『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』が猛暑を吹き飛ばす快作である「3つ」の理由!

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シリーズの累計興収が遂に5000億円を突破! あの超ヒットアクション映画『ワイルド・スピード』シリーズからのスピンオフとなる『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』が、いよいよ8月2日から全国劇場公開された。

今回は人気脇役の二人であるホブスとショウを主人公に、まるで水と油のように正反対の二人が同じ目的のために共闘する内容なだけに、鑑賞前から期待せずにはいられなかった本作。

シリーズの魅力であるカーアクションに肉弾アクションが加わるという、正に理想のコンボ状態の作品なのだが、果たしてその出来はどのようなものだったのか?

ストーリー

ロサンゼルスで娘と暮らす、元FBI特別捜査官ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)と、ロンドンで優雅な生活を送る、元MI6エージェントのデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)。
性格も暮らし方も正反対の二人の元に、行方をくらませたMI6の女性エージェントのハッティ(ヴァネッサ・カービー)を保護して欲しいという政府からの協力要請が入る。
ハッティは全人類の半分を滅ぼす新型ウイルス兵器をテロ組織から奪還したが、テロ組織を率いる超人的な戦士・ブリクストン(イドリス・エルバ)の襲撃を受け、ウイルスと共に消息を絶ったのだった。しかも、彼女はショウの妹でもあるという。
ホブスとショウは互いに反発し合うが、妹であるハッティの安全とウイルス回収という共通の目的のため、仕方なく手を組むことに。
果たして、世界の命運を託されたこの二人の行く手に待つものとは?

予告編

理由1:最強のコンビによる、ド派手なアクションが満載!

『ワイルド・スピード』シリーズでも最強のキャラクターであるホブスとショウの二人が、遂にコンビを組んで暴れまわる!

この設定を聞いただけで、もはや「観に行くしかない!」とファンに思わせる本作。

思い返せば、主人公たちを追う法の側の人間として、シリーズ5作目の『ワイルド・スピード MEGA MAX』から登場したホブス。それに対して、7作目の『ワイルド・スピード SKY MISSION』で登場し、前作の『ワイルド・スピード ICE BREAK』で遂にチームに合流することになった、かつての最強の敵ショウ。

シリーズ最新作にして、スピンオフ作品となる今回の『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』では、この二人の最強タッグが実現! いつものカーアクションだけでなく、ド派手な肉弾アクションがスクリーン上で繰り広げられることになる。

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もちろん主演の二人だけでなく、ハイテク戦闘スーツで最後まで二人と互角の戦いを繰り広げる強敵ブリクストンを演じるイドリス・エルバの、『G.I.ジョー』を思い起こさせる人間離れしたアクションの凄さはもちろん、やはり血筋は争えないショウの妹、ハッティ役のヴァネッサ・カービーが見せる華麗な動き、更には脇役の科学者に至るまで、ちゃんと各人に見せ場を用意しているという、正に全方位外交的なそのサービス精神には、長年にわたってこのシリーズが観客の支持を得ている理由を垣間見た気がした。

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更に、飛行機内のシーンでいきなり登場する航空保安官ディンクリーを演じるのが、隠れた傑作コメディアクション『セントラル・インテリジェンス』や、昨年公開された『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』でも、ドウェイン・ジョンソンとの名コンビで大いに笑わせてくれたケヴィン・ハートなのも、次回作からの彼のチーム参入を予感させ、実に期待を持たせてくれるのだ。

個人的には、雨の中で放つ必殺技”バックドロップ”が見事に決まるその瞬間に、思わず『ビー・バップ・ハイスクール』の1作目を重ね合わせてしまった本作。

銃器の数や戦闘力ではるかに勝る敵との対決を、互角の勝負に持っていくその見事な工夫は、是非劇場でご確認を!

理由2:最強コンビには最強の敵! その設定が素晴らしい!

毎回パワーアップした悪役が登場しては倒されるという展開を重ねるうちに、次第に悪役とアクションのインフレ状態に陥ってしまうのは、長期にわたるシリーズ作品の弊害と言えるだろう。

だが、本家シリーズの設定から離れて自由になった本作では、”エティオン”という謎の組織が登場してシリーズのリフレッシュを図ると共に、今後の宿敵として重要な役割を担うことになる。

確かに、機械によって平和な理想社会を作るという今回の敵の設定は、悪の秘密結社の目的としては大正解であり、同時に己の肉体を武器に暴れまわるホブスとショウと、組織に改造されて機械を埋め込まれたブリクストンとの対比が際立つ点も、実に見事な設定と言う他は無い。

特に今回成功だったのが、敵が改造人間という点だろう。

ホブスとショウ、この最強の二人と互角に戦える悪役を毎回キャスティングするとなると非常に選択の幅が狭まってくる上に、同じような肉体派俳優の連投となる危険性は否定できない。

