『X-MEN:ダーク・フェニックス』が完結編として素晴らしすぎる「3つ」の理由!

©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

第一作目が2000年に公開されて以来、スピンオフ作品やリブートを挟みながら、実に19年間にわたり我々を楽しませてくれた、現在のアメコミ映画大流行の先駆けである『X-MEN』シリーズ。

その最終作となる『X-MEN:ダーク・フェニックス』が、遂に6月21日から日本でも劇場公開された。

今回は原作コミックの中でも名編とされる「ダーク・フェニックス・サーガ」の実写化だけに、個人的にも期待して鑑賞に臨んだ本作。

果たして気になるその内容は、いったいどのようなものだったのか?

ストーリー

X-MEN最強メンバーのジーン・グレイ(ソフィー・ターナー)は、宇宙でのミッションの事故で熱放射を浴び、心の奥の闇に潜んでいた彼女のもう一つの人格”ダーク・フェニックス”を覚醒させてしまう。
全てを破壊する強大なパワーを制御できず暴走するジーン。彼女を救おうと仲間のX-MENたちは手をさしのべるが、彼女の力が思わぬ悲劇を引き起こしてしまう。
そのパワーを利用しようと彼女に近づく謎の女(ジェシカ・チャステイン)と、今や人類を全滅に導く<最大の脅威>となった”ダーク・フェニックス”。果たして、X-MEN最後の敵に立ち向かう術はあるのか?

予告編

理由1:初期メンバーの物語が、遂に完結!

ミュータントと人間の未来に対する考え方の違いにより、かつての仲間でありながら敵対することになった、プロフェッサーXとマグニートー。

そして本編中のセリフにもある通り、彼らを除けばビーストとミスティークの二人となってしまった、X-MENの”ファースト・ジェネレーション”たち。

チーム結成時から共に戦ってきたビーストとミスティークの関係性を含め、シリーズを通して描かれてきた彼らのドラマが、果たしてどのような結末を迎えるのか? やはり本作の大きな魅力はここにある。

旧三部作の完結後、敢えて時代設定を過去に巻き戻すことで、アメリカが歩んだ歴史と共に、新たにX-MENの誕生から描き直したこのリブート版だが、最終作となる今回は前作でのアポカリプスとの戦いから約10年後の世界が舞台となっている。

少女だったジーン・グレイも25歳の女性に成長し、チームの中心メンバーとして任務に当たる中、宇宙空間でのミッション中のアクシデントが、彼女の能力を大きく増幅させてしまう。

同時に意識下で封印されていた過去の悲劇的な記憶が蘇ることで、彼女は最強の敵”ダーク・フェニックス”へと変貌してしまうのだが…。

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チームにとって一番身近な存在が、人類とミュータントにとっての最大の敵となった時、かつて若き日のプロフェッサーXと出会うことで救われた二人、ミスティークとマグニートーが、彼女に対してどう向き合うのか?

この問題に対して、人間からの差別・偏見や、強大な敵との戦いにより多くの経験を積んだ二人と、怒りと破壊衝動に支配された過去の自分を思わせる存在=ダーク・フェニックスとの対比により、二人の成長や内面の変化、そしてチーム内の人間関係をより深く掘り下げようとした点は見事!

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加えて、”ファースト・ジェネレーション”以降に加入したメンバーとの世代交代も描かれる本作は、今後の展開への期待を含んだ、正にシリーズの締めくくりに相応しい内容となっている。

X-MENたちがヒーローとして存在する理由が、その人類を越えた能力にあるのではなく、むしろその能力を正しい目的に使い、コントロール出来る”精神的な強さ”にある、そう教えてくれる本作。全力でオススメします!

理由2:やっぱりアクションが凄い!

ミュータント同士の壮絶なバトルが毎回の見どころとなる、この『X-MEN』シリーズ。

もちろん本作でもダーク・フェニックスの想像を超えた破壊力や、ヘリコプターを使ったシーンなど、見事なアクションシーンで観客を大いに楽しませてくれるのは間違いない。

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特に凄いのが、映画の終盤に登場する”囚人護送用列車”を舞台にした大アクションシーンだ。

未見の方のために詳しく書くことは避けるが、ジーン・グレイの存在を巡って分裂・対立したX-MENメンバーが、再び目的と気持ちを一つにして敵に立ち向かうこのシーンは必見!

実際、走行中の列車内で繰り広げられる数々のアクションは、各キャラクターの能力を生かした戦いが繰り広げられる上に、「まだこんな描き方があったのか!」と思わずにはいられないほど。

特に、気弱な青年だったナイトクローラーの心情の変化と、彼の心の中にヒーローとしての覚悟が生まれる瞬間は名シーンなので、是非お見逃しなく!

理由3:旧三部作への敬意と愛情に満ちた内容が見事!

※ここからは若干のネタバレを含みます。
 映画鑑賞前の方は、鑑賞後に読むことをオススメします。

ミュータントと人類の将来を巡る戦いや、社会から迫害されるミュータントの悲劇を中心に描いた旧三部作に対して、リブート版のシリーズでは、むしろプロフェッサーXとマグニートー、更にミスティークとビーストを加えた初期メンバーの成長と関係性が中心に描かれている。

人類との共存か、それとも敵対か?

