続・朝ドライフ

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2022年09月01日

「ちむどんどん」第104回:フォンターナはほんとうに一流レストランなのか

「ちむどんどん」第104回:フォンターナはほんとうに一流レストランなのか


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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第104回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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「ちむどんどん」いよいよ開店

サブタイトルにあった「イナムドゥチ」は沖縄のお祝い料理の定番であることがわかりました。和彦(宮沢氷魚)がオープン祝いに作るのです。

その前に解決しないといけない問題があります。

智(前田公輝)が「瀕死の重体」と聞いて、暢子(黒島結菜)歌子(上白石萌歌)が病院に駆けつけると、いろいろ誤解があって、智は無事でした。

喧嘩したまま智が死んでしまったら……と心配した歌子と智の気持はまた一步近づきました。

握手をしようよとしたら三郎(片岡鶴太郎)が病室に入って来て……。このとき、数珠持っているのがブラックです。しかも三郎さん、ものすごく顔色が悪い……。

この実に素朴な聞き間違いコントについてはさらりと飛ばして、お次は、フォンターナです。

賢秀(竜星涼)清恵(佐津川愛美)が東京に営業に来たおり、フォンターナでランチ。
スーツを着た賢秀とワンピースの清恵はなかなか素敵です。

高そうなお店に緊張する清恵。ふと、昔、女友達と食事したことを思い出し語りします。その友達は、東京に憧れて出てきて男に騙され故郷に戻ったというもので、どうやらそれは彼女自身のことのように思えます。

清恵が賢秀に苛立ちながら見放せないのは、自分を見ているみたいだからかもしれません。あるいは悪い元カレ。そう、清恵はいわゆるダメンズに弱いタイプなのかも。

過去は償えないと言う清恵に賢秀は
償えるさ 人はよ、何回でも人生をやり直せる

とあっけらかんとしています。さすが賢秀。「いいこと言うね たまには」と珍しく賢秀を肯定する清恵。

そう思えないとやっていけない、俺なんか、もっと恥ずかしい過去ばかりと自覚している賢秀。

ちょっと切ない劇伴が流れて、失敗した過去を持ちながらなんとか前を向いて生きてようとしているふたりの生きる哀しみが共鳴しはじめた、じつにいい場面です。が、そこへ、アロハを着たチンピラふうの男・涌井(田邉和也)が現れ……。

フォンターナ、一流レストランのはずなのに、なぜ、こんな柄の悪い人がふらっとランチに入って来れるのでしょうか。時代の変化と共にいつの間にか大衆レストランになったのでしょうか。夜は予約制でなかなか入れないけど、ランチは誰でもウェルカム、リーズナブルな値段で一流の味が食せるみたいなことを
売りにしているのかな。確かに、暢子も上京してすぐに早苗に誘われてランチに来てましたしね。

一流問題はまあいいとして、視聴者のほんと誰もが思うのは、こんな偶然の再会ある?ということです。

智の交通事故と同じく、素朴過ぎる展開です。これもまた、智の件と同じく、賢秀と清恵との関係を進展させるための仕掛けでしょう。

と、ここで思うのは、交通事故、元カレらしき男との偶然の再会。どっちもドラマあるあるで、お話を盛り上げるときには使う必須アイテムのようなものですから、それはそれでいいのですが、問題はその舞台です。

前者は、ここで大事故起こらないよね、というような狭そうな道、後者は、ここにチンピラ来ないよね、というような銀座の一流レストラン。

創作とは、ここどうする? となったとき、冴えたアイデアで乗り越えることでもあると筆者は思っています。それが、辻褄合わなくても視聴者にSNSでツッコんでもらえて盛り上がりの一助になるからいいよねってことで、それこそ一流のはずの制作者たちが、思考や工夫を放棄するようになることがとてもこわいことだと感じています。

力技で突破するのは思いがけないアクシデントがあったときには仕方ないけれど、このドラマは、その思いがけないアクシデントがあったときの力技ばかり使っているようで、いったいどうしてこういう選択をしているのか、ほんとうに謎です。

そうこうしていると、1979年9月(昭和54年)、暢子のお店がオープンしました。

暢子が珍しく空を仰ぎ、太陽を拝んでいました。「ちむどんどん」では空があまり出てこないんですよ。沖縄の空を強調するためでしょうか、東京は息苦しい閉ざされた雰囲気なのです。

そして開店には、暢子と和彦の頼もしき仲間たちが。
交際範囲は狭く数も少ないながら、絶対的な味方がいることは強いですねえ。




(文:木俣冬)

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