリウッドのスーパーヒーローたちが強力(?)タッグを結成した作品です。

バットマン、スーパーマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグら「ジャスティス・リーグ」と、鷹の爪団の吉田くんや総統、さらに新キャラのバト田、スパ田、ワン田、フラ田、アク田、イボ田ら「吉田ジャスティス・リーグ」が、ジョーカーらスーパーヴィランの野望に立ち向かいます。

そんな本作で「ジャスティス・リーグ」のひとり、海底王国アトランティスの王子であるアクアマンの声を担当した中井和哉さんを直撃しました。

低予算でピンチの場面は「もっと悪ふざけしたかった」

──本作を見たときに、どんな印象、感想をもたれましたか?

中井和哉(以下中井):まず、僕らがいつも「鷹の爪」と聞いて期待する要素がいろいろと詰めこまれていて、しかも、豪華だったりチープだったりという振り幅がすごかった。飽きさせない作品だと思いましたね。

──ご自身が演じたアクアマンについては、第一印象はいかがでしたか?

中井:彼のビジュアル見たとき、物語の中での立ち位置としてはやや控えめで、「真ん中に立つ人じゃないんだろうな」という感じがすごくありました。でも、そこで存在感を発揮してくれればなと。

──アクアマンを演じる上で、意識されたのはどんなことでしょう? 苦労などはありましたか?

中井:苦労というのはなく、監督であるFROGMANさんのディレクションに忠実に演じていった感じですね。完成形は監督の頭の中にしかないので、そのイメージに沿えるようにというのを第一に考えていました。

──アクアマンは、11月公開の実写版「ジャスティス・リーグ」に登場、さらに来年アメリカで実写版主演作の公開が予定されており、実写のビジュアルも明らかになっていますが、実写版と本作では、イメージが若干異なる感じがありますね。

中井:そうですね。実写版のビジュアルも見させていただいたんですが、本作のほうがもう少しスマートな感じだと思います。

──本作は「低予算」で有名な鷹の爪団さんらしからぬ豪華な映像が満載で、「ジャスティス・リーグ」のバトルシーンなども非常にクオリティが高いですが、映像をご覧になっていかがでしたか?

中井:バトルシーンはかっこよかったですね。同じ作品の中にこれだけ肌触りの違う映像が同居して出てくるのはすごいなと思いました。

──肌触りが違うというのは、たとえば、予算がピンチになって「ジャスティス・リーグ」の顔が崩れてしまうあの場面など……?

中井:あそこは、「楽しく崩れてて、いいなあみんな」って思っていました(笑)。スーパーマンはもう違うお話の人になっていましたが、アクアマンに関してはそれほど大きくは変わらなかったので。自分としては、もっと悪ふざけをしたかった気持ちもありましたね。

鷹の爪団に巻き込まれたくなかった? アクアマン

──先ほど、本作のアクアマンは真ん中に立つキャラクターではないとおっしゃっていましたが、「ジャスティス・リーグ」における彼の立ち位置を中井さんがどう思われたか、もう少し詳しくお聞きしたいです。

中井:今回、DCのヒーローたちは、まあ、巻き込まれているわけで、鷹の爪団に対して怒りつつもちゃんと突っ込んでいる人もいるんですが、アクアマンは、「突っ込む」というよりはむしろ「怒っている」と思いました。「巻き込まれきってやるものか」「染まりきるものか」と思っている人だなと。

──にもかかわらず、アクアマンは、「ジャスティス・リーグ」の中で唯一鷹の爪団の吉田くんから独特のあだ名までつけられて怒っていましたよね。あの吉田くんのネーミングセンスはどう思われましたか?

中井:わかる感じがするからこそ余計に「じゃねえよ!」と怒るんでしょうね。あのあだ名がまた絶妙で、アクアマンも思い当たるふしがあっての怒りなんだと思います。

──あだ名のくだりなど、アクアマンは吉田くんと喧嘩を繰り広げて、スーパーマンやワンダーウーマンとはまた違う関係性を吉田くんと築いていたように見えたのですが、中井さん自身の吉田くんについての印象はいかがでしょう?