だが、今回のスピンオフ作品のように敵が改造人間として登場する設定であれば、体格的に二人に劣る俳優が互角に戦っても観客が充分納得いくことになるからだ。

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これによって、今までアクションのイメージが無かった演技派の俳優や女優でも、今後は堂々とシリーズの悪役として起用できるシステムが成立したことは、今後のシリーズ継続に明るい希望を与えたと言えるだろう。

実際、冒頭で触れた”悪役のインフレ問題”を見事に克服した本作は、世代や性別を超えて誰もが楽しめる最高のエンタメ作品となっているのだ。

ただ、ショウとブリクストンの過去がセリフの中で触れられるだけなので、二人の間の因縁が若干説明的な部分もあるのだが、ブリクストンの圧倒的なパワーとその暴れっぷりには、是非再登場して仲間になって欲しかった! そう思われた方も多かったのでは?

敵として登場したキャラクターが共通の目的のために共闘を余儀なくされ、次第にお互いを理解して遂には仲間になる! というのは、正に「少年ジャンプ」の王道路線や特撮ヒーロー物を思わせる展開であり、そんなところも『ワイルド・スピード』シリーズが観客に根強い人気を誇っている理由の一つなのは間違いない。

鑑賞後によく考えてみると、”エティオン”の首領が音声だけの登場でその正体が明らかにされなかったり、世界征服のために改造人間を送り出してくる展開は、正に仮面ライダーの世界を思わせるもの!

そう思うと、ショウが”技の1号”、ホブスが”力の2号”のように見えてきてしまうから不思議だ。

理由3:実は家族の和解と再生の物語だった!

本作が単なる派手なアクション映画に終わらない理由、それは主人公たちが何のために戦っているのか? や、彼らが守るべき家族の存在をちゃんと描いている点にある。

それに加えて毎回新たな登場人物が加わり、彼らの関係性や因縁が物語を動かしていくことでシリーズのマンネリ化が防止されている点も、長期にわたるシリーズの成功に大きく貢献しているのだ。

最初は冷酷な悪役として『ワイルド・スピード』シリーズに登場したショウだが、思い返せばその目的は弟の復讐であり、本作でも刑務所にいる母親への面会を欠かさないなど、彼が家族に対して深い愛情を持つ男であることが描かれている。

そのことが一見正反対な性格に見えるホブスとの共通点となり、後の二人の共闘や、お互いを認め合う展開に説得力を与えることになる点も上手いのだ。

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更に、過去にある誤解から仲違いしたままで疎遠になっている家族との和解を二人が体験することで、彼らが単なる肉体派のヒーローではなく、弱さや悩みを抱える血の通った一人の人間として、観客に共感を与える点も実に見事!

続編があるとすれば、ホブスとショウの家族が遂に会う! という展開になるのか、それとも敵の首領とホブスの因縁が明らかになるのか?

先の期待は尽きないが、まずはシリーズの新たな展開を劇場で体験して頂ければと思う。

最後に

スピード感あふれるカーチェイスが満載だった本家シリーズとは違い、高低差を利用した落下アクションや、サモア伝統の武器や戦いの踊りが印象的なラストの大バトルまで、車だけでなく様々なバリエーションによる肉弾アクションが満載の、文字通り第一級のエンタメ作品に仕上がっている本作。

スピンオフの1作目でありながら、既にシリーズ化を前提としたかのような”お約束ギャグ”が登場するなど、製作側が楽しんで作っていることが観客にも伝わってくるだけに、この二人の物語をもっと観たい! そう鑑賞後に思われた方も多かったのでは?

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事実、敵が最新のメカで武装した軍団なのに対して、己の肉体と戦闘技術で迎えうつホブスとショウの暴れっぷりは、極力CG合成に頼らない方針だった本家シリーズのカーチェイスに匹敵する迫力となっているのだ。

ただ一つ残念だったのは、せっかく体内に入ったウイルスが活性化するまでのタイムリミットが設定されているのに、果たしてラストの戦闘中に抽出作業が成功するかどうか? のサスペンスや焦りが、あまり観客に伝わってこない点だった。

ただ、こうした脚本上の弱い部分を補ってくれるのは、やはり主演の二人の魅力と見事なチームワーク、そして多くの謎を残した敵の組織の存在であり、次回作では更にクオリティを増した内容を我々に届けてくれると信じたい。

心の奥では、お互いの実力を認め合っているのに、顔を合わせるとすぐに衝突して犬猿の仲になってしまうホブスとショウ。この二人による、往年の『リーサル・ウェポン』シリーズを思わせる絶妙のコンビネーションと、派手なアクションが楽しめる本作。

2001年の第1作目から実に18年の歳月を経て、シリーズ9作目にして更なる進化を遂げた、この『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』。猛暑を吹き飛ばす超絶アクション満載の作品なので、全力でオススメします!

(文:滝口アキラ)

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