意外!『帝一の國』は上半期ベスト級の傑作!見逃すと損するその内容とは?

(C)2017 フジテレビジョン 集英社 東宝 (C)古屋兎丸/集英社

見た人の高評価続出!ポスタービジュアルと内容のギャップに驚いた

原作漫画のあの独特の絵柄を、忠実に実写化したポスタービジュアルや予告編の印象から、きっとガチャガチャ騒がしく無駄にテンション高い、見てて恥ずかしくなりそうな映画なのでは?そんな先入観から、劇場での鑑賞をスルーしようとお考えの方が多いと思われる本作。

そう、確かに自分も鑑賞前は、そう思っていた。だが、鑑賞後の今はこう断言出来る。

本作は今年上半期ベスト級の作品であると!

ストーリー

国内屈指の名門校である海帝高校。
この学校で生徒会長の座に就いた人物には、将来の入閣が約束されていた。首席で入学を果たした新入生の赤場帝一(菅田将暉)には、いつか総理大臣になって己の国を作り上げるという大きな野望があった。彼は2年後に控えた生徒会長選を見据え、全国から集まったトップエリート800人の高校生相手に戦いを挑むのだが・・・。

実際、公開後のネットのレビューでも、非常に高い評価が続出している本作だが、実は本作成功の要因は、一つだけでは無い。

全13巻の長編をこれだけ上手くまとめてみせ、更には漫画原作通りのキャラクターを再現出来る、実力派の若手俳優を揃えたこと。そして、彼らの演技を受け止めて決して浮かせたりしらけさせない画面造りを成しえたその演出力!これらが全て揃ってこそ、これだけのクオリティと観客満足度が達成出来たと言えるだろう。

とにかく、人気若手俳優勢揃いのキャスト陣にも関わらず、全ての出演者に見せ場を用意しながら、それでも全体のバランスが取れているのが凄い!

(C)2017 フジテレビジョン 集英社 東宝 (C)古屋兎丸/集英社

確かにハイテンションの漫画的な演技も多く登場するのだが、前述した絶妙のバランス感覚により、見ていて決して観客が恥ずかしくなったりシラけたりすることが無く、しかも鑑賞後には各出演俳優の名前と顔が一致するようになるという、思わぬサプライズが!

実際自分も鑑賞後に、「いや、間宮祥太朗っていい役者だな」と思ってしまったほど。

そして、本作でやはり見逃せないのが、これが監督4作目となる永井聡監督の確かな演出力だ。特に、主人公である帝一が異常に勝つことに執着する理由として、映画独自の彼の行動動機を与えたことで、ラストの展開へと上手く繋げた点は見事!

このアレンジにより、あまりに利己的で倫理観に欠けるように見えた帝一に、ラストで観客が一気に共感出来るようになるからだ。ここの展開は、正に映画のマジックが存分に味わえる部分なので、是非劇場でご確認を!

原作ファンの方の感想には、「あの部分がカットされている」、「総理大臣になるまで描いて欲しかった」などの意見も散見出来るのだが、原作未読で鑑賞に臨んだ自分でも、作品世界にどっぷりハマることが出来て、鑑賞後に思わず電子書籍で原作漫画をダウンロードしてしまったほど。

冒頭でも述べたのだが、どうか事前の宣伝で眼にする「ビジュアル」から判断してスルーしたりせず、予想以上にしっかりした内容と高いドラマ性を持つ本作を、是非一人でも多くの方に見て頂ければと思う。

(C)2017 フジテレビジョン 集英社 東宝 (C)古屋兎丸/集英社

最後に

本作のラストで明らかになる、主人公の帝一が生徒会長の座と、勝つことに異常に執着し続ける理由。彼が遂に語る、そのあまりに悲しくささやかな願いこそ、本作が観客の予想を超えて心に響いてくる映画になった原因だと言えるだろう。

エンディングの帝一のセリフまで、とにかく全編に渡って這り巡らされた伏線と計算は実に上手い!この点は永井聡監督の過去作「ジャッジ」を見た時も感じたことなので、興味を持たれた方は是非チェックしてみては?

更に、エンドクレジットでのある「お楽しみ」は、男ばかりの本作キャストにおいての、特別な最後のサービス!とも言える趣向であり、男性観客にとっては必見の「可愛さ」だと言える。

意外にも、原作や出演者に対して知識や興味の無い方の方が、むしろ本作を見て感じる驚きと喜びは大きいかも知れない。
ちょっと踏み出す勇気は必要かも知れないが、是非劇場に足を運ばれることを強くオススメする。

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(文:滝口アキラ)


    ライタープロフィール

    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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