個性的な“3人”の仮面ライダー『仮面ライダーアギト』【篠宮暁の特撮辞典・第7回】
特撮に興味がない人もハマる! 『仮面ライダーアギト』
特撮というものに対して、一般の方々が持たれてるイメージで最も多いのは「子供向けの番組」だと言われています。しかし、『仮面ライダーアギト』を見ていただければそのイメージは覆ると思います。「アギト」では、なんといきなり3人の仮面ライダーが登場します。
この3人に三者三様のドラマがあり、謎があり、葛藤があり、物語の序盤から様々な伏線が張られ、それらの要素が早く次の回を見たいという衝動に駆られ、特撮に興味なかった人がどっぷり浸かっていくのを何人も見てきました。
ミステリー要素が盛り込まれていたり、ライダーがひとりだけではなく何体も出てくるという挑戦が、「アギト」以降の仮面ライダー作品に多大な影響を与えました。
記憶を失いながらも闘う賀集利樹
では、ここでアギトのどこにハマるのかを簡単に。
まず賀集利樹さん演じる主人公・津上翔一が記憶喪失でして、なぜ記憶をなくしたかもわからない、津上翔一って名前も自分の名前か定かじゃない、でも何故か変身して闘うという感じなんですが、物語が進んでくると何故記憶がなくなったのか、何故アギトに変身出来るのかが、わかってくるどころか、さらに重大な秘密が解明されていきます。
あかつき号。
これがキーワードになってきます。
サイドを固めるのは、鈍感な警察官・要潤&哀愁漂う・友井雄亮
次に、要潤さん演じる氷川誠は警察官で、実は津上翔一が記憶をなくした現場に立ち会っていました。でも、本人が鈍感なこともあって、アギトの正体が津上翔一であることにもなかなか気付かず、すれ違いの状況が繰り返されるんですが、そこでヤキモキした時に、僕は「アギト」にハマってるんだと気づきました。
ちなみに、この氷川誠が変身するG3は、警察が開発したパワードスーツなんですが、スーツを装着する感じや、トレーラーが基地になっていて、トレーラーが走りながらバイクを発進させるなど、特撮ファン心を異常にくすぐります。
そして最後は、友井雄亮さん演じる葦原涼の孤独で哀愁漂う感じ。
ギルスに変身した姿も、異形な感じがして、ひとりだけ昭和ライダーのような空気で作品に出てくるんですが、この泥臭い感じがまたなんともいえない魅力があるんです。
作品を見てもらえば、この3人のライダーのどれかに感情移入すること間違いなし。
どうも移入結弦です。
警察の上司で北條透(演・山崎潤)ってヤツが出てくるんですが、コイツに腹立つのも「アギト」の楽しみ方の一つだと友達は言ってました。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!
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