中井:僕は、吉田くんは好きなキャラクターではあるんですが、今回に関しては、「なんといううざったらしい絡みをしてくるやつだ」という感じで(笑)、それだけに「いいコンビネーションなんか生まれなきゃいいのに」と(笑)。

あだ名に関する二人のやりとりも、いいコンビネーションの突っ込みというのとはまた一線を画して、「バカにされた!」って思って怒らないといけないなというのがありましたね。

──吉田くんとアクアマンの融合で生まれたアク田はいかがでしょう?

中井:あれは、純粋にかわいいなと思いました。

──アク田については、「水もしたたるいい男」という設定もありますね。

中井:その設定はまったく反映されてないですよね(笑)。「水」絡みのことを言いたいだけで、それを羅列したんだろうと。でも、それもいちいち面白かったですね。

──他の吉田「ジャスティス・リーグ」のメンバーについてはいかがでしょうか?

中井:あの人たちは、みんなかわいいなと思いました。吉田くんてなんにでもなれるんだなと。吉田くんの個性も元のキャラクターの個性も消さず、かわいいものとしてデザインされているのがすごいと思いました。

──アクアマン的には、アク田の存在は認めていたんでしょうか?

中井:いいえ、認めていません、きっと(笑)。FROGMANさんからもアクアマンは「基本怒っている人」だといわれたんですが、なので、あれに対しても「ふざけやがって」という感じなんだろうなと思います。

鷹の爪団・総統は「素敵な大人」

──吉田くん以外の鷹の爪団のメンバーについてもお聞きしたいのですが、彼らについてはどんな印象をもたれましたか?

中井:総統はいい人ですよね。エンディングのところで、総統の言葉に「なんか、いいこと言ってる!」「あ、俺ホロっとするかも」と思いました。

素敵な大人ですよね。ああいう矜持をちゃんともって悪の組織をやっているのはたいしたものだし、悪があれだけちゃんとやっているんだから、正義は正義でもっとちゃんとしないとなぁと身につまされるようで、素晴らしいと思いました。

──正義もちゃんとしないといけない……というのは、劇中の「ジャスティス・リーグ」の面々も感じたかもしれませんね。

中井:どうでしょうね。でも、これだけ無国籍でわけのわからないことをやっている中でも、総統が語っていることにはすごく日本人的な情緒があるので、アメリカの代表のような彼らにもそこがしみていたらいいなと思います。

──本作はヒーローたちが戦う物語ですが、中井さん自身がお好きなヒーロー、あるいはヒーローと感じる人は誰でしょう?

中井:いろいろと好きなキャラクターはいるのですが、しいて好きなヒーローをあげるなら、ウルトラマンかな。あとは、巨人ファンなので、原選手をはじめ、幼いころに見ていたジャイアンツの選手たちも僕にとってはヒーローですね。

──中井さんが考えるヒーローの条件は?

中井:同情を引こうとしないところかな。すぐ弱みを見せるやつはヒーローじゃないというか、僕自身が好感をもつヒーローは、男気みたいなものに立脚している人が多い気がしますね。

──では、最後に映画の公開を楽しみにしている方々へ、中井さんご自身からとぜひアクアマンになりきって彼からのメッセージをお願いします。

中井:面白くて絶対飽きないものが見られます。一大イベントとして見に行くんだ!という感じにならなくても「あ、やってる」くらいの感じで映画館に入ってもらって、絶対損はないという作品なので、お楽しみいただきたいです。

アクアマンからは「とにかく、私を(鷹の爪団と)一緒にしないでもらおう。私の真価は最後にちゃんと発揮されるので、しっかり見ておくんだぞ!」

(取材・文:田下愛)

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    ライタープロフィール

    田下愛

    田下愛

    フリーランス・ライター。雑誌、書籍、Webメディアで、幅広いジャンルの仕事をこなして活動中。ファンタジー映画が大好物で、『オズの魔法使い』『ナルニア国物語』『アリス・イン・ワンダーランド』など、魔法やおとぎの国を扱った作品にはすぐ飛びついてしまいますが、一方、『レインマン』のような人間をきっちり描いたドラマも好き。石ノ森章太郎先生をリスペクトする昭和特撮フリークでもあります。

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