理想の違いによるミュータントたちの対立や、非道な人間側に対してのミュータントの共闘、そしてミュータント能力を失って人間と同化することが、果たして本当に幸せなのか? など、毎回様々な問題定義を盛り込んでくれた旧三部作に対して、主に原作の名エピソードを映像化してきたリブート版シリーズには、細かい部分の描写も含めて旧三部作への敬意と愛情を強く感じることができる。

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だがその反面、原作コミックの人気キャラクターの登場が、顔見せ出演やファンサービスの様に1本限りの登場で終わったり、エンドクレジット後の映像が意外と次回作に関係してこない点など、どうしてもMCU作品の盛り上げ方と比べて物足りなさを感じてしまうのも事実。

今回の『ダーク・フェニックス』でも、そうしたサプライズは用意されているのだが、残念ながら全く名前が紹介されないため(エンドクレジットには、ちゃんとその名前が記されていた)、原作ファン以外には意味不明な登場となってしまっているのは、実に残念!

単なるファンへのサービス・目くばせで終わらせるには、あまりに惜しいその登場だけに、正直「最終作に及んで、何故?」と思わずにはいられなかった。

もちろん、これが次期フェイズへの布石であってくれれば何の問題も無いのだが、『デッドプール』の方にコロッサスやケーブルといった人気キャラクターが登場しているだけに、本家シリーズにお目当てのヒーローが登場する日を待ち望んでいる観客にも、是非配慮を! そう思ってしまうのも、ファンの正直な気持ちなのだ。

今後の展開として、また一から初期メンバーによる結成のエピソードが描かれるのか、それとも原作での人気エピソードの様に、初期X-MENの救出のために新X-MENが結成されて豪華共演を果たすところから始まるのか?

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残念ながら先に公開されたアメリカでの興行成績が、シリーズの有終の美を飾るほどでは無かっただけに、今後の展開が非常に気になるところだ。

既に次回作としては、『ニュー・ミュータンツ(原題)』 が来年の4月に全米公開予定であり、それ以降も『X-Force(原題)』や『ローラ(仮題)』、それに何と旧三部作では悪役として登場した『マルチプルマン(仮題)』までが製作発表・噂されているだけに、先日製作中止が発表された『ガンビット(原題)』の二の舞にならないことを、願ってやまない。

最後に

『X-MEN:ファイナル ディシジョン』でも描かれた、原作コミックの重要なエピソード「ダーク・フェニックス・サーガ」を、ジーン・グレイの過去のトラウマに焦点を当てることで、新たな視点から描こうとした本作。

最近の映画上映時間が軒並み2時間を超える中で、シリーズの完結編にも関わらず1時間54分の時間内にまとめたその内容は、人間ドラマを描きながらアクションの見せ場も押さえた実に無駄のないものとなっていた。

これは、今回、監督・脚本・製作を務めたサイモン・キンバーグの功績によるところが大きく、実は本作のラストも2000年に公開された記念すべき第一作目のラストと見事に呼応するものであり、19年間にわたる『X-MEN』シリーズへの、彼の深い愛情と敬意を感じずにはいられない内容に仕上がっているのだ。

X-MEN (字幕版)

ただ残念ながら、アメリカでの興業成績は期待された数値を下回ってしまったようだが、それも後述する様な製作上の様々な変更や混乱を考えれば、仕方がないと言えるかもしれない。

そもそも今回の悪役として登場する”自由にその姿を変えられる宇宙人”だが、サイクロップス役のタイ・シェリダンのインタビューによれば、当初の設定では先日公開された映画『キャプテン・マーベル』にも登場する”スクラル人”だったとのこと。

更に今回の監督であるサイモン・キンバーグのインタビューによれば、「最近公開された別のアメコミ映画に似ていたため」との理由により、脚本の変更や追加撮影・再編集が行われた結果、映画の内容も二転三転してしまったそうだ。

これらを踏まえて考えると、確かに本作での敵の描き方は『キャプテン・マーベル』に登場した”スクラル人”と相反するだけに、その調整作業による混乱が最終的な作品の出来に反映されてしまったことは、充分に考えられる。

実際本編中でも、敵の正体や名称に関して明確には言及されておらず、一応は原作コミックにも登場する”あるエイリアン”とされているのだが、原作コミックに馴染みのない観客にとっては、「こいつら何者なの?」と思いながら物語が進むことになるのも事実。

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加えてスクラル人と同様に、クイックシルバーのキャラクターも作品に登場させる権利を所有していたFOX社が、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で死亡しているクイックシルバーを、『X-MEN』シリーズでは普通に活躍させて、一般観客に混乱を与えてしまった点も、今回の興行的不振の一因と言えるかもしれない。

とはいえ前述した通り、旧三部作への最大限の敬意と愛情に満ちた作品なのは間違いない本作。当時劇場で観られなかった世代の方にも、この機会に是非両シリーズを見比べて頂きたいところだ。

幸い過去のシリーズ作品はAmazonプライムなどで配信されているので、時間に余裕がある方は本作鑑賞後に旧三部作を見返して頂くと、いかに細かい部分までトレースされていて、かつ独自の視点で彼らの物語を再構築しようとしたか、お分かり頂けると思う。

トム・ホランド版『スパイダーマン』三作目にデッドプールが登場する? そんな噂がネットに流れているだけに、今後のMCU作品の展開への予習も含めて、早めに劇場で鑑賞するのがオススメです!

(文:滝口アキラ)

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